どうでもいい」と見切ることも大事!くじけそうな心を支えてくれる言葉/心が強い人は みな、「支える言葉」をもっている

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更新日:2022/7/20

「これでいいのだ」の力

 たとえば赤塚不二夫の名言「これでいいのだ」。歴史的ギャグ漫画『天才バカボン』に出てくる、バカボンのパパの決めぜりふですね。「自分の失敗で親に迷惑をかけてしまった。なんて自分はダメなんだ……」と思い悩んでいたとしても、バカボンのパパだったら「これでいいのだ」と肯定してしまうでしょう。さっさと次の行動に移るはずです。しかも、バカボンのパパのめちゃくちゃぶりを見れば、自分の失敗なんて、ありふれたつまらないものに思えてきます。

 バカボンのパパの生みの親、赤塚不二夫も、言わばバカボンのパパを生き方のモデルにしていたようなところがあります。ギャグ漫画のようなエピソードは枚挙にいとまがありません。葬儀ではタモリさんが弔辞を読み、感動的な内容で話題になりました。その中には、こんな言葉がありました。

 

 あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後関係を断ち放たれて、その時、その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは、見事に一言で言い表しています。すなわち、「これでいいのだ」と。

 

 悟りの境地のようですね。『天才バカボン』はナンセンスギャグ漫画ですが、仏教との関連性を指摘する人も多くいます。「これでいいのだ」というシンプルな言葉の背景には、赤塚不二夫の生きざまとともに、哲学的とも言える思考があるのです。

 また、徳川家康の人生に学ぶこともできます。長い不遇の時代を乗り越え、焦らず時が来るのを待ち、60歳を過ぎてついに天下統一を果たした家康。頑張っていることの成果がなかなか出ずにくじけそうだという人も、家康に比べれば「まだまだ」と思えるのではないでしょうか。家康は「人の一生は重荷を負て遠き道を行くが如し いそぐべからず」という言葉を残したとされています。

 先人たちが残してくれた言葉は、くじけそうな心を支えてくれます。こうした頼もしい支柱を使いながら、少しずつ心を強化していきましょう。

<第2回に続く>

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