走力アップのためにはダッシュ練習が必須? 最新トレーニングを知って「かつての常識」をアップデート!
公開日:2022/6/20
トレーニングは進化する。かつて部活やスポーツで汗を流した人、まさに今わが子が部活やスポーツに打ち込んでいる人にとって、最新のトレーニングはすこし気になるところだろう。さらに、かつて馴染んだ部活トレーニングの中に誤ったものが混じっていた、と知ったらショックを受けるかもしれない。
さて、あなたは「走力アップのためには、まず何から取り組むべき?」だと考えるだろうか。
A 短い距離のダッシュ練習
B 前傾姿勢の練習
フィジカルトレーナーとして青学駅伝チームを優勝に導いた立役者のひとりである著者の『子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法』(中野ジェームズ修一/中央公論新社)によると、正解はB。まずは体に正しいフォームを覚え込ませることが重要だそうだ。人間は自分が進む方向に体を傾けたほうが断然進みやすくなるが、運動が苦手な人や、足があまり速くない人ほど、これができていないという。
このように、本書では、
第1章 トレーニングはこれが正解
第2章 準備とケアはこれが効く
第3章 日常生活のススメ
のテーマごとに、複数のトピックがそれぞれ2択のクイズ形式で始まる。
さらに本書は、それぞれのトピックにおいて、最新の情報に基づいたトレーニングを紹介している。「走力アップのためには、まず何から取り組むべき?」では、次のような内容だ。
「背中押しトレーニング」
1 2人組になって前後に立つ
2 後ろの人が前の人の背中をゆっくりと押す
3 前の人は背すじを伸ばし体の軸を真っすぐに保ちながら、押されるのに合わせて少しずつ体を前方に傾かせる
4 倒れる寸前に自然と足が前に出たら、そのまま走り出す
ところで近年、体が硬い子どもが増えている、といわれる。本書の「体の柔軟性をアップするにはどんなストレッチが有効?」では、次の2択が出題される。
A 反動を上手く使って刺激を入れながらストレッチ
B 反動を使わずゆっくり静かに伸ばし続ける
反動を使って伸ばそうとすると筋肉は縮んで硬くなる、ということで、正解はB。
部活では対校試合が行われることが多い。では、「試合に負けてしまった。次に勝つためにはどうすればいい?」。
A 練習内容を見直す
B 朝練を追加するなどして練習量を増やす
練習量を増やせば強くなるわけではないため、答えはA。
どうだろうか。このように、かつての部活トレーニングの常識に当てはまらない方法や考え方が、本書では数多く紹介されている。
つらいトレーニングも、本書で知識・理解を深めることで、納得してより積極的に取り組めるようになるかもしれない。
文=ルートつつみ
(@root223)