自己肯定感ダウンの原因は“嫌な記憶”にあり!? 自分のことがもっと好きになれる「自己肯定感セラピー」
公開日:2022/6/24
ふとした瞬間、過去の嫌な出来事が頭に浮かび、自己否定というネガティブな感情にどっぷり浸かってしまう……。そんな苦しさと共に生きている方は、意外と多いのではないだろうか。
だが、その悩みは本書『自信のないあなたのための自己肯定感セラピー』(松村有規/自由国民社)との出会いで解消されるかもしれない。
著者・松村有規氏はNLP心理学やインナーチャイルドヒーリングなどを学んだ、心理セラピスト。本書では、自己肯定感を下げる原因となっている「嫌な記憶」に着目。斬新な自己肯定感アップ法を伝授している。
自己肯定感が下がる原因は「嫌な記憶」にあった!
私たちは日々、様々な出来事を体験し、たくさんの記憶を「脳」に収めている。それなのに嫌な記憶をなかなか忘れられないのは、恐怖の感情がストーリー仕立てになって付随し、長期記憶になってしまっているからだと著者は語る。
記憶に感情をマッチングさせると効率的に記憶できるといわれています。「うれしい」「楽しい」というだけでなく、ストーリー仕立てにして出来事を記憶し、記憶に感情を付随させると効果的だといいます。つまり、長期記憶には「感情」が入っている情報のものが多いのです。
ポジティブな感情が付随している長期記憶は人生を強力にサポートしてくれるが、ネガティブな長期記憶が頭の中で何度も反復されると、自己肯定感が蝕まれてしまうと指摘。
そこで、過去の嫌な出来事を別の視点で捉えて、記憶を整理することで自己肯定感を上げようと訴えかけている。
そのために知っておきたいのが、自分の記憶タイプ。人は視覚・聴覚・身体感覚など、すべてを均等に使って出来事や記憶を情報として処理するのではなく、その人が得意な感覚や他の人より優れている感覚を主に使って記憶を処理しているため、同じ出来事でも、人によって記憶は異なる内容となるのだという。
本書には自分の記憶タイプを知ることができる「言語解析法」と「視線解析法」を収録。「言語解析法」は、普段の会話の中でよく使う言葉をチェックする。
一番チェックが多かったのが①の場合は視覚優位の「Vタイプ」、②なら聴覚優位の「Aタイプ」、③だと身体感覚優位の「Kタイプ」である可能性が高いのだそう。
そして、「視線解析法」では目の動きをチェック。例えば、視覚優位の「Vタイプ」は上を見る傾向があり、聴覚優位の「Aタイプ」は左右に目線が動きやすいのだそう。
各タイプは頭の中で記憶を再生・構築する時の視線にも違いがみられるのだとか。あなたはどのタイプになっただろうか。
自分のタイプに合った「記憶の編集」で自己肯定感アップ!
記憶タイプが分かった後は、自分に合ったやり方で嫌な記憶を片付け、自己肯定感を高めていく。
例えば、目で見た情報を保存するのが得意な「Vタイプ」の場合は、自分が好きで明るい気持ちになれたり、笑えてきたりするキャラクターを嫌な記憶に登場させたり、嫌だった記憶の一場面を写真のように切り取って頭の中で加工したりして、記憶の書き換え作業を行うのがおすすめなのだとか。
聴覚優位の「Aタイプ」の場合は記憶に残る嫌な声を別人の声や高い声質に変えたりするとよいのだそう。また、おいしく感じるような音を嫌な記憶に被せるなどし、食べ物を登場させるのも効果的なのだとか。
なお、こうした記憶の整理を行う場合はいきなりひどく嫌な記憶から取り組むのではなく、まずは軽い失敗体験や少しだけ嫌だった出来事を思い出すところから始めるのがポイント。
本書には、誰でも簡単に取り組める「1日1分でできる自己肯定感ワーク」も収録されているので、自分の愛し方なんて分からないと悩んでいたら手に取ってみてはいかがだろう。
文=古川諭香