本田夕歩が「青春時代」と“大人な魅力の写真集”を語る! プリクラもイヤだった少女が「私はかわいい」と思えるようになるまでの軌跡

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更新日:2023/2/10

本田夕歩
amble』(本田夕歩/KADOKAWA)

 SNS総フォロワー数30万人を超える、モデル/インフルエンサーの本田夕歩さん。コスプレイヤーとして世の中に登場した本田さんが、雑誌のグラビアや撮影会によって着実にファンを増やし、6月15日にメジャー1st写真集『amble』(KADOKAWA)を発売した。本作はランジェリーやベビードールなど、彼女のSNSの投稿写真からは想像もつかないようなセクシーなカットが大きな話題を呼んでいる。

 テレビや雑誌の表紙でコスプレ出身のタレントを多く見かけるようになった今日だが、本作は、本田夕歩さんがそうした人気者たちに続く第一歩となるのではないかと思う。

 本記事では本田さんにロングインタビューを実施。写真集『amble』の見どころはもちろん、これまでの人生について伺い、多くのファンを惹きつける魅力の正体に迫った。

「自分はかわいくない。プリクラは大嫌い」と思っていた学生時代から、どのような経験を経て「かわいい本田夕歩」を全力で表現するまでに至ったのか。

 彼女のファンはもちろん、多くの人が勇気をもらえるであろう本田夕歩さんのエピソードの数々を、写真とともに楽しんでほしい。

(取材・文=金沢俊吾 撮影=内海裕之)

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私の青春をつめ込んだ一冊

――1st写真集はどんな作品になりましたか?

本田:この写真集から私を知っていただいた方はセクシーなイメージを持たれると思うんです。でも、SNSや撮影会ではそんなに露出をしていないので「え? 普段と全然違うじゃん!」と思っていただけるんじゃないかなって。そういった、ギャップを感じていただける作品になったかなと思います。

――本田さんを以前から知っているファンであればびっくりするような、思い切った姿が見られるということですね。

本田:そうですね。普段の撮影会では清楚な私を見ていただいて、セクシーさはこの写真集で楽しんでいただければ(笑)。

本田夕歩

――今回の写真集は写真のセレクトもすべてご自身でされたと伺いました。どんなテーマをもって撮影に臨まれたのか教えてください。

本田:テーマは“大人”です。衣装を決める段階で、自分が今まで着たことがないようなものにチャレンジしてみたいと思いました。明るめのポップな写真もたくさん収録しているんですが、黒いランジェリーだったり、ちょっとキメたい衣装は「セクシーなお姉さんになるぞ!」みたいな気持ちで臨みました。

――そんな「セクシーなお姉さん」を感じられる、おすすめのカットはありますか?

本田:私がいちばん好きなのは、黒いボディスーツのカットなんです。ドットのフリルのカチューシャだったり、濃いめのメイクだったり、男性にも女性にも気に入っていただけるといいなと思っています。あと、自分で言うのもちょっと恥ずかしいんですけど、自分の横顔が好きなので、このボディスーツを着た横顔のカットはお気に入りです。

本田夕歩

――黒いボディスーツと対照的な、表紙の黄色いドレスも素敵です。このカットを表紙にするのは、すぐ決まったのですか?

本田:これはもう、いちばんいいカットだったので、すぐに決まりました。この黄色のワンピース、胸元、どアップの笑顔と、パッと見ただけで目を引くかなと思って選ばせていただきました。私は普段、赤や青の衣装を着ることが多くて、黄色って珍しいんです。でも、周りからは、黄色やオレンジをイメージカラーだと言われることが多くて、実は私にピッタリな衣装なんじゃないかなと思っています。

本田夕歩

――その他、注目ポイントがあれば教えてください。

本田:ベビードールを着て、シャワーを浴びているカットはすごくお気に入りです。このベビードールは、ずっと着てみたいと思ってリクエストした衣装なんです。このかわいらしいベビードールを着て、シャワー浴びてみたいなって。濡れた髪のセクシーさと、衣装のかわいさが合わさっているので、ぜひ見てほしいカットです。

本田夕歩

――今回、様々な衣装を着られていますが、カットセレクトだけでなく構成もご自身でされたのですか?

本田:はい、そうなんです。写真集を通して、私のこれまでの歩みを感じていただけるようなものにしました。

 まず、私はコスプレイヤーとして世の中に出させていただいたので、序盤はウサギやチャイナドレスを着てちょっとコスプレ風に。そこから段々、セクシーさも取り入れて、大人になっていく姿を見ていただけるような構成にしました。私の青春を本当にぎゅーっとつめ込んだ一冊になったと思います!

男子から告白されたことはない

――本田さんのこれまでの歩みを感じられる一冊ということで、本田さんの人生をより知ったほうが写真集を楽しめるかなと思い、ちょっと過去のことも聞かせてください。子どものころはどんな性格でしたか?

本田:子どものころは、目立たない、おとなしいタイプでした。小学校高学年のときに、クラスにめちゃくちゃかわいい女の子がいたんですよ。その子が着ているお洋服とかも全部うらやましくて。その子へのあこがれが強すぎて「私は劣っているな、かわいくないんだな」と思っていましたね。

――周りから見たら本田さんもかわいい女子だったんじゃないかと思いますが、「かわいいね」みたく言われたことはなかったんですか?

本田:全然なかったですね。男子から告白されたこともなかったですし、本当に自分に自信がありませんでした。だから、恋愛にもあんまり興味がなかったんです。

――恋愛に興味がないという一方で、学生時代に乙女ゲームにハマったと過去のインタビューで拝見しました。

本田:同級生の男の子たちは、ヤンキーっぽい人が多くて少し苦手だったんですよ。それに比べて二次元の男の子のほうが優しいじゃないですか(笑)。それで『うたの☆プリンスさまっ♪』という乙女ゲームにハマって、私の高校3年間はすべて『うた☆プリ』に捧げました。

――『うた☆プリ』は、どんな楽しみ方をされていたんですか?

本田:それはもう、男の子に対して恋をしてたんだと思います。一十木音也くんという赤髪の子を「彼氏」と呼んでいました(笑)。本当に大好きで「私が支えるわ!」って。

――なるほど、恋ですか。キャラクターを「支える」というのは……?

本田:バイトして貯めたお金を、グッズやイベントに全部つぎ込んでいました。当たり前のようにラバーストラップを箱買いしたりしていましたね(笑)。

本田夕歩

コスプレは気持ちいい

――おとなしいタイプだったとのことですが、コスプレイベントへの参加は抵抗なくできたのでしょうか?

本田:高校生のときにはじめて出たコスプレイベントは、友達と一緒だったので、そんなに不安はありませんでした。『ラブライブ!』の矢澤にこちゃんのコスプレをしたんですが、完成度は低くても「にこちゃんになりきるぞ」という気持ちが強かったので、抵抗はなかったですね。

――イベント会場には、コスプレイヤーさんを撮影しにくる人がたくさんいますよね。本田さんを撮りにくるカメラマンさんがいることで、先ほどおっしゃっていた「私はかわいくない」みたいな劣等感が解消することはありましたか?

本田:ああ、それはあったかもしれないですね。やっぱり、自分が被写体になってたくさんの人に撮影していただくって、普段の生活ではぜったい味わえないじゃないですか。そういった優越感というか、気持ちよさのようなものは感じていたと思います。その優越感のおかげでコスプレにもハマっていったし、そのなかで少しずつ、撮っていただくことの楽しさを知ったんです。

――「撮られる楽しさ」って、どういったところでしょうか?

本田:やっぱり「キャラクターになりきる楽しさ」がいちばんですね。本田夕歩としてだったら、とてもじゃないけど恥ずかしくてできないことも、そのキャラクターのコスプレをしていると、なんだかできちゃうんですよ。コスプレ会場では、みんながキャラクターになりきっているのは当たり前だし、私が何していても別に誰も気にしない。そういった空気感がすごく心地よかったんだと思います。

本田夕歩

「オタ活」のために東京へ

――高校卒業後、地元の福岡の大学に進学されたそうですが、本当はすぐ上京したかったそうですね。それはやっぱり『うた☆プリ』やコスプレの影響もあったのでしょうか?

本田:まさしくそのとおりなんです…! 18歳のころが、私の『うた☆プリ』熱が高まった絶頂期で「東京に行って、イベント制覇するぞ!」って思っていました。結局、福岡の大学は1年でやめてしまいました。

――大学では、何を専攻されていたんですか?

本田:当時、ブログのデザインをするのが好きで、パソコン系の仕事に就きたいと思って「情報科学部」に通っていました。でも、パソコンをさわっているときはすごく楽しかったんですけど、それ以外の数学とかがイヤで「これは無理だ」って。私はオタ活を若いうちにいっぱい楽しみたいって気持ちがあったので、バイトでお金貯めて、早く東京に行っちゃおうと思ったんです。

――じゃあ、本当に「オタ活する」と言って上京したんですね。なかなか、理解のあるご両親ですね(笑)。

本田:そうなんですよ。両親はずっと私のことを応援してくれていて、今も私の写真を印刷して、部屋に飾ってくれているんです。母の職場の方々は、皆さん私のTwitterをフォローしてくださっているらしくて(笑)。

――素敵なご家族です。そうして東京に来られるわけですが、そのときはプロのコスプレイヤーやモデルになるとは考えていなかったのですか?

本田:まったく考えていませんでしたね。もう「東京に行くぞ!」とだけ決めて本当に行っちゃう、みたいな感じでした。それで本当に何とかなっちゃったから、私は運がよかったなあと思います。

本田夕歩

少しずつ「本田夕歩」をつくる

――東京に出てきてからは、どうやって生活していたのですか?

本田:最初はコスプレ関係の衣装を作っている会社で、普通にOLをしていたんです。事務所に所属するまでの本当に短い期間だったんですけど、OLしながら、たまに会社が出している衣装のモデルをやったりもしていました。

――事務所に所属してからは、プロとして本格的にコスプレやグラビアをされるようになったと思うのですが、当時はどんな心境でしたか?

本田:すぐに雑誌の表紙のお仕事をいただけたりして「夢みたい!」って思いました。でも、そのあとは撮影会をやっても、お客さんがめちゃくちゃたくさん来ることもないですし、Twitterのフォロワーもそんなに伸びず。焦っていたわけじゃないんですが「私、何しているんだろう」と思いながらやっていたような気がします。

――「何しているんだろう」というのは?

本田:私は、なりたいものがあって事務所に入ったわけでもなかったんです。だから、漠然と「私は何になりたいんだろう……」って。

――例えば、えなこさんのようにコスプレイヤーとして有名になりたいとか、グラビアアイドルとして活躍したいとか、そういったイメージも持たれていなかったんですか?

本田:その当時は、本当に何もなくて。ただただ、置かれたレールの上を毎日歩いているような気分だったんです。ただやりなさいって言われたことをこなしていく、みたいな。自発的に動くことは本当に少なかった記憶があります。

――今回の写真集をセルフプロデュースしたことを伺った後だと、そんな時代があったなんてなかなか想像できなかったです。ちなみに、このころからコスプレだけでなく、水着などの衣装も着るようになりました。何か気持ちの変化はありましたか?

本田:水着自体、そんなに抵抗はありませんでした。でも、コスプレはそのキャラクターになりきれますけど、今度は被る仮面がなくなったというか「本田夕歩」という存在を見せていかなきゃいけなくなって。自分がどう見られているか、どのように映ったらファンの皆様に喜んでもらえるかとか、そういったことを自分なりに研究するようになりましたね。

――そうした研究の末に、きっとファンも増えてきて「本田夕歩らしさ」が少しずつ作られていったんですね。

本田:きっとそうなんだと思います。まだ完成しているわけじゃないですけど、少しずつ、需要に応えられるような姿になってきたんじゃないかなって(笑)。

「かわいい」と言ってもらえるように

――ちなみに、今回の写真集は本田さんご自身が書かれたエッセイが何本か載っていて、そのなかの1本が「本田夕歩としてのこだわり」について書かれていました。

本田:そうなんです。6つのエッセイを書かせていただいたのですが、どれも普段から意識していることを言葉にしました。「本田夕歩」というキャラクター、「ファン」「こだわり」「大切なもの」についてなど、ほとんど編集者さんの修正もなく、自由に書かせていただいて。

本田夕歩

――すごく読み応えのある素敵なエッセイでした! エッセイにも書かれたと思うのですが、改めて「本田夕歩らしさ」ってどのようなところにあると思いますか?

本田:写真に関しては「あざとさ」や「彼女っぽさ」が伝わるように意識しています。実際にあざといかどうかは、見てくださった人が判断することですけども。でも、それが本田夕歩らしさのひとつなんじゃないかなと思っています。

――具体的に、どんな撮られ方で「あざとさ」を出しているのか伺ってもいいですか?

本田:上目遣いだったり、ぷくっと顔をふくらませたり……自分で説明するのも恥ずかしいですが(笑)。

 定番というか、やりがちだとも思うんですが、やっぱりファンの皆さんもそういった写真を喜んでくださるので、変わらずやっていきたいと思っています!

本田夕歩

――写真集に限らず、写真を撮られるときは自覚的に「あざとさ」「彼女感」を出すように努めているんですね。

本田:そうですね。衣装を決める段階でアクセサリー、ヘアスタイリング、ポーズも自分の中で構成しています。そういう意味では、計算でやっているとも言えるかもしれません。どこまで上手くいっているかはわかりませんが少しでも「かわいい」と言ってもらえるようにしたいなって。

――なるほど。子どものころは「私はかわいくない」と思っていた人が、こうやってあざとくて、セクシーな写真集を出して「かわいいと言ってもらえるようにしたい」って、すごくおおきな変化だなと思いました。

本田:本当にそうですよね。高校生のころなんて、プリクラですら、めちゃくちゃイヤだったんですよ。そんな昔の私が、この写真集を見たら「うわ、私なにやっちゃってるの!」ってびっくりすると思います(笑)。

――数年間で何が起きたんだ!? ってなりますよね(笑)。

本田:そうそう(笑)。でも、それぐらい、コスプレを始めた高校生のころよりも大人になったんだな、成長したんだなと実感してもいるんです。恥ずかしさとか不思議な気分もなくはないですけど、それ以上に、コスプレ写真集でもなく、「本田夕歩」というひとりの女性として写真集が出せたことがうれしいなと思っています。

本田夕歩

ファンからの「かわいい」は最大の栄養分

――ここまでお話を伺っていて、将来に迷った時期を経て、今はすごく楽しそうにお仕事されている感じが伝わってきます。

本田:そう言ってもらえるのは、めちゃくちゃうれしいです。「ぽんちゃんって幸せそうだよね」と言われることが多いんですけど、昔のようにあんまり落ち込むこともなく、とても楽しく生きてるなって自分でも思います。

――もう、今はご自身のことは「かわいくない」とは思わないですか?

本田:はい、思わないです。もうポジティブに「私はかわいい」と思わないと、顔も振る舞いもかわいくなくなっちゃうと思うんです。だから、私自身を認めてあげたり、自分の好きなところを作ったりすることを、すごく意識しています。

――すごく素敵な考え方です。ある意味、かわいいのがお仕事みたいなところがありますもんね。

本田:このお仕事をしていて、すごくかわいい子にたくさん会うんです。「かわいい子見たら病む」みたいな(笑)。でもそうなったら見ないようにすればいいし、自己肯定感が上がったり下がったりしながらも、根本的に自分を好きでいられればいいかなって。

――なるほど。いちばん自己肯定感が上がるのは、どんなときですか?

本田:それはやっぱり、ファンの皆様から「かわいい」と言っていただけることです! もうそれが私にとって最大の栄養分だと思っています。

本田夕歩

――SNSのフォロワーが30万人いて、たくさんの人からほめられても、やっぱり今もそれがいちばんなんですね。

本田:もちろんです。もうそれがいちばんうれしい。いまもファンの方に「かわいいね」と言われるたび最高の気分です(笑)。

――なるほど、写真集のエッセイでも「ファン」について書かれていますが、それも含めて、その想いがファンの皆様に届くといいですね! 最後に、きっとこの写真集で本田さんを知った方も多いと思うのですが、そんな方々にメッセージをお願いします。

本田:はじめて私を知った方は、写真集で大人っぽいセクシーな私を見ていただいて、TwitterやInstagramの、もうちょっと清楚な私も見ていただいて(笑)、そして会いたいなって思っていただけたらうれしいです。

――やっぱり、会いに来てもらえるとうれしいですか?

本田:めちゃくちゃうれしいですね! SNSのリプライとかメッセージも、もちろんうれしいですけど、やっぱり会いに来てくださって、顔を見てお話しできるのがいちばんうれしいです。撮影会やカフェイベントとか、気軽に会いに来ていただけるイベントもたくさんやっているので、ぜひ生の私に会いに来てほしいなと思います!