昔懐かしい『学研の科学』が復刊! 思わず「3、2、1、発射!」と言いたくなる水素ロケットに感動
公開日:2022/7/22
手のひらサイズのロケットに感じた、壮大なロマン―。1963年~2010年にわたって刊行されたふろく付き学年誌『1~6年の科学』が、装いも新たに実験キット付き科学書籍『学研の科学』(学研プラス)として復刊した。大人と子どもが一緒になって楽しめる創刊号には「水素エネルギーロケット」の組み立てキットが付属。ロケットを実際にこの手で作り、飛ばすまでの過程には、40代目前ながらワクワクが止まらなかった。
ロケットの作り方などを解説した本誌には、実験キットと学研まんが「ひみつシリーズ」が付属
『学研の科学』の基本構成は、実験キット、本誌、学研まんが「ひみつシリーズ」だ。加えて、無料のオンラインコミュニティ「学研の科学 あそぶんだ研究所」で家からワークショップやイベントに参加することができる。
創刊号の本誌では、JAXAの宇宙飛行士・若田光一さんのインタビューや、未来での実現が期待される科学技術の紹介記事「月面おどろきテクノロジー」などを収録している。
さらに、付属する学研まんが「ひみつシリーズ」では「SDGsの目標7 」をテーマにして、世界のエネルギー問題にまつわる話題を掲載。どれも知的好奇心をくすぐられる内容ばかりだ。
思わず「3、2、1、発射!」と言いたくなる。勢いよく飛び出すロケットに感動
本書の醍醐味はやはり、実験キットだ。創刊号の「水素エネルギーロケット」には、ハンドルを回して電気を生み出す「手回し発電機」、ロケットの発射台となる「ロケットステーション」、そして、軽量な「ロケット」本体のパーツが付属している。
組み立て方と使い方の説明は本誌6ページ分。組み立て時間の目安は「45分」と記載されていた。解説されている通りの順番で「手回し発電機」「ロケットステーション」「ロケット」と作っていったが、久びさの工作はなかなか苦戦する。指定された位置とずれないようそっとシールを貼り付けたり、配線を切らないように慎重にコードを扱ったりと、細かな作業の連続ではあるものの、完成したときの達成感はやはりひとしおだ。
詳しい解説は本書をぜひ参考にしてもらいたいが、付属するロケットは「手回し発電機」を活用して水を電気分解し、ロケットの燃料となる水素と酸素を生み出し、爆発させて発射する仕組みだ。発射管に水素を充填できれば準備完了。発射ボタンを「3、2、1、発射!」とカウントダウンしながら押して、勢いよくロケットが飛び出す光景には、思わず驚きの声が出てしまう。ロケットの頭にはスポンジがついていて、本体も4グラムと軽量なので、室内で子どもが安全に楽しめるのもポイントだ。
知識を得るだけではなく、体験もやはり必要だと教えてくれる本書。本誌では、「手回し発電機」を使って電気を通すものを探す「電気分解の実験」など、キットを活用した応用の実験方法も教えてくれる。子どもたちの学習に役立つのはもちろん、大人もきっと童心を取り戻せるはずだ。
文・写真=カネコシュウヘイ
【セット内容】
・実験キット(組み立て)
・オンラインコミュニティ 「学研の科学 あそぶんだ研究所」
・本誌(76ページ)
・学研まんが 「ひみつシリーズ」(96ページ)