絵がヘタな人でも、もふもふ・かわいい動物が描けるようになる1冊『もふもふ・かわいい はじめての透明水彩』
公開日:2022/7/31
黄色い絵の具で8の字を描くと、ジンワリにじんで、ふわふわのヒヨコになる。平たい筆を回転させると、ジュワーッと広がり、スイカになる。一発芸のイラスト「透明水彩(とうめいすいさい)」の制作過程が、「意外な展開でびっくり!」とTwitterで大人気。
そんな透明水彩をかわいく描くコツを教える、すずきあやえさんの著書『もふもふ・かわいい はじめての透明水彩』(KADOKAWA)。動物や花、食べものなど、81の絵すべてに原寸大の下絵見本と、描き方の動画を見られるQRコード、そして原寸大のお手本がついている。さっそく真似して描いてみよう、と思ったら……。
え!? まったく同じには描けないの?
いきなり衝撃。「透明水彩は同じ人間が同じ絵の具・筆を使っても、まったく同じ絵を描くことはできない、という楽しさがあるのです」――と冒頭に書いてある。
どういうこと? と思ったら、それは透明水彩の絵の具と「麻王(まおう)」という和紙の性質によるもの。絵の具が和紙ににじむことで独特のもふもふ感が表現できるが、そのにじみ方は、絵の具の溶き方や筆を動かすスピードなどによって違ってくる。
だから、描くたびに、太ったヒヨコが現れたり、生まれたてみたいなヒヨコになったりと、思いがけないハプニングがあって、それが魅力になるのだ。
絵心やセンスは不要。失敗がむしろ味になる
「透明水彩に正解はない!」「失敗しても愛嬌として、それがいい味になります」と著者のすずきあやえさん。「上手に描けるようになる」といった一般的な絵の本とは真逆のコンセプトが初心者にやさしい。というか、小さい頃は誰だって、自由に、気軽に、絵を描いて遊んでいたはず。やってみると、そんなワクワク感を思い出す。
手作りカードやアップリケ、シールにも加工
個性的で、温かくて、どこかユーモラスな透明水彩。ハガキ大の紙に描けば年賀状にもなるし、スキャンしてステッカー用紙に印刷すればシールにもなる。アイロンプリントペーパーを使えば、手芸は面倒という人も、手作りのアップリケがすぐにできる。
愛犬や愛猫、庭の花……自分だけのモチーフも
まったく絵は描けない、という人でも、お手本から絵の具の色を変えたり、下絵の表情を変えたり、モチーフ同士を組み合わせたり……とアレンジしていくと、だんだん自分オリジナルの絵が描けるようになるから嬉しい。
なにより、ジワ~ッと絵の具がにじむ様子を見るだけで、なんとも不思議な癒やし効果がある。日々の息抜きに、スキマ時間にできる新しいアート体験は気分転換に最適だ。
文=深谷恵美
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。