日向坂46 丹生明里がポニーテールを下ろした理由。子どもから大人に変わる瞬間を収めた1st写真集『やさしい関係』インタビュー
更新日:2023/2/10
日向坂46のさんは、デビュー当初から元気いっぱい、いつもニコニコした笑顔で、思い切った大きなリアクションが人気の愛されメンバーだ。
そんな彼女も今年で21歳丹生明里、アイドルになって5年が経とうとしている。グループには後輩も増え、個人の仕事も充実してきたなか、ここ最近メディアに登場する丹生明里さんは、急に大人っぽくなったように感じられた。
7月26日に発売された1st写真集『やさしい関係』は、天真爛漫な笑顔と、ドキッとさせる大人の雰囲気が入り混じった、子どもから大人への階段をのぼる、まさにその瞬間を切り取った作品となった。
「丹生ちゃん」のトレードマークであるポニーテール姿もしっかり収められているのだが、髪を下ろしてグッと大人っぽくなったセクシーなカットも多数収録されており、成長の真っただ中にいることを感じさせる一冊となっている。
本記事では、丹生明里さんにインタビューを実施。写真集のことはもちろん、20歳から21歳にかけてのコロナ禍での日向坂46の活動や、自身の成長について、「髪を下ろすのがイヤだった」という過去をこえて今回さまざまな髪型を解禁した理由など、貴重なお話をたっぷりと伺った。
丹生ちゃんの新たな一面を覗くインタビュー、ぜひ楽しんでほしい。
(取材・文=金沢俊吾)
写真集には無縁だと思っていた
ー丹生さんは日向坂46で5人目の単独写真集発売メンバーとなりました。これまで、メンバーの写真集をどのように見ていましたか?
丹生明里:「わあ、なんてきれいなんだろう!」とか、ただただ読者目線で楽しんでいました。
どの写真集も、メンバーの普段通りの表情が収められていたので、メンバーの素敵な瞬間を「写真集」という方で残すのは、ファンの皆さんも絶対喜んでくれるだろうなって。
でも、自分には無縁だろうなと思っていたんです。自信もなかったですし。
ーなぜ写真集を出す自信がなかったのでしょうか?
丹生:私、ずっと写真写りが悪いと思っていたんです。アイドルになった頃は自分の写真を見て「うわ、なんだこれ」って家族に相談したりしていました(笑)。あの頃の自分が、この写真集を見たら、びっくりすると思います。
ー写真写りが気になっていたとのことですが、アイドルをやられていると、ブログに自撮りを掲載したり、写真を撮る機会はとても多いですよね。
丹生:グループ加入当初は「自撮りの練習しなきゃ!」みたいな気持ちでたくさん撮って、スマホのフォルダが自撮り写真でいっぱいになったこともありました。
でも、いまでもファンのみなさまに、自撮り写真にツッコミを入れられるんですよ(笑)。自撮りも下手なのかなあ、と思うことがあるんです。
ー自撮りと、カメラマンに撮影されるのは、きっとまた別の感覚ですよね。
丹生:そうですね、ぜんぜん違いました。アイドルになるまでカメラを向けられることなんてほとんどなかったので、どういう表情をしたらいいのかも全然わからなくて。
最初の頃はスタッフさんが「レンズをかわいい赤ちゃんだと思って!」とか、いろんなアドバイスをしてくださって、やっと最近は、カメラ向けられても自然に笑えるようになったんです。
家族旅行でお父さんに撮ってもらうような安心感
ーここからは撮影のことを伺わせてください。今回の写真集は瀬戸内、青森で撮影されたとのことですが、どのカットから撮っていったのですか?
丹生:いちばん最初は、瀬戸内でのプールのカットでした。いきなり水着だったんです(笑)。
ー「自信がなかった」とのことですが、いきなり初の水着カットはハードルが高いだろうとと思うのですが、どういう気持ちで撮影を迎えたのでしょうか?
丹生:乗り切れたのは、撮影前にメンバーから、いっぱいポジティブな言葉をかけてもらったからなんです。
宮田愛萌が「プロのカメラマンさんに人生で一番きれいな瞬間を収めてもらえるのはすごいことなんだよ」って言ってくれて。「ほんとうにその通りだな!」と思ったんです。そこからは、もうありがたいことだと思って、とにかく楽しもうと思って。
撮影がはじまってからは、もう写真写りのことを思い出さなくなるぐらい楽しむことができました!
ーもう心から楽しめたのですね。瀬戸内と青森はそれぞれ、何日間ぐらい滞在したのですか?
丹生:瀬戸内、青森とも、3~4日間ぐらい滞在して、たっぷりと撮影していただきました。
ー普段は、日向坂46としてはもちろん個人のお仕事もたくさんあって、東京で目まぐるしく生活しているなかで、地方に3日間滞在するって、かなり特別な時間なんじゃないかと思いました。
丹生:ほんとうに、そんな時間はデビュー以来ほとんどなくて。旅行にきたような感覚で、撮影だって忘れちゃうぐらいリラックスできました。
ファンのみなさまが「忙しい中で撮影もあって大変だったね」と言ってくださるんですが、逆にリラックスできたので、まったく大変じゃなかったんです。
ー日向坂46のドキュメンタリー映画『希望と絶望 その涙を誰も知らない』を拝見したのですが、写真集の撮影時期はメンバーみなさん凄まじい忙しさで、かなりお疲れの様子でしたよね。
丹生:あの姿を見られてしまいましたか(笑)。でも確かに、そうだったと思います。そんな時期だったから、写真集の撮影の時間がほんとうに癒しになったんです。
めっちゃ自然に笑えましたし、家族旅行で出かけた先々でお父さんに写真を撮ってもらうみたいな、そんな安心感がありました。
ポニーテールを下ろした理由
ー写真集で印象的だったのが、丹生さんの髪型なんです。丹生さんといえば、ポニーテールがトレードマークでした。今回は髪を下ろしてるカットが多くて。これは大きな変化じゃないかと思いました。
丹生:やっぱり、ポニーテールをめちゃくちゃ大切にしていました。というか、ポニーテールの自分にすごく安心感を覚えていたんです。だから、たまに下ろしたりしてみても「私の顔、まんまるだ!」って違和感があったりして、ちょっとイヤだったんです。
ーえ、そうなんですか。
丹生:昔は、髪を下ろすのに抵抗がありすぎたんです。でも『DASADA』というドラマに出演させていただいたとき、私の演じた役が髪を下ろした女の子だったんですよ。もちろん最初は「やだやだ!」って思っていたんですけど、ずっと髪を下ろしていたら、だんだん大丈夫になっていったんです。
ーそれから他の場所でも髪を下ろすようになっていたんですね。昨年の歌番組で、メイド服を着て『君しか勝たん』を歌われたときも下ろされていて、雰囲気がいつもと違うなと思ったのを覚えています。
丹生:ああ、覚えています! 去年の年末ですよね。
あのときは「テレビ番組で髪を下ろしてみよう」と決めて、ずっとソワソワしていたんですよ。「ファンの人に気づかれなかったらどうしよう」って考えたり(笑)。
ー髪を下ろすと圧倒的に大人っぽくなりますよね。
丹生:ほんとうに自分でもそう思います。別人みたいですよね。
ー下ろしてるご自身の外見は好きですか?
丹生:最近は「好きだなあ」って思えるようになりました。
そういえば、昔からずっとライブを撮ってくださってるスタッフさんが「最近、髪を下ろしたのが本当に似合うようになってきたね。大人になったんだね」って言ってくださったんです。あれはすごくうれしかったですね!
ー大人といえば、髪を下ろしてリンゴを持ったカットがお姉さんっぽい色気もあって、とても素敵でした。
丹生:ええ、本当ですか? うれしいです。私もこれが先行解禁カットの中で一番好きなんです。おでこを出したのも珍しくて、新しい私が見せられたかなと思っています。
「自信が持てる私」として挑みたかった
ー写真集の撮影を経て、ご自身の変化は感じましたか?
丹生:もう、めちゃくちゃ変わったと思います!自分に自信を持てたのは、写真集がきっかけなんです。「今のままじゃダメだ。変わらなきゃ!」って気持ちになれたのが、すごく大きくて。
たとえば、撮影に向けてジムに行ったり食事に気をつけたりして、その結果が少しずつ自分でもわかってくると、すごく自信になるんです。そうして、周りの人に「丹生ちゃん、なんだか変わったね」って言ってもらえると、それもまたうれしくて。
ーラジオで「痩せたって言われるんですよ」って、とてもうれしそうに言ってましたよね(笑)。
丹生:言ってました(笑)。あれはまさに写真集のためにがんばっていた時でした。「キレイになったね」と言ってもらえるのが、とにかく一番うれしいです。
ーこれまでの、天真爛漫で少女のような丹生さんもすごく魅力的だと思うのですが、そこから写真集に向けて「大人になろう」「自分を変えよう」と思ったのは、どういった想いだったのでしょうか。
丹生:やっぱり、これまでの自分に自信がない状態で撮影を迎えたら「自信がない、不安だ」っていう感情が、絶対にカメラを通して絶対伝わっちゃうと思ったんです。
写真集なんて、もう一生モノじゃないですか。せっかくキレイに撮って頂けるのであれば「自信が持てる私」として挑みたいなって思ったんです。
ーなるほど。いい写真を撮るために、ご自身の内面も変えようとしたのですね。
丹生:はい、内面も外見も両方です。自信もついて、現時点でのベストを掘り出せたと思うんです。それで仕上がった写真集をみて、さらに自信を持つことができたような気がしています。
今後のはなし
ー写真集の撮影時期は、日向坂46のコロナ禍での活動や、全国ツアー、東京ドームライブと激動の1年でした。改めて振り返ると、いかがですか?
丹生:私だけじゃなくメンバー全員そうだったと思うのですが、コロナ禍に入って、はじめてのことが多すぎて「自分に何ができるんだろう」と迷い、探り探りながらやってきたと思います。
でも、良いこともあったんです。少しずつライブができるようになってきて、リアルでおひさま(日向坂46ファンの愛称)の皆さんに会えるって、すっごいパワーをいただけることに気付きました。「おひさまって大事だなあ」って、改めて再確認できた、いい1年だったと私は思っているんです。
ー東京ドームライブという大きな夢を叶えて、渡邉美穂さんが卒業、4期生も入ってくるという、日向坂46としても次のステップに入るタイミングです。丹生さんは、グループでどんな目標を持っていますか?
丹生:ドームツアーをいつかやれるようになりたいんです。これが、いっちばんおっきい目標です。私だけじゃなくて、みんなが同じ気持ちだとうれしいなと思っています。
ーそれほど東京ドームライブが楽しかったんでしょうか?
丹生:めっちゃくちゃ楽しかったです! 自分でも怖いぐらいに、何度も思い出して浸っています(笑)。そうしたら、スタッフさんが「ドームは東京だけじゃないんだよ。全国各地にあるんだよ」って言ってくださって。ここで終わりじゃなくて、全国のたくさんのおひさまの皆さんに、パワーをお届けできたらなって思いました。
ードームツアーの開催、楽しみにしています! 日向坂46のなかで、丹生さんはどんな存在になっていきたいですか?
丹生:そうですね……『君しか勝たん』『ってか』と2作連続でシングル曲のフロントメンバーに選んでいただいたのですが、気持ち的にもパフォーマンス的にも、先輩に甘えてしまった部分があったんです。
「このままじゃだめなんだ」と思って、もっと自分がグループを引っ張っていく意識を持たなきゃなって思い始めたんです。
ーグループを引っ張る、ですか。
丹生:はい。みんなをぐいぐい引っ張っていけたらっていう気持ちと、お母さんのようにずっしり支えたいという気持ちが両方あるんです。私がそんなハイスペックなことができるかわかりませんが(笑)。でもいまは、そんな存在になりたいと思っています。
ーなるほど。もっと長いスパンで、10年後20年後を考えると、どんな人生を送りたいですか?
丹生:えー、難しいですね! でも、いまは日向坂46の活動はもちろん、声優やゲームのお仕事とか、本当にいろんなことにチャンレンジさせていただいていて。そのなかで生まれた夢がたくさんあるので、夢を叶えていく人生を過ごしたいです。
私が夢を叶えるなかで、それが応援してくださる誰かの力になれたらいいなって思います。そんな人生が送れたら最高ですね!
アイドルとして
ー最後にひとつ聞かせてください。坂道グループのメンバーには、2冊目、3冊目の写真集を出される方もいらっしゃいます。ちょっと気が早いですけど、丹生さんが、数年後に2nd写真集の話がきたらどうされますか?
丹生:わあ、どうしよう。めっちゃ悩みますね。うーん……ワガママかもしれないですが、この『やさしい関係』を私の人生で一番大切な1冊にしたいので、この一冊だけでいたいっていう気持ちが、少なくともいまはあります。
ーおお、意外な答えでした。
丹生:え! どうなんでしょう。こんなこと言ったら怒られちゃうんですかね?(笑)。でも、それぐらい最高のキラキラが詰まった写真集になったので、この1冊をずっと持っておくのがいいなって思っています。
ーそこまでこの1冊が特別に思えるのは、どうしてなのでしょうか?
丹生:瀬戸内の撮影のとき、私はちょうど20歳だったんです。子どもから大人に変わる瞬間を撮っていただけて。大人になったら絶対出せない表情だし、アイドルとして活動しているときに撮影したからこそ持てる感情が表れていると思うんです。
だから、何十年後経っても、この写真集を見たら「20歳の私はアイドルやってたよね」って思い出せるなって。
ーアイドルだからこそ持てる感情、ですか。
丹生:メンバーやファンのみなさまとの関わりとか、ライブの高揚感って、日向坂46というアイドルグループにいないと絶対に味わえないものだと思うんです。
この写真集は、私ひとりしか写っていませんが、その先に日向坂のメンバーだったり、おひさまの存在がいるんです。タイトルも『やさしい関係』ですけど、私ひとりでは成立しない表情が撮れました。だから、この写真集は、いまの私の全部が詰まっているんです。
スタイリスト:武久真理江
衣装協力:ブラウス 2万6400円、ベスト 4万1800円(共にAOIWANAKA)
カメラマン:金澤正平