顔が見られないときに伝えてくれるのがあなた。
今どんな顔をしているのかな？
声と言葉だけじゃなくて、しっかり顔を見せて？

今回紹介するのは、安斎かりん先生の
『顔だけじゃ好きになりません』

顔が良すぎると話題の奏人先輩。
ヒロインである才南は奏人先輩と同じ学校にいるという噂が！
ついに出会えたものの彼は退学の危機!!
絶対に阻止したい才南は、奏人先輩からSNSの「中の人」を引き受けて…？
ここから奏人先輩と才南のハイスピードラブコメディがスタート。

現在5巻まで発売中なのですが、
毎度毎度、そんなことしないでよ！こっちの気も知らないで！！！！って叫びたくなる（笑）。

持って行き場のない気持ちは才南と一緒。

ひとつひとつの言葉にたとえ意味がなくても、それが気になっている人や好きな人に言われたら少なからず期待を持ってしまう。
あなたはどんな意味を持って言葉を発しているの？知りたくなって
その人に恋をしていることに気がついてしまう。

距離が近づけば近づくほど怖くもなる。
嬉しいはずなのに臆病になってしまったり、
恋愛っていつもと違う自分が出てくるのが面白いなって読みながら思っていました。

でも、人の言葉が気になるのは「嫌われたくない」って感情からも生まれるから、それは恋愛じゃなくても友情でもある感覚だと思うし、
人とコミュニケーションをとるってすごく難しいよね。

奏人先輩の好きなセリフとシーンがある。
（第4巻で出てくるので、ぜひ絵と共に見てほしい）
「髪 黒から染めたの高１の時で
顔で見られるの嫌なのに、なんでこんな色にしたのか深く考えてなかったけど、
多分見つけて欲しかったんだ、隠したりしないで俺は俺のまま誰かに…」

ここのセリフとシーンがすごく好き。
奏人先輩の場合、知らない間に話題にされて、勝手なことを言われてしまう。
彼への嫉妬とかもきっとあると思う。

実際はそんなことないのにって。
自分にしか分からない悩みで、人に相談しても理解され難いことだったりする。

派手にしてみるけど、ただただ本当の自分をみんなに知ってほしいだけ。
「ただそれだけ」この感情ってみんな持っているんじゃないかなって個人的に思ってる。

もちろん理解されないこともあるかもしれないけど
私たちは私たちらしく自由に生きるべきだと思う。
たとえ人に理解されなくても自分が理解していれば、
いずれ見てくれている人が手を差し伸べてくれるから。

ハイスピードラブコメディだけど、簡単にラブコメ！と説明できないぐらい、
自分とは？と読みながら考えてしまった一冊でした。

奏人先輩をもっと知りたくなった人
絶対読んだほうがいいよ、奏人先輩に沼る…。