これを読めば叱られない!? 「チコちゃんに叱られる!」これまでのギモンが大集合

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公開日:2022/8/21

答えられないと叱られる!? チコちゃんの素朴なギモン365
答えられないと叱られる!? チコちゃんの素朴なギモン365』(NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班:監修/宝島社)

 歌番組にお笑い番組……数多くあるテレビ番組のジャンルの中で、不変の人気を誇るもののうちのひとつがクイズ番組。中でも近年は脱出ゲームや東大発の知識集団・QuizKnockが注目を集めるなど、クイズや謎解きの需要は特に高いと言えます。ではなぜクイズや謎解きは人気コンテンツなのか? それは謎が解けたときにカタルシスを得られること、そして知識欲が刺激されるからではないでしょうか。

 そんなクイズ番組の中でも、知識欲の刺激に特化している番組といえるのがNHKで放送されている「チコちゃんに叱られる!」。この番組はクイズという形式ではなく、永遠の5歳児・チコちゃんからの疑問としてゲストやナインティナインの岡村隆史さんに日常の中の「そういえばなんでだろう?」と思うような質問が投げかけられます。不正解の場合に彼らがチコちゃんから「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と怒られる演出が、当番組の人気に火が付いた理由。しかしこの番組が支持される理由はほかにも、ユニークな出題、そしてただ答えを出すだけでなく、専門家からの丁寧な解説も加えているという部分にもあるのだと思います。

 本書『答えられないと叱られる!? チコちゃんの素朴なギモン365』(NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班:監修/宝島社)はそんな人気番組の放送開始5周年を記念して出版されたもの。これまで番組で紹介されてきた疑問の中から、厳選した365問が取り上げられています。本稿ではそんな本書の、そして番組の魅力について考えたいと思います。

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クイズではなく疑問だからこその独自のアプローチ&徹底解説

「なぜハトは地面をつっついている?」「お盆の『盆』ってな~に?」など「そう言われてみるとわからないな」という疑問から、「なんでおやじは『おやじギャグ』を言う?」のような「答えがあるの!?」という疑問まで、番組独特の視点からの問題が出題されるのがこの番組の、そして本書の魅力。また、そのすべてに対してただ答えを示すだけでなく、背景まで専門家がしっかり解説してくれるので見ごたえ・読みごたえがあります。

 例えば「こんにゃくの黒いつぶつぶってな~に?」という疑問の答えは「ひじき」なのですが、本書ではそれだけでなく、「なぜこんにゃくにあえてひじきを加えて黒いつぶつぶをつけているのか?」という部分までこんにゃくの歴史をつまびらかにしながら解説。読む人の一歩先の知識欲を満たしてくれます。ちなみに本書の巻末には設問監修者としてこれらの疑問を解説してくれた方々が細かい字でびっしり紹介されているのですが、そのページ数なんと5ページ。TV番組の段階では気づかなかった、知識の集結ぶりに驚きます。

脳トレに、子どものために……老若男女いろいろな楽しみ方ができる

 本書の疑問の数が365になっているのは、もちろん1日1ページを読む想定がされているから。さらにすべての疑問が「暮らし・文化」「食べ物」「言葉」「人体」「イベント・スポーツ」「科学」「自然・環境」の7つのジャンルにわかれているので、曜日ごとにジャンルを決めて読み進めることで、1日1ページの習慣を作りやすくなっています。1日1ページをひとりで読めば脳のトレーニングに。親子で問題を出し合えば、子どもの知識欲を刺激することもできそうです。もちろん1日1ページではなく気になるところからパラパラ読むこともできるので、リビングに置いておけば家族の共通の話題としても楽しめそうです。

 そんな誰でも、どこからでも楽しめる一冊。読めばつい誰かに話したくなる雑学が結集しています。

文=原智香