廃墟やレトロとも違う?「終末観光」を記録した『八画文化会館』がディープすぎる! 見えていなかった景色を鑑賞する面白さ

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更新日:2022/9/16

八画文化会館

 廃墟、ホテル、商店街、駅前。時代が昭和から平成、そして令和となった今でも更新されずに残されている風景。昔からそこにあり、見慣れたモノだからこそ“見えていなかった”景色に気付いていた人たちがいる。

 今でこそ「廃墟」「珍スポット」というものが目新しくなくなってしまったが、10年以上前から、およそメジャー出版では続けられなかったであろう、そんな濃ゆいジャンルをインディペンデントで出版し続けた本がある。

「八画文化会館」は、そうした“見慣れた景色”を見続けた稀有な本である。

 今年6月に最終号となるVol.9が発売された本書について、2010年の立ち上げから関わり、現在『八画文化会館』の編集長である石川春菜さんに話を聞いた。

(取材・構成・撮影=すずきたけし)

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八画文化会館の始まりとそのコンセプト

――どのようなコンセプトで「八画文化会館」出版の活動が始まったのですか?

石川 2008年からジュンク堂書店新宿店の「ふるさとの棚」という地方出版物やリトルプレスのコーナーを担当してまして、それまでのよくある郷土ではなく、新しい作り手や若い人たちのミニコミに注目してたんですが、当時は廃墟や珍スポット、土木のカルチャーが盛り上がっていたものの、そういった本の行き場が書店になかったんです。

 そんななかで私自身がそういった本が好きだったので廃墟のフェアを組んだのですが、『ニッポンの廃墟』(酒井竜次:監修・編集)という本を仕入れる際に名古屋の出版社・インディヴィジョンに電話したところ発行人である酒井さん(現・八画文化会館発行人)と出会いました。なんて面白い活動をしている出版社なんだろうと思って、お店でトークイベントなどもしてもらいました。そのあとで酒井さん自身が東京に出てこられたので、自分もジュンク堂を辞めて合流して、“だいたい”年に1回刊行する不定期刊行物(笑)として『八画文化会館』が始まりました。

――本書のテーマである「終末観光」とはどのようなものなのでしょうか?

石川 それまで注目されていた「廃墟」は使われなくなった建物が緑に包まれたような、ラピュタのような、イイ感じに熟成された「美しい廃墟」でした。ですが、そうではない半ナマな状態の物件があって、「廃墟みたいだけど生きてるんだ!」みたいなのがあるんです。最初は「ゾンビ物件」と呼んでいたんですけど(笑)。それはそれで新鮮でいいよねという衝撃を受けたんです。

――きっかけの物件があったのですか?

石川 和歌山県の和歌浦雑賀崎のホテルですね。和歌浦は高度経済成長期から新婚旅行先や団体旅行先として賑わっていて、巨大な観光ホテルがたくさんあるんです。それが2010年頃までには軒並み潰れて廃墟だらけになっていて「廃墟巡りなら和歌浦じゃん」と。それで観光ホテルの廃墟があったので入ったらロービーで宿主が寝てたんですよ。「しまったココは現役だったわ」と思ったらその宿主が「なんか用?」と言うので、取り繕うように「泊まりたいんですけど」と言ったら「え? 泊まるの?」って驚いた感じで言うわけですよ宿主が。そこは何百室もある大型観光ホテルなんですけど、それがほぼ半分が廃墟と化していて。

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八画文化会館vol.1 特集:終末観光

――泊まったんですか?

石川 とりあえず泊まらせてくれたんですけど、通された部屋はジメジメしていつ掃除したかわからないし、いつ敷いたのかすでに布団があるし、お風呂のお湯なんてこうやって溜めているんですよ。

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八画文化会館vol.1 特集:終末観光

「ちょっと温めるわ」とか言って(笑)。よく営業する気あるなというくらいショックを受けたんですね。この状態を言語化できなくて、レトロじゃないし、廃墟でもない。美しくもないし、ビジュアル的にキャッチーでもない。これはもう「終末」と言わざるを得ないなと。

 そういったまだ“価値”がついてなかったものを見ていく楽しさをそこで覚えたという感じですね。『るるぶ』を見てここに行こうという旅じゃなくて、自分で発見していく方が楽しいんじゃないかと。

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八画文化会館vol.1 特集:終末観光

情報収集のむずかしさ

――のちほど各号についてお話ししていただくのですが、これまでの特集には廃墟やホテル、パチンコホールに商店街、そのほかには伊豆や岐阜といったものもあります。それぞれの特集がディープですが、その記事自体も情報量や深度がかなりあります。これらのある意味特殊な情報はどのように収集していったのですか。

石川 八画文化会館のツイッターアカウント(@hakkaku_culture)で訪れたスポットをツイートすると、同じ趣味界隈の人たちが反応してくれて「こんなのもありますよ」と情報が集まってくるというのがあります。こういったスポットは場所の情報が重要で、八画文化会館で取り上げてる物件は観光目的や見る目的で作られたものではないのがほとんどなので、公になっている情報がないんですよ。だから検索できないんです。そういった場所を探すためには“香ばしい”町を歩くしかないですね。

――香ばしい町とは?

石川 香ばしい町ってあるんですよ。商店街とか。この界隈の人たちはみんな香ばしい町に行くので、八画文化会館の写真だけを見て「これは高崎ですね」とわかる人がいます。そういった「知ってる人しか知らない」というニッチなカルチャーなので、同じ趣味の人たちに記事を書いてもらっていますね。そういった意味ではリサーチが一番大変かもしれないですけど、いつも発見があるのが楽しいですね。

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兵庫県姫路市(八画文化会館vol.8 特集:商店街ノスタルジア)

創刊号から振り返る八画文化会館

八画文化会館vol.1 特集:終末観光(2011年8月発行)

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――記念すべき創刊号は「終末観光」がテーマです。

石川 最初はスクープを狙っていたので、群馬県のスネークセンターのレストランで生きたヘビをその場で捌いて食べられるというのをやってますね。季節によってはヘビの踊り食いもできたんです。ほかにも廃墟ブームのころから残っている古い巨大なボウリング場や屋上遊園地など今では人気とされるスポットの記事が多いのですが、創刊号当時から終末観光の価値があるとしてとりあげていましたね。

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 東日本大震災前に取材していた福島県大熊町のお菓子「原子力最中」の記事があるのですが、地元の人にとっては当たり前すぎてだれもこのお菓子を記録してなかったんですね。震災後に本誌が発売したあと、朝日新聞から地元には最中の写真がないというので提供したら感謝されました。やっぱり記録はとっておいた方がいいですよね。

https://www.asahi.com/articles/ASM173WMLM17UGTB002.html

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――創刊号はほかにも温泉や軍国酒場など様々な物件を取り上げていますね。

石川 そうですね。一番初めに「視点」というか大風呂敷を広げたという感じですね。

八画文化会館vol.2 特集:HOTEL NEW ROMANTIC(2012年8月発行)

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――2号目は個人的に大好きな特集でした。

石川 これは「HOTEL NEW ROMANTIC」と題して観光ホテルに特化した号です。ホテル奥道後(現在はリニューアルして営業中)や房総半島のホテルジャングルパレス(現在は閉館)とか伊豆のハトヤホテルですね。大山顕さん(著書に『工場萌え』『団地の見究』『立体交差』など)にハトヤホテルの記事を書いていただいてます。あとバブル時代のホテルについて大山さんと萩原雅紀(ダム写真家)さん、バドンさん(マニアパレル)の鼎談「ホテルサミット2012 ~いま僕たちが、一番カッコイイと思うホテルの話をしよう。~」は豪華なメンバーで収録できました。ほかにも「Let’s Study in the ビルマニアカフェ」では大阪のビルマニアの方々にインタビューさせていただいてます。

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八画文化会館vol.3 特集:終末観光の切り札 廃墟の秘密(2013年8月発行)

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――3号目で遂に廃墟号です。

石川 この当時はギリギリなグレーでしたけど、SNSが一般的になった今ではかなりリスクが高くてできないですね。色々お叱りのご連絡をいただいたりすることもあるんですよね、廃墟はやっぱり。(以下ヤバい話が続くので自粛)

八画文化会館vol.4 特集:日本のワンダーランド伊豆(2014年8月発行)

八画文化会館

――なんか表紙が『るるぶ』や『まっぷる』っぽいんですけど…。

石川 はい、書店さんが『るるぶ』や『まっぷる』の隣に置いてくれたらお客さんが「ああ、伊豆のるるぶかぁ」って手に取って間違って買ってくれるかなって思って(笑)

――今回はエリアを絞ってますね。

石川 伊豆はワンダーランドです。ちょっとずつズレているんですよ。なんか全体的に浮かれているのがいい。

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――歴史的に存在しなかった城が建っていますが。

石川 やっぱりお城って自分で建てるものなんですよ(笑)。伊豆はたぶん富士山の影響でそういう不思議な磁場になってるんじゃないかと思うんですよね。観光資源として富士山があればあとは色々やっちゃっても平気だぜ、みたいな(笑)。伊豆はそういうエクスペリメンタル(実験的)な場所な気がしますね。この号は読みやすいと思いますよ。観光ガイドっぽい作りなので。

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八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産(2016年12月発行)

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――この号から雰囲気が変わっていますね。

石川 ここからはモードを変えて、終末観光を“スポット”から旧市街地という“エリア”に広げようと考えました。点から面になったという感じですね。東京なら駅前は栄えてますけど、地方の駅前は昔に比べてかなり変わってきてます。

 電車が廃線になって代替交通のバスセンターが入り、それさえもなくなり、「駅前」が交通の結節点の役割を終えている。そんな中で、まだギリギリ昔からの風景が残っていた場所を集めています。

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――他の号と比べて“人”にも目を向けていますね。

石川 現在の状況がどうなっているかと関係者に話を聞いたのはこの号が初めてですね。取材の許可とかアポイントを取るってことをこの号で覚えました。

――八画文化会館が創刊して5年が経ってますけど。

石川 はい(笑)。取材と言って話を聞こうとすると皆さん身構えて「良い話」をしようとするんですよね。でも素のところを知りたいじゃないですか。取材しないと見えない景色ではなくて、みんながその場に行っても楽しめる景色をそのまま提示したかったというのがそれまでは意図としてありましたね。

八画文化会館vol.6 特集:レトロピア岐阜(2018年6月発行)

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――伊豆に続き、次は岐阜です。

石川 この号は自分たちで作っていくのが大変になったので人に任せようってことで、これまでの号でも記事を書いていただいていた岐阜で活動しているTEAM酷道主宰のよごれんさんにお願いしたものです。

 岐阜の商店街は今でこそ再開発されてますけど、当時はタイトルにある通り本当にレトロピアで、表紙になっている柳ケ瀬商店街の丸川センターはこの取材時は一軒だけ営業していたんですよ。五輪のネオンサインとか印象的ですよね(現在は解体されなくなっている)。そのほか鉄道や団地といった旧インフラなどにも目を向けているのがこの号ですね。

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八画文化会館vol.7 特集:I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き!!(2019年3月)

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石川 この号は日本列島のレトロパチンコホールを(2300店以上)訪れている栄華さん監修による一冊ですね。栄華さんは私を編集者として成長させてくれた方としてお慕い申し上げているんですけど、10年ほど撮り溜めていた2300軒ほどのパチンコホールの写真と取材記録があったのに発表の機会がなくてそのまま眠っていました。

 パチンコホールはレトロで可愛いという側面もあるんですけど、ギャンブルでもあるので「可愛いよね」というだけではやりづらい。栄華さんは影も光もある清濁併せ呑むパチンコというジャンルを自覚した上で、文化として見たパチンコの裾野を広げたいという高い志を持った方なんです。

――石川さんがこの号で編集者として感じたことは?

石川 今までの号は編集部が主導して作っていたんですけど、栄華さん自身がどのような企画でやりたいのか、どのような文章、見せ方にしたいのかをしっかりと持っている方なので、それをいかに誌面で表現できるかという思いでしたね。栄華さんの10年以上にわたるパチンコへの偏愛を受け止めるように作りました。

八画文化会館vol.8 特集:商店街ノスタルジア(2020年7月発行)

八画文化会館

――商店街はこれまで他社本でもありそうでなかったですね。

石川 商店街のビジュアル本というのはあまりないので、やりたかったというのもありますし、商店街のようななんでもない景色というのが私は好きなんです。

――今となっては商店街はノスタルジックですよね。

石川 今ではなくなっていくものになっていますが、残しておけとも言えないので見るしかないです。これまで商店街を“鑑賞する”という視点はあまりなかったと思うので、これまで観られてなかったものをよく観ようと。商店街は絵になるんでねぇ。

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八画文化会館vol.9 特集:商店綜合型録(2022年6月発行)

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――そして最終号です。

石川 最後は「個人商店」ですね。最終号に決まる前から企画を進めていたので、まったく最終号感がなく普通に終わった感じなんですけど(笑)。

――この号は目の付け所が凄いですよね。当たり前の風景として見てはいたけど見えてなかった景色をこれでもかと“観て”いる。

石川 そうなんです。電器屋のシャッターに描かれた東芝の「光速エスパーくん」とナショナルの「ナショナル坊や」とか、メガネ屋やタバコ屋の看板、店舗のファサードの装飾テント、スーパーマーケットの風景などをずっと観続けている人たちがいたからこそできた企画です。ダイエーの矢印とか(ダイエー特有のデザインの矢印)。本当に凄いと思います。変わったものや珍しいものでなく、街の普通のものを観続けているんです。

――観続けているから違いがわかる。

石川 そうなんです。理美容院の窓のカッティングシートが既製品であるとか、看板のデザインが店のオリジナルであるとかの差異が、だからわかる。

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インディーズ出版の夢と難しさ

――これで八画文化会館の全号を振り返ってみたわけですが、制作で大変だったことや苦労したことなどはありましたか?

石川 インディーズ出版で飯は食えるかという闘いですね。商業出版なら売れる企画にしないといけない、趣味なら稼がなくてもいい。「八画文化会館」は一応出版社としてこの微妙なラインの狭間にいたので、これで食っていくっていうのが夢だったんですよ。で、インディーズ出版では飯は食えないという結論になったんですけど。その狭間でなんとかしていくのが大変でした。

――商売としては難しかった?

石川 特殊なテーマを偏愛している執筆者たちの情熱を受け止めて、その世界を初めて知る読者との懸け橋になるように、執筆者と時間をかけてその情熱を共有していくんです。最初は私も初めてその世界を知るので、好奇心の目で見てるんですけど一緒にズレていくんです。それまでには打ち合わせや合同取材を重ねて信頼を作っていくのですごく時間がかかる。これは商業出版ではなかなかできなかったことだと思います。

――けれども同人誌でもない。

石川 偏愛の人たちの活動は趣味のレベルではないと思ってます。友人知人に買ってもらって終わる文化ではないんですよね。情熱が向けられる対象物が、その枠だけではもったいないレベルなので、できるだけ広く届ける役割を担っていたのかなと思います。そういった部分で過去に私と同じ立場の人もいなかったため、本を作る大変さはありました。

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八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産

『八画文化会館』が紙の本であったことの意味

――シェアという文化がまだなかった昔は、旅先で見つけた珍スポットなどは「自分が発見したスポット」と思うことができましたが、今ではそうしたスポットはすでにネット上でシェアされ、「発見」という楽しみ方は薄れているように思います。『八画文化会館』を作る上でこうした楽しみ方の変化などは感じましたか。

石川 今ではスクープはないですね。どんな物件、スポットでもすでに誰かがネットに上げています。そして紙媒体は(情報が)遅い。スピードとシェアではネットに絶対勝てないですね。だから誌面の作り方も変更せざるを得なかったというのがあります。もちろん「発見」という八画文化会館オリジナルの物件にはこだわっていましたけど、本にするなら新しい価値を作らないと意味はないと考えて、バズらないもの、映えないもの、評価されないもの、なんで今これ? というものに価値を見出すというのが基本になりました。

――なにもないからこそ価値がある。

石川 そうですね。ネットではバズりたい、たくさん「いいね」されたいので人気のスポットを上げていく。そしてみんな似たような場所の写真になっていく。そのなかで、誰も見向きもしなかったものに価値を見出すというのは、紙の本だからこそできたことだったと思うし、やることに意味があったと思います。

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八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産

「終末観光」のこれから

――これからの気になる終末物件はありますか?

石川 風景は交通とともに変わっていくので、道の流れを追っていったら楽しいなと思っています。イオンがある道よりもちょっと前の古いバイパスとか興味深いですね。あとはローカルチェーンなど、道のカルチャーですね。最近は「洋服の青山」がめっちゃカッコいいなと思うようになりました。

――このインタビューを読んで「終末観光」に興味を持った人や、すでに始められている方にアドバイスを。

石川 SNSでもいいので、自分の感性で「これいいな」「残したいな」と思ったものは是非写真に残してほしいですね。記録に残さないと本当に忘れ去られてしまうので。「原子力最中」のように地元の人にとっては当たり前な風景でも、他県からの旅行者が記録に残しておくのはとても意味のあることだと思います。

 あとはスマホのカメラロールに残しておけば、今はなんでもない写真が10年後、30年後には価値あるものになっています。

――八画文化会館はvol.9で最終号になりましたが、今後の活動など予定はありますか?

石川 ツイッター(@hakkaku_culture)は続けていくので、そこからまた新しいことを始めていこうかなと考えています。

――バックナンバーの電子書籍の予定はないんですか?

石川 電子書籍の予定はないですね。いろいろとヤバイんで(笑)。

石川春菜さん

石川春菜
1982年東京都生まれ。2008年からジュンク堂書店新宿店の地方出版物とリトルプレスコーナー「ふるさとの棚」を担当し、「愛知県漂流」と出会って感銘を受ける。2010年の八画文化会館の立ち上げ時に合流。担当は、書くこと、書いてもらうこと、お客さんまで届けることなど、編集と販売の実務全般と、書物乱読。

八画文化会館とは

 自分たちの力でSNSで発信し、本をつくり、それらを流通させて読者に届ける。制作の始めから終わりまで、インディペンデントに行うことをモットーに、2010年5月から不定期刊行のインディペンデントマガジン『八画文化会館』(全9巻)を軸に、オルタナティブな旅や観光を発信する編集集団。

 2011年8月刊行の創刊号で「終末観光」という旅のスタイルを発表し、廃墟や珍スポットなど、土地や時代からズレて終わりたくても終われない生々しい状態の終末物件を案内。

 日本各地の街角にあらわれては消えていく絶滅寸前の文化、サブカルチャーにもくくることのできない文化未満のブームや風俗。そういった名前のない現象を位置づけることにより、あたらしい旅の目的地をつくることを役目とした。
2022年6月に最終号「商店綜合型録」を刊行した。

WEBサイト http://hakkaku-culture.info/

八画文化会館
本誌のほか、八画文化会館叢書シリーズなどがある。