1時間の集中レッスンで「きれいな字」を目指そう! 宛名から一筆箋、ビジネス文書まで、実践練習もできる練習帳
公開日:2022/9/16
機会はかなり少ないが、手書きで字を書かなくてはならないことがある。パソコンやスマホを使うのが当たり前になった今、時々、手書きで書いてみると、「こんなに下手だった?」と思うこともしばしば。文字の形もそうだが、他の字とのバランスが悪かったり、真っ直ぐ書けずにクネクネ蛇行していたり…。子どもの頃の方がマシに書けていたような気がして、残念な気持ちになることが多々あるのだが、共感していただける方も少なくないのでは? そこでオススメしたいのが、『1時間できれいな字 速効ペン字練習帳』(青柳雛:監修/主婦の友社)だ。
監修を務めているのは書道家の青柳雛氏。書道家としてさまざまなパフォーマンスを行う一方で、講師として書の普及に努め、著書や監修書も持つなど、幅広く活動している。元号が令和に決まった際に書道パフォーマンスを披露したテレビ番組が記憶にある方もいるかもしれない。
タイトルに「練習帳」とある本書だが、上手な字を書く練習を繰り返すだけではない。字が下手で悩んでいる、字を書くのが苦手、でも練習は嫌い、という方のための書籍であり、きれいな字を書くための準備や姿勢、筆記具の持ち方といった非常に基本的なことも丁寧に解説されている。もちろん、実際にきれいな字を書く練習も、いくつかのステップに分けて進められるようになっているので、無理なく楽しく練習できそうだ。
練習を始める前に
きれいな文字を書くための第一歩は、準備。心を落ち着かせて楽しみながら練習することが大切だ。また、本書によれば、きれいな字を書くためには姿勢も重要とのこと。姿勢が悪いと字が曲がってしまうこともあるので、前かがみにならず、背筋を伸ばしてお腹に力を入れるなど、正しい姿勢を心がけよう。姿勢が整ったら、次は筆記具の持ち方。まずは書きやすい筆記具を見つけて、正しい持ち方で練習する。こうすることで、字をきれいに書けるようになるそうなので、これを機に習得したいところだ。
1時間できれいに書ける集中レッスン
準備ができたら、実際の練習に入るわけだが、まずは1時間の集中レッスンをやってみよう。3つのパートに分けて、20分ずつ練習できるようになっているので、飽きずに集中して練習できそうだ。
最初の20分は、ひらがなの練習。2文字以上を書く時は、文字と文字の間隔が均等になっていること、文字の大きさにバラつきがないよう心がけることが大切だ。20分間、お手本に従って練習してみよう。
次の20分は、漢字の練習。中心線からずれないこと、空いたスペースを均等にすることなど、ひらがなとは違ったポイントが紹介されている。払う、はねる、止める、折る、などの書き方も丁寧に説明されているので、コツをつかみやすいのではないだろうか。
最後の20分は、短い文章を使った練習。青柳氏によれば、文章を書く時は1文字目の大きさが全体に影響するそう。ひらがなは漢字よりもやや小さく、漢字どうし、ひらがなどうしは大きさを揃える、などのアドバイスを参考にして練習してみよう。
1時間の集中レッスンを終えたら、1章のひらがな、カタカナの練習で基礎を固め、その後の2章、3章では、より実践的な練習や、他の人の実例が紹介されている。ただ、本書にあるお手本は、あくまでも練習のためのもの。字には個性があるので、それを活かしながら、自分の理想に近い字に近づけていくことが大切だと、青柳氏は指摘している。
秋の夜長に、家で過ごす時間を少しだけ、ペン字の練習に充ててみるのもいいかもしれない。
文=松澤友子