思い通りにならない仕事、恋愛、人間関係を好転させるメソッド満載! 『チーズはどこへ消えた?』著者渾身のスキルブックを解説

ビジネス

更新日:2022/9/28

ロングセラーや話題の1冊の「読みどころ」は? ダ・ヴィンチWeb編集部がセレクトした『頂きはどこにある?』(スペンサー・ジョンソン:著、門田美鈴:翻訳/扶桑社)をご紹介します。

頂きはどこにある?
頂きはどこにある?』(スペンサー・ジョンソン:著、門田美鈴:翻訳/扶桑社)

こんな人にオススメ!

●仕事にプライベート…いろいろいきづまりを感じている人
●ついマイナス思考で人生を考えてしまう人
●人間関係をよくしてハッピーに生きたい人

3つのポイント

要点1
谷間に住む不幸な若者は、まだ見ぬ世界を求めて山の頂きへと登り、そこで不思議な老人とめぐりあう。初めて会ったはずの老人にいつのまにか谷間暮らしの不満をぶちまける若者。そんな若者に老人は「山と谷の対処法」を教えてくれる。

要点2
人生の「山と谷」とは、仕事や人生における浮き沈みのこと。老人が教えてくれたのは、仕事においても人生においても良い時期と悪い時期にいかに向き合い、対処すべきかという考え方と実践。このスキルを真に理解できたとき、仕事も人生も思い通りに操ることができるようになるという。

要点3
本書は世界的ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』の著者による新たな人生の指針であり、この物語を広めることはほかの人たちの人生の助けにもなる。

プロフィール
著者:スペンサー・ジョンソン
医学博士・心理学者。心臓のペースメーカー開発にも携わる。さまざまな大学や研究機関の顧問をつとめ、シンクタンクに参加する一方で著作活動を続け、著書に『1分間マネジャー』(共著)や『チーズはどこへ消えた?』などがあり、世界47言語に翻訳され、累計4600万部に達する。ハーバード・ビジネス・スクールの名誉会員。

訳者:門田美鈴(かどた・みすず)
翻訳家、フリーライター。大ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』『迷路の外には何がある?』のほか、『人生の贈り物』『1分間意思決定』などスペンサー・ジョンソンの著書の翻訳を長年手がけるほか、訳書多数。

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●どこにでも、誰にでも、仕事でも私生活でも、かならず山と谷がある

 老人は若者にまずこの言葉を教えてくれた。山と谷は人生における順境と逆境の比喩。人の人生に山と谷があるのは、地上に自然の山と谷があるのと同じで、普通のこと。そしてどちらもつながっている。そのことはどんな人間にも共通だということをまずは認識しよう。不幸なのはあなただけではない。

●山と谷はただ順境と逆境のことをいうのではない。外部の出来事を心の中でどう感じどう対応するかということでもある

 人生の山と谷を自分がどう感じるかは、自分がその状況をどう見るかにかかっている。カギは「起こっていること」と「自分がどう評価しているか」をわけて考えること。さらに山(順境)と谷(逆境)はつながっている。今日の順境で過ちを犯せば明日の逆境を作り出す。逆に今日の逆境で賢明なことを行えば、明日の順境を作り出す。

●外部の出来事はかならずしも思い通りにはならない。しかし、心の中の山と谷は考え方と行動しだいで思いどおりになる

 老人は若者に「目覚ましい成果をあげて銀メダルを取りながらも不幸せだとしたら、なぜ?」と問う。「金メダルと比べるから」と答えた若者は「心の谷を少なくしたいなら、その時点で幸せなことを楽しめば、もっと山にいる気持ちになれる」ことに気がつく。谷を山に変えるには、出来事そのものを変えるか、出来事に対する「受け取り方」を変えるしかないのだ。出来事は変えられないのであれば、受け取り方を変えれば自分にプラスにすることはできる。

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●谷から出る道が現れるのは物事に対する見方を変えたときである

 老人は若者に「たとえば従業員を雇う時、前職のひどい面ばかりを言い立てる人と、新しいチャンスを求めようとする人のどちらを雇うだろうか?」と問う。「職探し」という同じ逆境だが、よりよい考えを持った人のほうがよりよい仕事をつかみやすいだろう。つまり人は考え方を変え、生き方を変えれば、心の中の谷から出ることができるのだ。

●逆境にひそむ利点を見つけ、それを活かせば谷を山に変えることができる。

 谷とは「状況を好転させてくれる隠れた利点を見つけるチャンス」と捉えれば前向きになれる。それがわかった若者は老人に礼を伝え、意気揚々と再び谷に帰っていく。そしてこの教訓を実践し、彼が成したこととは……。

●高原は休憩し、熟考し、元気を回復する期間になる

 最初は順調だった若者の谷での新たな暮らしだが、慢心が教訓の真意を忘れさせ、次第に不安定なものになってしまう。疲弊した若者は高原でぼうっと過ごすことにした。高原にはなにもないが、そこでの過ごし方も自分次第。しばしそこにとどまることを「現実逃避」ではなく「何が起きているかを吟味し、ちょっと立ち止まって次に何をすべきか考えるための健康な休息期間」にすればいい。

 そうして若者は再び老人に会いに山へと向かう。対話を続ける中で、行動や考え方に影響を及ぼしているものの正体を知る。若者が最終的にたどり着いた場所とは――。谷を乗り切り、山を作り出す「ビジョン」を、本書は示唆してくれる。

文=荒井理恵

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