「予想をはるかに超える、衝撃!」話題のミステリー『方舟』に有栖川有栖氏、法月綸太郎氏ら、作家・書評家から絶賛の声続出

文芸・カルチャー

公開日:2022/9/28

方舟
方舟』(夕木春央/講談社)

 2019年、『絞首商会の後継人』で第60回「メフィスト賞」を受賞し、同年、改題した『絞首商會』でデビュー。今、大きな注目を集める作家・夕木春央氏の新作『方舟』(講談社)が、2022年9月8日に発売された。発売直後から数々の作家や書評家から絶賛の声が続出した、同書の魅力とは――?

 大学時代の友達5人と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った3人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれてしまう。さらに地盤に異変が起き、水が流入。いずれ地下建築は水没する…。そんな矢先に殺人が起こった。誰か1人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。

――犯人以外の全員が、そう思った。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、殺人犯を見つけなければならない。9人のうち、死んでもいいのは、死ぬべきなのは誰か…。

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 数々の有名な賞の受賞経験があり、小説講座「創作塾」の塾長を務める作家の有栖川有栖氏は、「極限状況での謎解きを楽しんだ読者に、驚きの〈真相〉が襲いかかる。この衝撃は一生もの」と称賛。また大学在学中に第22回鮎川哲也賞を受賞し、デビューした青崎有吾氏も、「『謎解き』も『極限状況』も、ぼくらの器を量るための試練なのだ。注がれる水は冷たくて、どうも赤いようである」と意味深長な感想を寄せている。

 他にも多くの著名人からコメントが。同書は日本を代表する推理作家の一人である法月綸太郎氏をして、「本格ミステリが生き残るための《たったひとつの冴えたやりかた》がここにある」と言わしめ、イヤミス作家として有名な真梨幸子氏も、「予想をはるかに超える、衝撃! とにかく、読んでください。最後の最後の最後まで!」と絶賛している。

 また小説内でキーとなる思考実験「トロッコ問題」に触れているのは、作家の紺野天龍氏と、ミステリ評論家の千街晶之氏。それぞれ、「全員死ぬか、犯人だけ死ぬか。極限の〈トロッコ問題〉ミステリ開幕!」「本格ミステリと『トロッコ問題』の掛け合わせが、これほど恐ろしい地獄を生むとは」と興奮した様子を見せている。

 SNS上にもさっそく多くの感想が溢れ、「端的に言うとヤバいです。身構えていたにもかかわらず、終盤の怒涛の展開に息ができなくなりそうでした」「論理的な推理の美しさと恐ろしさと無意味さが一気に押し寄せる傑作」「設定に興奮、状況に怖気、結末には『うわっ…』と声が出た」「発売前の評判からそんなにすごいか? と思っていたが面白すぎ。読書中、息苦しさを感じるほど簡潔明瞭だから読みやすかった」との声が。ストーリーにのめり込み、緊張感を堪能する人が続出しているようだ。

 なお、公式サイトでは冒頭部分の試し読みも可能。もちろん、先が気になること必至なので、ぜひ同書を手に取ってみてほしい。

▼『方舟』公式サイト
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000369228