大好きな恐竜たちがかくれんぼ! わが子と競争して恐竜たちを見つけよう。「まいごのたまご」シリーズ最新作

文芸・カルチャー

公開日:2022/10/4

きょうりゅうかくれんぼ
きょうりゅうかくれんぼ』(アレックス・ラティマー:作、聞かせ屋。けいたろう:訳/KADOKAWA)

 迷子になった恐竜の卵が自分の親さがしをする絵本『まいごのたまご』(KADOKAWA)を知っていますか? 美しい絵や親しみやすい文章が好評で、17万部を突破した人気の絵本です。

 そのシリーズの最新作となるのが、『きょうりゅうかくれんぼ』(アレックス・ラティマー:作、聞かせ屋。けいたろう:訳/KADOKAWA)。かくれんぼで隠れた恐竜たちを探すのですが、これがまた楽しい内容で…!

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きょうりゅうかくれんぼ P2-3

 本の中に登場するのは、みんなが大好きなティラノサウルス、大きな体のブラキオサウルス、空を飛ぶ翼竜のプテラノドンなど、子どもたちに人気が高い恐竜たち。どれも愛嬌があってかわいらしいので、初めて恐竜にふれる子でもすぐに覚えてくれそう。

 隠れた恐竜を探すには、どんな姿をしているのか覚えておくのがおすすめ。色や体の特徴が分かりやすく描かれていて、小さなお子さんでも見分けやすいですよ。

きょうりゅうかくれんぼ P8-9

 いよいよ、かくれんぼがスタート! 読む人がオニになって恐竜を探します。「ぼくと きみとで さがそうよ!」とナビゲートしてくれるのは、小さな恐竜のアンキサウルス。やさしく陽気なので、身近な友だちと遊んでいるような感覚が◎。目をつむって10数える…などのルールもリアルで、かくれんぼデビューにも最適。

「みつけたら、すぐにおしえてね!」など、ところどころで話しかけてくれるアンキサウルス。そのたびに「はーい」と素直に答えてくれる子どもがかわいい…。慣れてきたら「1.2.3.4…」と一緒に数を数えてくれるかも。

きょうりゅうかくれんぼ P16-17
プテラノドンが隠れています。探してみましょう! (答えはこの記事の一番下を見てください)

 かくれんぼのページでは、親子で一緒に「どこ、どこ?」と探してみて。目の錯覚なのか、大人はなかなか見つけられないのですが、子どもはすぐさま見つけて「ここ」と教えてくれたりします。子どもって小さな違いを見つける天才ですね。それでも次に読んだ時はまた一から探して、繰り返し読んでも飽きないのがポイントです。

 翼竜を探して空を見上げる視点や、首長竜を探そうと水の中に潜る視点など、絵のアングルの面白さにも注目。本当に恐竜の世界へ行って遊んでいるようで、没入感がすごい!

 ちなみに、『まいごのたまご』を読んだことがある人は、あの本で主人公だった“あれ”も各ページに隠れているから探してみて。これもまた、親子で必死になって探せます…!

自然と会話が生まれる参加型絵本

 本作では、前シリーズの著者と翻訳者が再びタッグ。アレックス・ラティマーさんの絵は、外国の洗練されたインテリアのように色彩が鮮やかでうっとりします。おしゃれな絵本が好きなママパパにもおすすめ。

 そんななか、隠れた恐竜たちは、今にも喋りかけてきそうな親しみやすい雰囲気。また会いたいな〜という気持ちにさせられます。本当は弱肉強食の世界に生きていた恐竜たちが、ここでは友だちみたいに接してくれるなんて、面白いですね。

 翻訳したのは、読み聞かせのプロ・聞かせ屋。けいたろうさん。これがまた、親が子どもに話しかける時の言葉とよく似ているんです。「かくれんぼするひと てをあげて」「わくわくしちゃうでしょ?」など、いつもの会話のように読み聞かせられるので、「どこにいるかな」「ここにいたよ!」みたいな答えが自然と返ってきます。

 読むたびに楽しさが増す絵本で、わが子の“お気に入りの1冊”になること必至。大人もまた、今日は読み聞かせがちょっとしんどい…という時に恐竜たちから元気をもらいました! 男の子、女の子ともに2歳から読めるので、プレゼントにもおすすめです。

文=吉田あき
(プテラノドンは、真ん中の少し下にいました!)