なんとなく不調をいい調子へ。10月の体と心をアーユルヴェーダの「温めスパイス」で整える!
公開日:2022/10/14
毎日の暮らしの中でなんとなく感じている体調不良。気になって病院に行っても原因がはっきりわからず、薬や話題の健康法を試してみるも改善の兆しはなし。最終的には年齢や仕事のせいにして、仕方がないとあきらめてはいないだろうか?
そんな人に試してみてほしいのが古代インドを発祥とする「アーユルヴェーダ」。世界三大医学のひとつで、人間が持つ自然治癒力を高め、健康を維持・促進する予防医学としても、体系的な理論をもつ。また、生命を包括的に捉え、人間が幸せに、よりよく生きることを目指す、生きるための知恵とされ、5000年の歴史を持つといわれる。
気軽な気持ちで始めるなら、『アーユルヴェーダの心地いい暮らし 「最近の私、いい調子!」が続く』(ブラフ弥生/主婦の友社)を参考に、“ちょこっと試す”ことから実践してみるのがよさそう! 本書には毎日の生活に取り入れやすいアーユルヴェーダの季節ごとの知恵がたっぷり詰まっている。
起きぬけに飲む水を“白湯”に変えるだけでも、心身が軽くなる
まずは本書の簡易チェックリストで自分の体質をチェックしてみよう。
アーユルヴェーダは自分の体質を知り、今の自分に合った適切なケアをすることで心と体を整えていく。この体質を決めるのが「ドーシャ」と呼ばれる、風(ヴァータ)、火(ピッタ)、水(カパ)の3つのエネルギー。このエネルギーは生まれつきの性質はもちろん、生活状況や環境によっても左右され、3つのバランスが乱れると不調をきたすとされている。
不調の原因になるドーシャを整えるために、本書で紹介されている実践法が役に立つ。
著者のブラフ弥生さんは「忙しくても朝の舌磨きだけは習慣にしたり、起きぬけに飲む水を白湯にかえるだけでもいい」と本書の中で語る。どんなに慌ただしい日々を送っていても、朝起きて白湯を飲む、などそれくらいなら毎日続けられそうな気がしないだろうか?
「(アーユルヴェーダを)気軽に続けるうちに、気づいたら体も心も楽になる。そんな自然の力をぜひ、実感してみてくださいね」(ブラフ弥生さん・本書より)
胃腸が冷える秋は温めスパイスを活用!
アーユルヴェーダのエネルギーのバランスは季節によっても変化する。
例えば秋が深まる10月は、風のエネルギー(ヴァータ)が作用して、活動力や集中力が高まる時期。軽やかに動ける一方で、冷たい性質を持つ風のエネルギーが増えると胃腸が冷えやすく、消化力も低下するため、体を温めてバランスをとる必要がある。
そこで本書がすすめるのが「温めスパイス」。シナモン、クローブ、ロングペッパーなどのスパイスには血行の促進や体を温める作用があり、料理に加えたり、飲み物に入れたりと手軽に摂取できるのもいいところだ。本書の巻末にはスパイスの効能や使い方をまとめた「スパイス事典」も掲載されており、これもかなり参考になる。
10月のページではほかにも消化にやさしい秋の朝ごはんのレシピや体を芯から温める「玄米カイロ」、冷えと乾燥に効く「和の薬草マッサージオイル」などの実践法が紹介されている。もちろんこれを全部行う必要はなく、自分の生活に取り入れられそうなものを選んで無理のない範囲で続けてみればいい。
12月も引き続き温める生活を心がけて
秋から冬へと変わる12月は風のエネルギー(ヴァータ)とともに、水のエネルギー(カパ)が増えてくる時期。どちらも冷たい性質を持つため寒さ対策を心がけるのが大切だ。
本書に紹介されている中で気になったのは、温かいミルクにターメリックと砂糖を加えた「ゴールデンミルク」。体を温めるのはもちろん、眠りの質を高める効果もあるといい、1日の終わりのリラックスタイムに飲めば、疲れた体をほっと癒やしてくれそうだ。
頭頂部に温めたオイルを浸透させたコットンをのせて脳を休める「ヘッドオイル療法」もリラックス効果絶大。オイルはごま油でいいというから自宅で簡単にできる。(アーユルヴェーダではごま油を「風のエネルギー(ヴァータ)を滅し、体力を増大させる」「疲れを克服し、四肢を堅固にする」と推奨しているそう!)
本書に紹介されている1~12月のアーユルヴェーダの知恵を参考に、自然のサイクルに合った生活を送ることで、心身ともに心地のいい毎日が過ごせそう。まずは気になった実践法をひとつでもいいから続けてみて。気づいたら“なんとなく不調…”が消えているかもしれない!
文=齋藤久美子