経済がわかると毎日の暮らしは変わる? 難しい経済を超シンプルな話にスケールダウン!/東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!

社会

公開日:2022/10/24

 わかっているつもりの経済用語や数字…改めて、自分の暮らしとの関わりから、シンプルに考えてみませんか?

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』は、日本や世界のお金の動きを「100人の島で起きた出来事」としてぎゅっとまとめ、わかりやすく解説しています。

 難しい経済の話をシンプルにスケールダウンすることで、全体像から経済の仕組みをひもときます。ユーモラスな動物たちの図解入りだから、大人はもちろん、経済について初めて学ぶ中高生でも楽しく読めて「経済がわかる自分」になれる入門書です。

「インフレ」「金利」「景気循環」…断片的に経済用語を知っているだけではあまり意味がない?

※本作品はムギタロー著、井上智洋、望月慎 監修の書籍『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』から一部抜粋・編集しました

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!
『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』(ムギタロー:著、井上智洋、望月慎:監修/サンクチュアリ出版)

はじめに

この本は一度読んだら「経済がわかる自分」になれる本です。

そんなはずはないだろう。

そう思うのも無理はありません。

きっと「経済がわかるようになりたいけどわからない」という方のほぼ全員が、これまでも一生懸命、経済の本を読んで勉強したつもりだけど、いまだに毎日流れている経済ニュースや、政治家たちが議論している内容がなんなのか、いまいちよくわかっていないのではないでしょうか。

 

そんな方たちに伝えたいことがあります。

断片的に「インフレ」「金利」「景気循環」などの経済用語を知っていても、そんなに意味がありません。なぜならそれはスペースキーやリターンキーがなにをするものかわかっていも、「そもそもパソコンを使ってなにができるのか?」がわかっていないのと同じ状態だからです。

経済がわかりにくいのはなぜか? それは話のスケールが大きすぎて、全体像が見えにくいからだと考えました。

そこでまずは経済を「100人が住む島」だと想像してください。

そして、一気に、短期間でその仕組みを頭の中に入れてください。

そのまま、誰かに話してみてください。

そうすればきっと「経済がわかる自分」になれるはずです。

 

この本はみなさんを「経済がわかる!」ところまで案内します。

「経済がわかる」ところまで到達すると、毎日の暮らしの中で自然と「経済の話に目がいく」ようになり、自分の意見が湧き出てくるようになります。

 

たとえば、こんな国会答弁を聞いたらどう思われるでしょう。

「これからの日本は社会経済や産業構造を見直し、民間主導の経済成長を実現していくことが重要になる。財政出動はこれまでも経済状況を見極めた上で行ってきたが、一方で、国家の債務の持続可能性や財政運営に対する信認が失われれば、悪い金利上昇や過度なインフレを含め国民生活に重大な影響が及ぶことが懸念されるため、民需主導の経済成長の実現とともに歳出歳入改革の取組みを継続し、経済再生と財政健全化の両立を図っていくべきであり、消費税の引上げについては、全世代型社会保障制度への転換のために不可欠だ。国家財政の均衡化と両立できる範囲内で、中間層や低所得層への支援として雇用、収入、住まいの確保などの課題に対応したきめ細かな施策を講じていくべきだ。また、生産性を高める中で最低賃金の引上げを通じた賃金上昇を促すこともすすめたい」~参考文献(巻末)51より一部要約して抜粋

いままでは「ただの退屈な呪文」くらいにしか聞こえなかったかもしれません。

ところがこの本を読んだ後であれば、「なるほどそういう考えか」とあっさり理解できるだけでなく、「でもそうかな? たしかに通貨は国家債務として計上されるけど、それは国の徴税権力にもとづいたものだから、実質的なリスクはほとんどないんじゃない? 消費税は下げてもいいんじゃないかな」といった自分の意見が自然と湧き出てくるのです。

 

「経済が生活のなんの役に立つの?」と聞かれたら答えに困りますが、少なくとも私はこんなふうに「経済がわかる」ようになったとたん、世界がクリアに見えるようになり、経済ニュースの一つひとつに対して「面白い!」「次はどうなるんだろう?」とワクワクできるようになり、また世の中の出来事の一つひとつに「これが原因だろうな」「そりゃそうなるだろうな」と深く納得できるようになり、「日本はこうなっていくべきかも」とか「この政策はすごくいいな!」といった考えまで浮かぶようになりました。

そんな毎日は、いままでより一層「人類として生きている実感」を強めてくれます。

私と同じような感覚を、ぜひ皆さんにも味わってほしい。

そう思って、この本を書きました。

 

さあ100人の島とその住民たちと、一緒に経済の世界を楽しみましょう。

 

ご注意
「100人の島」という例えについて

●「100人の島」は、とある「資本主義に基づく民主政治の法治国家」をデフォルメしたものです。

●あくまでも「お金と国の仕組み」だけにフォーカスして説明しています。

●よって、文中に出てくる人数・金額・時間などの数字は、「実際の数字」とは関連づけていません。

●また説明の流れは、「経済発展の歴史」に沿わせていません。

●登場する動物の種類には、特別な意味を持たせていません。

●日本銀行を「エン印刷係」、債券を「◯◯券」など、独自の言い換えをしています。

以上は、すべて「経済」から“わかりにくさ”を徹底的に排除するための著者なりの工夫です。ご理解の上お読みください。

<第2回に続く>

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