チンパンジー100匹、ヒト100人がそれぞれ無人島で暮らすと? 経済の始まりはここから!/東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!

暮らし

公開日:2022/10/25

 わかっているつもりの経済用語や数字…改めて、自分の暮らしとの関わりから、シンプルに考えてみませんか?

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』は、日本や世界のお金の動きを「100人の島で起きた出来事」としてぎゅっとまとめ、わかりやすく解説しています。

 難しい経済の話をシンプルにスケールダウンすることで、全体像から経済の仕組みをひもときます。ユーモラスな動物たちの図解入りだから、大人はもちろん、経済について初めて学ぶ中高生でも楽しく読めて「経済がわかる自分」になれる入門書です。

 まずは「ケイザイ以前」のお話…。ヒトがどのように社会を発展させてきたか見ていきましょう。

※本作品はムギタロー著、井上智洋、望月慎 監修の書籍『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』から一部抜粋・編集しました

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!
『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』(ムギタロー:著、井上智洋、望月慎:監修/サンクチュアリ出版)

①言葉を使おう

チンパンジー100匹が無人島に流れ着き、暮らしをはじめる。
ヒト100人が無人島に流れ着き、暮らしをはじめる。
ふたつの暮らしの違いを決定づけるものはなんでしょうか?

答えは「言葉」です。
チンパンジーは、1匹1匹が思い思いにエサを探し集めて、自給自足で暮らさなければなりません。
それにひきかえヒトは、
A「私は家を作る」
B「私は水を探す」
C「私は食料を調達する」
D「私はオオカミが来ないか見張りをする」
というように、「言葉」を使って簡単に役割分担することができます。

さらに、手に入れた家や水や食料を、「言葉」を使って分配することができます。

もしもオオカミが出なかった場合、Dさんはただ立っていただけ、ということになります。
チンパンジーであれば、ただ立っていただけのDさんに、手に入れた家や水や食料を渡すことはないでしょう。
しかしヒトはその仕事の大切さを「言葉」で共有し、理解もできているので、Dさんに水や食料を分配しても不満は出ません。

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!

さらにヒトには「言葉」があるから、知識を継承することもできます。
誰かが何十年もかけて鉄の作り方を発見すれば、次の世代は、何十年もかけて試行錯誤をしなくても、鉄の作り方を「言葉」で学ぶことができます。
すると次の世代は、その「鉄の作り方」をベースとして、さらに新しい技術を生み出すことができます。

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!

何千年もかけて人類が積み重ねた知識を継承してきたから、いま私たちは、スマホのようなすさまじいテクノロジーを手にしています。
もしも無人島で知識ゼロからスマホを作ろうと思ったら、何千年もかかってしまうのです。

このようにヒトは言葉によって、「役割分担」をし、「物資の分配」をし、「知識の継承」をしながら発展してきました。

これがヒトの強みです。
そして、ここからケイザイがはじまっていきます。

その単純にも複雑にも見える不思議な仕組みについて、これからどうぶつたちの住む「100人の島」で一緒に考えていきましょう。

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