うどんを加えてピザ生地に! 時短にもなるホットケーキミックスの応用レシピ
公開日:2022/10/18
普段のお菓子作りには欠かせないアイテムとして重宝されているホットケーキミックス。ホットケーキはもちろん、スコーンやクッキー、パウンドケーキなど様々なお菓子に応用でき、甘いものを手早く作りたい人の救世主的存在となっている。しかし、お菓子作りに必要なものがしっかり混ぜ込んであるから、作るものがすべて甘くなってしまうという一面も。
『これ、ホットケーキミックスで? ~使わない人は損してる!~』(オレンジページ)は、そんなホットケーキミックスで作る=甘いというイメージを払拭してくれる、画期的なレシピが多数紹介されているレシピ本。中でも衝撃を受けたのが、ホットケーキミックスにうどん(市販の茹でうどん)を加えてピザにするというレシピ。非常に気になったので、この茹でうどんピザを含めていくつか作ってみることにした。
「サクもちフォカッチャ」(P.24~P.25)
1つめは、じゃがいもを加えて作る「サクもちフォカッチャ」。電子レンジで火を通したじゃがいもにヨーグルトと塩を加えて混ぜ、ホットケーキミックスを加えてしっかりとこねていく。あとは生地をオーブンシートにのせ、250度に予熱したオーブンで5~7分焼けば完成。
じゃがいもとヨーグルトが加わることで、ホットケーキミックスで作ったとは思えないほどもっちりしっとり、表面はカリッと仕上がっていた。また、気になる甘さもだいぶ抑えられていて、普段の食事にも大活躍しそう。発酵不要かつ短時間で完成するため、ご飯を炊いてなかった!というときのお助けメニューにも。溶かしバターや粉チーズをかけてシンプルに食べるのもおいしい。
「マルゲリータピザ」(P.48~P.49)
2つめは、いよいよ茹でうどんを加えて作る「マルゲリータピザ」。まずはボウルに袋から出した茹でうどんを入れ、麺を握りつぶしながら餅をつくようにこねていく。そしてホットケーキミックス、塩、ヨーグルトを加えて1つにまとまるまで混ぜる。あとはシートの上に均一に生地を伸ばし、ケチャップを塗ってミニトマト、ベーコンをのせ、端に溶き卵を塗って220度のオーブンで10分、その後モッツァレラチーズをのせてさらに5~10分焼き、仕上げにバジルを散らして完成。
うどんが入ることで、発酵なしでもまるで発酵させたかのようなふわもち食感! 甘みも抑えられ、ピザとして違和感なく食べることができた。発酵なしであっという間に完成するので、ピザを作るハードルが一気に下がる。1玉数十円で売られている茹でうどんが活用でき、節約になるのもありがたい。もちろん普通のピザ同様、具は何でもOK! 冷蔵庫の余り食材消費が捗りそうだ。
「ベーコンチーズロール」(P.54~P.55)
最後は、「マルゲリータピザ」と同じ生地で作るパン「ベーコンチーズロール」。打ち粉をした上に生地を伸ばして溶き卵を塗り、スライスした玉ねぎ、角切りにしたプロセスチーズ、ベーコンをのせて巻く。あとは切って溶き卵を塗り、200度に予熱したオーブンで15分焼けば完成。
こちらも発酵なしでホットケーキミックスから作ったにもかかわらず、しっかりと「総菜パン」として成立している(側面に溶き卵を塗り忘れたのはご愛敬)。一度にたくさん作りやすく、まとめて作って冷凍しておくといつでも手作りパンが楽しめて便利。こちらもアレンジ自在なので、自分好みの具材を巻いて楽しみたい。
作った3品とも甘さは控えめで、市販の総菜パンなどと比較しても遜色ない出来。むしろもちもち&しっとり感がある分、筆者としてはこちらの方が好みかもしれない。また、作ってみて思ったが、発酵なしで完成するというのがものすごく嬉しいポイント。作り始めて30分~1時間程度で完成するため、食べたいときにすぐ作れるし、失敗もない。細かい分量は気にしなくても、とりあえず生地がまとまればどうにかなる。
もちろんホットケーキミックスの甘さを活かしたお菓子も掲載されているので、本書が1冊あればホットケーキミックスでお菓子も主食も思いのままというわけだ。「手作りパンは面倒」「甘いものはあんまり……」と避けていた人も、手作りメニューのレパートリーを充実させてみては。
調理、文=月乃雫