ウソがバレているかも…。そんな不安の正体は“透明性幻想”のせい/気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント

暮らし

公開日:2022/10/28

 マスクで表情が見えにくくなり、さらに直接会って人とコミュニケーションする機会も格段に減ったこの頃。相手との距離感に悩んだり、人間関係で必要以上に気疲れをためてしまいがちでは?

気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』では、心理学者の内藤誼人さんがネガティブな感情を手放して、もっと楽に毎日を送るヒントを伝授。世界中の心理学の最新研究をもとに、すぐに使えて役に立つ、人間関係での「チカラの抜きどころ」をご紹介します。

 心理学の「透明性幻想」という現象を理解すれば、人は不安にならずにすむ!?

※本作品は内藤誼人著の書籍『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』から一部抜粋・編集しました

気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント
『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』
(内藤誼人/明日香出版社)

3 何を考えているか、それはだれにもわからない

 人の心は、当然ですが目に見えません。ですから、あなたがどれほど不安であろうが、どれほど動揺していようが、相手にはどうせわからないのです。

ということは、どんなに不安に思っていてもいい、とも言えるでしょう。

 私たちは、自分の心は相手に見抜かれているのではないかと、ときに不安に思ったりするものです。

 こういう思い込みは、「透明性幻想」(イリュージョン・オブ・トランスペランショー)と呼ばれています。自分の心は、ガラス張りのように透明で、全部が相手に筒抜けだと思ってしまうのですね。

 もちろん、そんなことはありません。

 相手には、あなたの心など見抜かれていませんので、全く心配はいりません。

 

「透明性幻想」

 

 米国マサチューセッツ州にあるウィリアムズ大学のケネス・サヴィツキーは、透明性幻想という現象があることを説明してあげると、人は不安にならずにすむことを確認しています。

 サヴィッキーは、スピーチをするときに、「あなたがどんなに緊張していても、聴衆には絶対にバレません。緊張していることがわかるのは自分だけ。相手に見抜かれていると思ってしまうのは、〝透明性幻想〟という心理効果があるからなのですよ」と丁寧に教えてあげると、スピーチ不安がなくなることを実証しています。

 私は大学の先生をしていて、自分ではものすごく講義をするのがヘタくそだと思っていました。10年以上もずっとそれを気にしていましたが、透明性幻想というものがあることを知って、心のつかえがおりました。

 どれほどオドオドしていようが、学生には見抜かれるはずがないと考えられるようになったからです。

 

 もしかすると、「私は、考えていることが顔に出やすいのではないか」と感じていて、気にしている人がいるかもしれません。

 でも、そういう心配もいらないと思いますよ。

 人の心を読むのは、ものすごく難しいので、そんなに簡単に見抜かれることもありません。

 ウソをつくときだってそうですね。

 「ウソをついていることがバレているんじゃないか」と感じる人もいるでしょうが、ウソを見抜くのはとても難しく、普通はそう簡単にバレることはありません。

 心理学の研究でも、正しくウソを見抜ける確率はだいたい50%であることがわかっています(50%ということは、ウソをついているかどうかをデタラメに選んで、偶然に当たってしまうのと同じ確率です!)。

 それくらいウソを見抜くのは難しいので、相手にバレるということは、めったにないんですね。

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