ウソがバレているかも…。そんな不安の正体は“透明性幻想”のせい/気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント

暮らし

公開日:2022/10/28

4 どんなホンネも驚くほど伝わらないもの

 仕事をするためには、どうしてもウソをつかなければならない状況が出てきます。営業やセールスをやっている人なら、お客さまに言いにくいことは、こっそり隠しておいたりすることもあるのではないでしょうか。

 どんな仕事をしているにしろ、上司に報告しなかったり、ウソをついたりすることは、いくらでもあるはずです。

 そんなときは、だれしも「相手にこちらのウソやホンネがバレてしまうのではないか」と気にしてしまうものですが、それもあまり心配せず、堂々としていましょう。

 

後ろめたいと思う心と、意外な現実

 

 カナダにあるマニトバ大学のジャッキー・ファラウは、実験参加者をペアにして、疑似的な交渉をさせてみたことがあります。

 ただし、交渉に先だって、参加者には5つの目標のうち、どれか1つが与えられました。その目標とは次の5つです。

 

① 自分の考えを決して曲げないように

② 相手を満足させるように

③ 双方が譲歩する回数が同じになるように

④ ベストな解決策を探るように

⑤ 相手に好かれることだけを考えるように

 

 交渉が終わったところで、「相手の目標はこの5つのどれだったと思いますか?」と推測してもらったのですが、26%しか当てることができませんでした。選択肢が5つなので、あてずっぽうで選んでも20%は正解することになりますから、26%というのは、あてずっぽうとそんなに変わりません。

 この実験が面白いのはここからで、「あなた自身の目標がどれだったのか、相手にはどれくらいバレたと思いますか?」とたずねたら、何と60%が「たぶん、見え見えだった」と答えたのです。

 つまり私たちは、自分がどんなことを狙っているのかは、相手にバレていると思い込んでいるわけですが、現実にはバレないことがこの実験からわかるのです。

 

 たとえば「絶対に契約をとってやる!」と意気込んでいても、もうお客さまにバレることを心配する必要はありません。

 なぜなら、そう考えていることはバレないからです。

 あるいは女性を食事に誘うとき、「下心が見透かされてしまうのでは?」と不安に思って、誘うことを躊躇してしまう人がいるかもしれません。でも、それだって心配のしすぎだと言えるでしょう。

 あまりよけいな心配をせず、気楽に誘ってみてください。わりとあっさりOKしてもらえるかもしれませんよ。

<第3回に続く>

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