わざわざ嫌われる人間にならない秘訣! クリエイティブな意見は「出せない」ほうがいい/気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント

暮らし

公開日:2022/10/30

 マスクで表情が見えにくくなり、さらに直接会って人とコミュニケーションする機会も格段に減ったこの頃。相手との距離感に悩んだり、人間関係で必要以上に気疲れをためてしまいがちでは?

気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』では、心理学者の内藤誼人さんがネガティブな感情を手放して、もっと楽に毎日を送るヒントを伝授。世界中の心理学の最新研究をもとに、すぐに使えて役に立つ、人間関係での「チカラの抜きどころ」をご紹介します。

 言いたいことをうまく相手に伝えることができない…そんな人へ。自己主張なんてできない方が幸せかも…?

※本作品は内藤誼人著の書籍『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』から一部抜粋・編集しました

気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント
『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』
(内藤誼人/明日香出版社)

7 自己主張なんてできないほうがしあわせ

 自分が言いたいことを、うまく相手に伝えることができない人がいます。

相手の気持ちを考えて、相手が嫌がるようなことを伝えることができないのです。

「こんなことを指摘したら、傷ついてしまうんじゃないかな」と思ってしまうので、どうしても自己主張できないんですね。

 けれども、自己主張することが、果たして本当にいいことなのでしょうか。

 私は、全くそんなふうに思いません。

 

「言いたいことが言えない人はダメだ!」と言う人もいます。でも、もともと性格的に奥ゆかしい人は、自己主張なんて乱暴なことはできるわけがありません。ですから、自己主張はできなくとも別にかまわないのではないかな、と思っています。

 

 かつては、いろいろな企業で、「自己主張訓練」とか「アサーティブ・トレーニング」という名目での社員研修などがさかんにおこなわれていましたが、最近はずいぶんと減ったような印象を受けます。

 というのも、そういう訓練に社員を参加させると、都合のいいことばかりを自己主張するようになって、上司や先輩にとってみると、「ものすごく使いにくいヤツ」になってしまう、ということに企業の側も少しずつ気づいてきたからではないでしょうか。

 もともと日本人は「婉曲的な表現」を好む民族で、欧米流のグイグイ押しまくるような自己主張は、文化的にもあまり合わない、ということもあるでしょう。

 

自己主張できる人が好まれるわけではない

 

 いや、じつを言うと、欧米人にとっても、自己主張の激しい人は、どうも煙たがられるようです。

 米国オハイオ州にある、ケント州立大学のハロルド・シュローダーは、自己主張をする男性と、自己主張する女性についてのシナリオ(名前を男性名にするか女性名にするかで、他の箇所はすべて同一でした)を作り、それを40名ずつの男女に読んでもらって印象をたずねました。

 シュローダーは、もともと「自己主張する男性は、男らしいでの好ましく評価され、自己主張をする女性は、女性のイメージとそぐわないので悪く評価されるだろう」と考えていたのですが、予想に反して、「自己主張をする男性」のほうも、悪く評価されました。つまり、自己主張するのは、男性であっても、女性であっても、煙たがられたのです。

 

「言いたいことを言える人は、カッコいいな」と感じている人もいるかもしれません。言いたいことをうまく言える人をうらやましく思うことも、もしかしたらあるかもしれませんね。

 でもそれは、錯覚です。本当はうらやましいことでも何でもなく、むしろ自分の評判を悪くする行為なのだと思っていたほうがいいんですよ。

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