わざわざ嫌われる人間にならない秘訣! クリエイティブな意見は「出せない」ほうがいい/気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント
公開日:2022/10/30
8 クリエイティブな意見は「出せない」ほうが嫌われない
よくあるビジネス本やビジネス雑誌では、やたらと「クリエイティブな人」が持ち上げられているように思います。
何か変わったこと、新しいことをやろうとする人があまりにもチヤホヤされているのですが、読者のみなさんは、本や雑誌で書かれていることを真似しなくてもかまいません。そういうものを鵜呑みにして、「自分もクリエイティブな人にならないと」と考えるのは、明らかな勘違い。
現実には、クリエイティブな人間というものは、社会や組織から〝異端者〟や〝はずれ者〟として、嫌がられるものなのです。
発明家にしろ、芸術家にしろ、どんな分野でも、たいてい新しいことをやる人は、守旧派の人に嫌がらせを受けるものですよね。そういう反対を押し切って、自分のやりたいことを推し進めるだけの勇気があればいいのですが、普通の人間には、とてもそんな真似はできません。
会議でもそうです。社長や重役は、「クリエイティブなアイデアを出せ!」とハッパをかけることがあるかもしれませんが、こういうときにも、クリエイティブなアイデアなど、出そうとしなくてかまいません。ホンネでは、そういうものは受け入れたくない、と思っているものですから。
求められているのは「無難なアイデア」
ペンシルバニア大学のジェニファー・ミューラーは、これを実験的に確認しています。
ミューラーは、何人かをグループにして、「航空会社が、もっと利益を出すにはどうすればいいか?」というテーマでの話し合いをさせてみました。
なお、半分の参加者には、話し合いに先だって、「できるだけクリエイティブな意見を出すように」とお願いしておき、残りの半分の参加者には、「あまり奇抜でないアイデアを」とお願いしておきました。
クリエイティブな意見を出すように求められた参加者は、たとえば「乗客同士でギャンブルができるようにしたらどうだろう?」といったアイデアを積極的に発言しました。あまり奇抜でないアイデアを出すように指示された参加者は、「機内食を有料にしよう」といった無難なアイデアを出しました。
話し合いが終わったところで、メンバーのそれぞれについての評価を求めると、クリエイティブな意見を積極的に出した人ほど、悪い評価を受けてしまいました。おそらくは、「ふざけたヤツだ」と思われたのでしょうね。
また、クリエイティブなアイデアを出した人は、「リーダーシップの資質が著しく欠如」とも評価されてしまうこともわかりました。
「私は、常識的な発想しかできない」
「無難な意見しか言えない」
そういうことを気にしている人がいるかもしれませんが、無難でいいのですよ。クリエイティブな人間になど、まったくなる必要はありませんからね。
わざわざ嫌われる人間になることなんてないんですから。
<第5回に続く>