人生の9割は「親との関係」で決まる!? 親のささいな言動が小さなトゲとなって子どもの心の奥に残り続ける/親子の法則
公開日:2022/10/29
グリム童話で、自分よりも美しくなる白雪姫がゆるせなかった継母のように、「母親は自分の可能性の芽を摘み続けたのではないか」と美香子さんは疑っています。
母親が亡くなってすでに10年以上が経っていますが、58歳になった美香子さんは今でも自分に自身が持てません。
母親に対する「私の子ども時代をコンプレックスだらけにした」という恨みをぬぐいきれないそうです。
この女性の例にあるように、「親に否定された」と感じる言葉は、小さなトゲとなって心に突き刺さったままになり、その後の人生に影響をもたらしていきます。
おそらく誰でも1つや2つ、大人になっても忘れられないような、親の言動にまつわる悲しい思い出を持っているのではないでしょうか。
とはいえ、大人になった今では、親の立場もある程度は理解できるようになっているので、「お父さんはあのとき、自分を鍛えようとして、わざと厳しく言ったんだ」とか、「お母さんは弟が生まれたばかりで大変なときだったから、私の話を聞いてくれなかったんだ」など、理由をつけて親をゆるそうとします。
もうすいぶん昔のことだし、とっくに自分の気持ちに折り合いはつけていると思い込んでいるのです。
しかし実際のところ、感情というのはそれほど聞き分けのいいものではありません。ささいな言葉だったとしても、その言葉に「傷ついた」とか「ああ言われて悲しかった」という感情は、そのまま心の奥にずっと残り続けます。
大人として理性的に判断し、ゆるしたつもりになったほうが気持ち的に軽くなる気がするのでそうしているだけで、本心では納得できていないからです。
これが「癒されない感情」の厄介なところです。
<第3回に続く>