「自由になることに罪悪感が…」もしかして、親があなたの“監視役”として心の中に存在している!?/親子の法則
公開日:2022/10/31
お金を計画的に使えない
計画的なお金の使い方ができない人の中には、親がお金に苦労している姿を見てきたという人が少なくありません。「お金は苦労をもたらす」という思いがインストールされてしまい、お金に対して苦手意識を持っているのでしょう。
また、親がお金に苦労している姿を見る以外にも、意外なところに原因がある場合もあります。
たとえば、親に欲しいものをねだったときに、「そんなものは必要ないから買えない」と断られた経験です。親が子どもにその理由をきちんと伝えてくれればいいのですが、たいていの場合、突っぱねておしまいになりがちです。
結果的に、子どもは「親が欲しいものを買ってくれなかった」という経験から、「私が欲しいものは手に入らない」と思い込むようになります。
そして、お金を使うことに妙な罪悪感を覚えたり、「これが欲しい」と思った瞬間に「早く買わないと欲しいものがなくなってしまう!」という思いにとらわれ、見境なく手が伸びて散財したりするようになっていきます。
また、浪費癖になる原因として、お金が原因で親同士が争ったり、お金が原因で親が苦しんだりしている姿を見たことも挙げられます。
お金が争いや苦しみの原因となることでお金に対していいイメージが持てず、「自分の手元からなくしたい」といった心理が働き、散財してしまうのです。
いずれのケースにも共通しているのが「お金に対して冷静な判断ができない」という点です。冷静に判断することができれば、計画性も生まれます。自分にとってのお金の使いどころもわかります。
判断力のなさから感情だけでお金を使ってしまうことが、計画性の欠如につながっていきます。
仕事に対して積極的になれない
仕事への取り組み方にも、親との関係が投影されます。
親が仕事で疲弊した姿を見続けた結果、「仕事をすることは苦しいこと」としか思えなかったり、仕事が忙しいという理由でかまってもらえず寂しい思いをした経験があったり、そもそも親との関係がよくないので上司に親を重ねてしまい素直になれなかったりなど、いろいろなパターンがあります。
その結果、「仕事で何かを達成する」という意欲が持ちづらくなっていきます。
私の場合は父に対する恐れや怒りが根底にあったので、フリーランスになる前、新卒で会社勤めをしたときに一番苦労したのが、上司との人間関係でした。
子どものころ、厳しかった父の前に出ると私はいつも緊張していました。
それが無意識のうちによみがえってくるのか、上司に対してどうふるまっていいのか、わからなくなるのです。新入社員ですから、わからないことはどんどん上司に尋ねればいいし、報告すべきことはいち早く報告すべきだということは明白です。
私自身、頭ではそのことを理解していました。しかし、心が別な動きをしてしまい、どうしても上司に対して素直に向き合うことができないのです。
立場が上の人ほど、自分の懐に飛び込んでくる若い人をかわいく感じ、応援したくなるものだと思います。その点で私はまったくかわいげのない、何を考えているのかさっぱりわからない部下だったことでしょう。
必然的に仕事で成果を上げることはできず、「自分は何て仕事ができないんだろう……」と劣等感が深まっていくばかりの会社員時代でした。