甘いものを食べないと仕事中に眠くなる…気づけば体重10kg増! 健康とすっきりボディを手に入れるスペシャルな食べ方ってあるの?
公開日:2022/11/7
疲れやすい、太ってきた、気持ちが落ち込む、肌荒れ、便秘etc。特に病気というわけではないけれど、こんな悩みを抱えている人は多いのでは。そんな人に手に取ってもらいたいのが『マンガでわかる 誰でも健康になれる ノブナガ式食べ方大全』(吉冨信長/主婦の友社)だ。
著者は、栄養カウンセラーの吉冨信長氏。転職を機に栄養に興味をもち、独学で専門書や世界中の論文を読みあさり、伝統的な生活を続けている世界の先住民のところまでおもむいて調査し、栄養と食べ物の知識を身につけた、自称「栄養オタク」という人物だ。栄養のリアルセミナーは、毎回、高額でも満席で、YouTubeの登録者数は13万人(2022年10月現在)、平日朝8時からのClubhouse生配信にも、毎朝1000人が集まるといえば、その人気のほどがわかるのではないだろうか。
本書で「なんのしがらみもない立場だからこそ見える、『栄養の現在地』がある」と語る著者が、身体にまつわる悩みを解決するために必要な栄養素はなにか、そのためにスーパーマーケットでなにを買えばいいのか、さらにその食材の簡単な食べ方まで教えてくれる。
「疲れやすい」原因は、血糖値の急上昇にある
社会人になってひとり暮らしを始めて数年。コンビニや外食を利用することが多いせいか、いつしか体重は10kg増。すでにぽっちゃり体型です。やせたい気持ちとは裏腹に、朝食がわりに甘いドリンク、「脳の栄養!」と仕事の途中で甘いおやつを食べてしまいます。やめたいけれど、甘いものがないと眠くなってしまい、集中して仕事ができないのです。病気じゃないのにこのダルサは何?
本書でモデルケースとして紹介されているAくん。「疲れやすい」という彼と同じような悩みを抱えている人は多いはず。では、その原因はいったいどこにあるのだろうか?
その答えは、甘いものや麺類、白米が中心の食生活にあるという。甘いものに使われている白い砂糖や白いご飯など、精製された炭水化物(糖質)をたっぷりとると、血糖値が急激に上がる。しかし時間が経つと、その反動で低血糖状態になってしまう。眠気や疲労感に襲われるのはそのためなのだという。また、血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に出るので、脂肪を身体にため込んでしまう。太りやすいのは、そこに原因があるというわけだ。
この問題を改善するには、「血糖値を急上昇させる精製糖質を控えるのが一番」だそう。白米ではなく、玄米や麦飯を食べるほうが血糖値の上昇を緩やかにでき、疲れやすさや眠気を抑えることにつながるという。普段の食事では白い砂糖や白い炭水化物を避けるようにし、特に果糖ブドウ糖液の入った甘いドリンクを控えることが大切なんだとか。
外食が多い人の場合、すべての食事で白いご飯を避けることは難しいかもしれないが、少し心がけるだけでも疲れやすさを感じにくくなっていきそうだ。仕事中、なにげなく飲んでいた甘いドリンクを控えることなど、簡単なことから取り組んでみるのもよいだろう。本書では、ほかに「気持ちがしずむ」「肌が荒れる」「シミ、しわ、白髪」「花粉症」を栄養面から改善するための方法を教えてくれる。
どんな食材を選べばいいの?
悩みを改善するために必要な栄養がわかったとしても、その栄養をとるために実際になにを食べればいいのかがわからない。いっそのことサプリメントでとればいいんじゃない? そう考える人への著者の答えは「栄養はまず食べ物から。これは大原則です」と、「スーパーに行きましょう」だ。
サプリメントではなく、栄養を食べ物からとるべき理由は「一つひとつの食品に含まれる栄養素は多彩」で、「別の食品と組み合わせることで相乗効果も期待でき」るから。いろいろな食品を食べるとよいことは、スペインや中国、日本で行われた大規模調査でも証明されているというから、ぜひ心がけたいものだ。
「スーパーに行きましょう」の理由は、スーパーにはさまざまな食品が並んでいて、野菜や果物も、魚介類も、季節によって並ぶものが変わるから。では、実際にスーパーに行ったときに、どんなものを選べばよいのか? その答えを野菜の例で見ていこう。
ひとくちに野菜といっても、その種類は多種多彩。スーパーに行けばトマトやキュウリ、ニンジンなど超定番のものから、初めて目にするようなめずらしいものまで並んでいることも。そのなかから、なにを選べばいいのか。
野菜を選ぶときには、できるだけ「旬」を意識してください。(中略)それはもちろん、安くておいしくて栄養価が高いからです。
でも、なにが今旬の野菜なのかがわからない。そんなときは……。
「本日のお買い得」は旬の野菜であることが多いです。今すぐ買ってほしい野菜を目立つところにどーんと置くのが、青果業界のセオリーですから、入り口近くの山積み野菜はたいてい旬の野菜なのです。
こう前置きしたうえで、野菜の項では「春・夏・秋・冬のおすすめ旬の野菜」に加え、「きのこ族」「赤い野菜族」「緑の葉っぱ族」「ぬるぬる族」という区分けで、それぞれの野菜族の特徴とおすすめ野菜の栄養価について解説している。その解説は、「フルーツ」「魚」「肉」「乾物」「調味料」「油」「お菓子」と幅広い食材に及んでいるので、今、自分に必要な食材がなにかを具体的に知ることができるはずだ。
料理が苦手……という人には、「ノブナガ式おすすめ超簡単レシピ」と題して、手軽に作れて、しっかりと栄養をとることができる料理法を紹介しているので、それも参考にしてもらいたい。
身体を作るのは日々にとる食事。このことはわかっているけれど、忙しさや面倒くささにまぎれて、つい食事をおろそかにしてしまっている。そんな人は少なくないはずだが、それが疲れやすさや太りやすさ、日々の気分などに影響しているのだとしたら、やはり改善したいもの。
食事とは単におなかを満たすだけではなく、体の細胞のすみずみまでに必要な栄養素とエネルギーを届けていくことです。よい食事こそが健康をつくるのです
こう話す著者が教えてくれる食べ方を実践して、「ゆるっと、楽しく、おいしいものを食べ」ながら身体を改善してみてはいかがだろうか。
文=井上淳