家計簿づけを挫折した人へ! まずは簡単な表作りで、自分の弱点や無駄づかいのポイントを見極めよう
公開日:2022/11/5
特に大きな買い物をしているわけでもないのに、なぜかお金が貯まらない。気づいたら財布の中身が減っている。この間銀行から下ろしたお金はどこにいったのか……。そんなことを考えていると、よく「家計簿をつけろ」と言われる。しかし家計簿を続けられる継続力があるのなら、最初からこんな悩みは持っていない。
『貯められない女のためのこんどこそ! 貯める技術』(池田暁子/文藝春秋)は、そんな筆者のような管理下手な人でも続けられそうな、貯蓄を作るためのコミックエッセイ。著者である池田暁子さんの試行錯誤がリアルに紹介されている本で、まるで相談に乗ってもらっているかのような感覚で読み進められるのが特徴だ。
まず冒頭では、池田さんの“貯められなかった日々”が描かれる。例えば、本屋で本をまとめ買いし、回転寿司を食べてからコーヒーショップで買った本を読む1日。それから試飲したお茶がおいしくて衝動買いし、お茶に合うお菓子やら何やらを買ってしまう1日など。どちらもまんま自分の日常すぎて、「うわー」という言葉しか出てこなかった。
そんな池田さんが最初にやったのは、いわゆる小銭貯金。1日の終わりに小銭を財布から貯金箱に移し、貯まったら貯金用の口座に預ける、といういたってシンプルな方法だ。そこで筆者も、この戦法を実践してみた。小銭貯金自体は何度かやったことがあったが、ポイントは「貯金専用の口座に入れる」ということ。出し入れする口座と分けることで、「引き出さない」を徹底するのだ。些細なことだが、これが思った以上の効果を発揮する。
そしてこれを継続するためには、自分から必要な分以外のお金を隠すことも大切。この「必要なお金」を知るために使われるのが家計簿だが、普通にやっても項目に悩んだり不明な部分が出てきたりで続かない。そこで使われるのが、大学ノートを横向きにし、1週間で1ページと決め、上に必要度の高いもの、下に無駄だったかもしれないものを書いていく方法だ。
ちなみに筆者の場合、「線が曲がって気に食わないけど定規はめんどくさい」と挫折する未来が見えているため、表の外枠はExcelに頼ることにした。これを印刷して買ったものを記入してみた結果、思っていた以上に「不要」側に書くべきものが多かった。
簡易的な表であっても、一目見て分かる状態にする重要性を痛感。また、過去の買い物を見直すことで、「まだ数日しか経ってないのにもう放置してる」なんて物が発覚する場合も。こうして少しずつでもお金と向き合うことで、自分の弱みや無駄ポイントが見えてくる。さらに、「今これ買ったら不要欄への記入が増えるのか」と思いとどまるようになった。これは良い傾向!
ほかにも片づけの重要性や使っていいお金の決め方、分かりやすい管理の仕方、口座の上手な分け方などが、無理せずできる方法で順序立てて紹介されている。今まで貯蓄の本を買って実践してみたけどうまくいかなかった、家計簿をつけてみたけど続かなかった、という人は、この本で一歩ずつでも始めてみると、案外すんなり成長できるかもしれない。筆者も、引き続き無理のない範囲で「貯められる女」を目指そうと思う。
文=月乃雫