出会いのバーゲンセール

　あれから月日が経ち、世の中は大きく変わった。

　その中でも人と人とのつながり方は、インターネット上の出会いツールの出現によって特に大きく変化した。

　ＳＮＳの登場などは、その変化を起こした理由の最もたるものの一つだろう。

　しかし、この変化には落とし穴もある。

　それは、出会いがあまりにも身近になりすぎて、出会いそのものの価値が軽くなってしまっているということ。

　そしてもう一つは、そのお手軽さゆえに、本当のつながりとバーチャルなつながりを混同してしまう人が増えてしまっているということだ。

　例えば、自分をよく見せようとして背伸びしすぎてしまう人。

　ＳＮＳ投稿につく「いいね」の数に自分の存在価値を置きすぎてしまう人。

　バーチャルのつながりを本当の人間関係と錯覚してしまう人。

　もちろん、それはそれで楽しいかもしれない。

　しかし、人生にはいろんな予期せぬことやピンチがやってくる。

　そのときに自分のまわりに誰がいてくれるのか、をあらかじめ考えておくことは、現実問題として大きな課題だ。

　にもかかわらず、多くの人が「つながっている感」と「本当のつながり」を混同しているのではないだろうか。

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