人が脱落していく一番の原因は「見栄」。「規模」や「地位」に捉われすぎてはいけない/君は誰と生きるか
公開日:2022/11/18
SNSで気軽に人とつながることができる今、本来大切にすべき人との関係を疎かにしていませんか?
ミリオンセラー『人は話し方が9割』の著者・永松茂久さんの最新刊『君は誰と生きるか』は、「師匠」と「若者」の対話を通して、人間関係の本質を説き明かします。
「人脈」や「いいね!(承認)」の数ばかりを競いがちの現代で、「自分の人生を変えたい」「人生をもっと明るいものにしたい」と考える人に、より良く生きるための勇気と希望を与えてくれる1冊です。
規模の大きさと社会的立場が高い人はすごいという思い込みに支配されていませんか?
※本作品は永松茂久著の書籍『君は誰と生きるか』から一部抜粋・編集しました
「規模」や「地位」に
とらわれすぎてはいけない
師匠とやりとりした当時の音声を聞き返しながら、そこにいる過去の自分の中で、人を見る価値観がだんだん変わってきていることがわかる。
「説明が長くなっちゃったけどね、とにかく気をつけることは二つ。それは規模と地位」
「規模と地位ですか」
「そう。たぶん世の中の大半の人が、規模の大きさと社会的立場が高い人はすごいもんなんだっていう思い込みに支配されてる」
「そのとおりですよね。なんでみんな気づかないんだろう」
音声の中で、さっきまでそのマジックに思いっきりかかっていたにもかかわrず、客観的に答えている自分の変わり身が恥ずかしい。
師匠は、そんな僕に特にツッコミを入れることもなく続けた。
「大きければすごいとか、そんな時代はもう終わったんだよ。でも、いまだにこのマジックの中にいると、どうしても自分の価値を上げようとやっきになる。例えば無理していいビルにオフィスをかまえちゃったり、借金してでも店舗を増やしたりしてしまう。そして、結局は自分を追い込んでしまう」
そうした人は少なくない。いや、僕にもそのきらいがある。
良くも悪くも影響を受けやすく、すぐ競争したくなってしまうのだ。
「そうならないように、君に『あまりいろんな人に会いすぎるなよ』って警告したんだ。特に君みたいにまだ世間を知らない若いうちは、どうしても隣の芝生が青く見えちゃうんだよ。そこに追いつこうと、自分と世間を比べるようになる。 そして人に注目してもらうために、無茶な計画を立てる」
僕は、自分をものすごく具体的に表現されている気がしていた。
「冒険ストーリーだったら、その点かいはおもしろいかもしれない。でも、私たちが生きているのは、現実的な世界だよ。どれだけがんばろうが、努力しようが、人の評価は、人によってまったく違う。そこに自分をムリに合わせようとしすぎると、右に行ったり左に行ったりのブレブレ人生になる。結果、自分がブレると、まわりにいる人はその3倍振り回される」