大人気「満月珈琲店」の再現レシピ! 架空の喫茶店のスイーツやフードメニューの美麗イラストと再現画像に酔いしれる
公開日:2022/11/15
どこか懐かしく、幻想的なメニューに癒される…。イラストレーター桜田千尋氏が描く架空の喫茶店「満月珈琲店」には、そんな声が多く寄せられる。
作家の望月麻衣氏も、その世界観に魅了され、インスパイア小説「満月珈琲店の星詠み」シリーズ(文藝春秋)を執筆。猫のマスターと星遣いの店員が料理や星詠みを通して悩む人々を救う同作は、泣けて前を向けると注目を浴びた。
桜田氏は、イラストストーリー集『満月珈琲店』(KADOKAWA)も上梓。2021年10月には、満月珈琲店のメニューをイラストと実際の写真で完全再現したレシピ集『満月珈琲店のレシピ帖』(主婦の友社)も発売され、同作は、第9回料理レシピ本大賞 in Japanのお菓子部門で大賞を受賞した。
そんな大人気レシピ集の第2弾『満月珈琲店のレシピ帖 12星座とめぐる星カフェメニュー』(主婦の友社)が、満を持して登場。本書では、前作で取り上げきれなかった、ファンからのリクエストが多いレシピや四季の移り変わりを感じられる12星座のスイーツを完全再現。
もともとのシリーズファンはもちろん、「満月珈琲店」をよく知らない人も楽しめ、癒される1冊となっている。
秋に作りたい「満月珈琲店」のメニューは?
本書を開いて、すぐ飛び込んでくるのが三毛猫のマスターがにっこり微笑む、幻想的なイラスト。
このページを見た瞬間、心は満月珈琲店へ誘われる。
著者は「Spring」「Summer」「Autumn」「Winter」に分け、満月珈琲店のメニューとそのレシピを紹介。星空や夜空、惑星のきらめきを表現するための必須材料も説明している。
秋が深まってきたこの季節、ぜひとも挑戦したいのが、旬のかぼちゃを活かした「紅葉のパンプキンタルト」(450円※以下、価格はすべて「満月珈琲店」メニューより)。
まるで紅葉に染まった山を切り取り、星屑を乗せたかのようなパンプキンタルトは見た目だけでなく、ザクザクとした食感も楽しい一品。
ポイントは、仕上げに溶けないタイプの粉糖と銀箔シュガーを散らすこと。こうすることで、特別なヴェールをまとった、幻想的なパンプキンタルトになるのだ。
そして、甘酸っぱいさくらんぼとふんわりクリームの絶妙なハーモニーがたまらない「てんびん座のミルフィーユ」(450円)も、この秋におすすめ。
てっぺんのさくらんぼは天秤を再現するため、溶かしたパラチニットでヘタを繋げて固める。市販のパイ生地を使って作れるので、お菓子作りが得意ではない方も安心だ。
こちらも、溶けないタイプの粉糖と銀箔シュガーをふりかけ、デコレーション。サクっとしたパイ生地とクリームチーズの相性がばっちりのこのミルフィーユは頑張った自分を癒す、ご褒美スイーツになるはずだ。
本書には他にも「いて座の青りんご飴」や「しし座のスイーツハンバーガー」など、12星座をモチーフにした和・洋両方のスイーツレシピがたくさん。
宮沢賢治氏の『銀河鉄道の夜』をイメージしたスポンジケーキ「南十字星のオペラ」(1000円 セットドリンク付き)も要チェックだ。
空に掲げたくなる「惑星のアイスクリーム」
本書では、しゃりっと冷たく甘い、「惑星のアイスクリーム」(380~620円)も必見。星の旅へ誘ってくれそうな惑星のアイスクリームは、チョコソースやキャラメルソースでカラフルな模様を描くのがポイントだ。
一見、難しそうに思えるが、土星、木星、火星、金星、水星は2ステップでできるので、お子さんと楽しみながら作るのもあり。お菓子作りが得意でない方も、チャレンジしやすいだろう。
個人的にぜひとも作ってみたいと思ったのは、ブルーキュラソーシロップを入れ、食用色素で綺麗な青色を表現した、地球。地球を口いっぱいに頬張るという、非現実的で幻想的な体験をしてみたくなった。
惑星のアイスクリームはダブルやトリプルにして、贅沢に楽しむのもおすすめだ。ぜひ、宇宙の雄大さや美しさを感じながら、癒される甘さに酔いしれてみてはいかがだろうか。
なお、本作のイラストページでは各メニューに幻想的な説明が添えられ、料金が記されており、満月珈琲店を訪れメニューを見ている感覚に浸れて、楽しい。桜田氏が作り出す、美しく、幻想的であるのに、どこかリアリティがある世界観に触れ、もしかしたら、この世のどこかには本当に満月珈琲店があるのでは…と心がワクワクする。
また、本書には「通常版」「Amazon限定版」とカバー違いで2種類があるほか、紙の書籍には、満月珈琲店のロゴ入り透明シール2種類(大小合わせて計24枚)が特典としてついているので、再現レシピを試すときにお皿やグラスに貼れば、自宅が満月珈琲店になったかのような気分に浸れそうだ。
疲れた日にこそ、手に取りたい。そう思えるこのレシピ本を眺めながら、癒し時間を作ってみてほしい。
文=古川諭香