腸内環境を整え、ストレスに強い心と体を作る! 「きのこのスープ」が最強な理由/自律神経をリセットする きのこのスープ

暮らし

公開日:2022/12/11

食物繊維がたっぷり摂れるから便秘改善にも役立つ

 ストレスなどによって交感神経が優位に働きすぎると、腸が便を押し出す「ぜん動運動」が弱くなるため便秘が起きやすくなります。一般的に女性はホルモンの関係で便秘になりやすいのですが、高齢になると男性も便秘で悩む方が増えてきます。これは基本的に加齢にともなう腸の機能低下によることが多いです。

 また、年齢とともに食事量が減ると、便になる材料も減少するので、よけいに便秘体質に傾くのです。

 便秘になると腸内の悪玉菌が増え、老廃物や毒素をため込むため、お腹の張り、食欲不振、吐き気、めまい、肩こり、肌荒れなど、さまざまな不快感が現れます。こういうときに便秘薬に頼ってしまうと排便力も弱くなるので、普段から不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2対1の割合で摂ることがおすすめです。

 水溶性食物繊維···腸内でゲル状になり、コレステロールや有害物質を吸収。便を軟らかくします。

 不溶性食物繊維···水分を吸収し、便のカサを増やして腸壁を刺激し、腸のぜん動運動を促します。

 不溶性食物繊維は野菜などに多いため割と摂れていますが、水溶性食物繊維となると十分ではないようです。2種類の食物繊維は一方が不足しても便秘になります。

 今回「きのこのスープ」で、なめこの使用を必須とした理由も、味のなじみがよくなる以外に、水溶性食物繊維の量が、きのこの中ではもっとも多いためです。

 食物繊維は熱を加えるとカサが減るので、たくさんのきのこが食べられます。スープにすれば水分も一緒に摂れて、「腸の毒だしスープ」としてもぴったりです。

きのこは低糖質で腹持ちもいい、血糖値の急上昇も抑えてくれる

 糖質の摂りすぎは肥満や糖尿病など生活習慣病のリスクが上がるだけでなく、交感神経が過剰に刺激され、自律神経が乱れる要因になります。

 疲れたときに甘いものを食べると気持ちが落ち着くのは、神経伝達物質のドーパミンやセロトニンが分泌され、脳が快楽を得た状態になるからです。この場合、血糖値がたいてい急激に上がった状態であることが多いのです。

 しかし、それが常習化すると、体が糖質を必要としていないのに、脳が快感を得ようと必要以上に糖質を欲するようになり、結果的に自律神経に悪影響を及ぼします。

 糖質を摂れば血糖値は上がり、すい臓からインスリンというホルモンが出て血糖値を下げるように働きます。通常、血糖値は食後約1時間がピークに達し、2~3時間たつと空腹時の血糖値まで徐々に下がり、その後は安定した状態になります。

 ところが、血糖値が下がり切らない状態で、糖質の高いおやつや食事をとると、インスリンが大量に分泌され血糖値を下げようと働きます。

 血糖値は下がりすぎると危険なので、今度は脳内ホルモンが血糖値を上げるように働き、過剰に分泌されるようになります。このように血糖値の急上昇と急降下が繰り返されることによって、自律神経が大きく乱れていくのです。

 「きのこのスープ」は、食物繊維が多く、糖質が低いきのこをメインに使っているので血糖値の上昇も緩やかです。食事の前か初めに食べることで、血糖値の急上昇も防げますし、食物繊維のおかげで腹持ちもよく、食べすぎの防止にもなります。

 私は毎食、きのこを食べていますが、野菜から食べ始める「ベジファースト」ならぬ「きのこファースト」を徹底し、糖質の低い順に食べることで、血糖値の急上昇を抑えるようにしています。

<第3回に続く>

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