EXITりんたろー。「美容が“自分を大切にする練習”をさせてくれる」“チャラ男”が手に入れた自分を強くする美容とケア

健康・美容

更新日:2022/11/24

 近年ますます活動の幅を広げているお笑いコンビ・EXITのりんたろー。さんが、自身初となる著書を上梓した。美容メディア「VOCE」での連載「EXITりんたろー。美容道」などをまとめた、『自分を大切にする練習 コンプレックスだらけだった僕が変われたすべてのこと』(講談社)だ。

「自分なんて」と誰かと自分を比べてはいろいろなことを諦めてしまう。空気をこわさないためにいい人を演じてしまう。まわりの人には十分すぎるほど気を配って生きているのに、それが自分に対してはできない……。

 そんな方は多いのではないでしょうか? 僕も、つい「自分を後回しにしてしまう」ひとりでした。芸人として売れたら、そんな自分はすぐに消えてなくなってくれるものだと思っていましたが、そんなことはありませんでした。(中略)

 そんな僕に「自分を大切にする練習」をさせてくれたのが、美容でした。

 本書では、りんたろー。さんが美容に興味を持つまでの足跡が赤裸々に綴られている。性別・年齢にかかわらず、美容が「自分を大切にする手段」のひとつになるという事実は、彼自身がブレイクや挫折を味わいながら体感してきたことだからだ。

 りんたろー。さんは、芸人として2度売れている。現在のコンビ・EXITの結成前は、世間からイケメンと呼ばれる相方を立てるため、コンプレックスだった容姿をネタに、心を削って奮闘していた。ところが、その相方との活動が突然終わりを迎え、芸人をやめようかと思っていたときに、お笑いの同期や先輩、なによりも現在の相方である兼近大樹さんの存在に励まされ、もう一度夢を追いかけることを決意。しばらくは、「華のある相方をおいしくする」ことが役割だと自分の心に言い聞かせ、がむしゃらに仕事に向き合った。

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 だが、そんな無理が重なって、りんたろー。さんの心身は壊れかけた。忙しくなればなるほど、嫉妬したり、焦ったり……そんな自分をどんどん嫌いになっていき、明日が来るのが怖くなった。眠れなくてお酒を飲み、ただでさえ少ない睡眠時間を削って、朝になれば重い体を叩き起こして現場に向かう──。不規則な生活は、りんたろー。さんのメンタルだけでなく、体までボロボロにした。けれど、体重も100kgを超えたころ、彼の中に漠然とした考えが生まれていた。「ブスな自分が美容をやったらオモロいのではないか」。チャラ男キャラと見た目磨きの相性だっていいはずだ。そう考えて見た目に気を遣うことにしたりんたろー。さんは、意外な発見をすることになる。

 たとえば、洗顔の泡立てを無心にしているとき。そのたっぷりの泡で顔を覆ってあげるだけで、なぜか「自分は大切に扱うに値する存在なんだ」と自分にリマインドしてあげることができました。不思議と落ち気味の気持ちが癒やされ、ほんの少しだけ気持ちが上向くのを感じたこともありました。(中略)自分をきちんとケアする技術を身につけることで、自然と体だけではなく、心の回復力もついてきたように思います。

 こうした経験を踏まえ、りんたろー。さんは、美容を「自分を強くするためのツール」だと語っている。彼の考える美容とは、「自分の見た目を磨く行為」「コンプレックスと向き合い、頑張る努力を特別に必要とする行為」ではない。革靴を手入れするように、自分の体の耐久性を上げるメンテナンスであり、すでに日常生活に組み込まれている洗顔や食事などを、ちょっと工夫するだけの行為なのだ。本書には、美容初心者でも取り入れやすい超実践的なセルフケアの方法ばかりではなく、心身を自分で整えてゆくために必要な知識が詰まっている。

自分を大切にする練習 コンプレックスだらけだった僕が変われたすべてのこと p.104~105

自分を大切にする練習 コンプレックスだらけだった僕が変われたすべてのこと p.148~149

自分を大切にする練習 コンプレックスだらけだった僕が変われたすべてのこと p.194~195

 コンプレックスだらけだった僕が、七転八倒しながらこれまで体験したこと、考えてきたことがどうぞお役に立ちますように。少しでもあなたらしく、健やかな毎日を過ごせるための一助となりますように。

「大切に扱われるに値する自分」は、自分で育てることができる。

 SNSのプロフィールで、みずからの容姿を「チャラデカフェイス」と自虐していたひとりの男が、「美と笑いの伝道師」に進化するまでの道のりと方法が、惜しみなく明かされている本書。セルフメンテナンスとしての美容はもちろん、EXIT・りんたろー。という人にも興味が湧いてくる1冊だ。

文=三田ゆき