タスク管理は“付箋”よりも“ノート”がいい!? デキる人たちが実践するマネしたくなる“ノート術”
公開日:2022/11/28
目標達成には“ノート”を使うのが一番。あらゆるノート術やメモ術の書籍をたよりに、さまざまな“ノート術”を25年間にわたり実践してきた著者による書籍『仕事と勉強にすぐに役立つ「ノート術」大全』(安田修/日本実業出版社)を読むと、そう考えさせられる。「行動」「企画」「メモ」「整理」「勉強」「目標達成」など、あらゆるテーマのTipsを紹介する本書より、日々のビジネス現場で役立つ“タスク管理術”を中心に紹介していく。
延々と増える“付箋”よりも“ノート”での定期的なタスク管理を
効率的なタスク管理は、自身の成果や評価にも直結する。パソコンなどに「付箋」を貼る方法はよく見かけるが、じつは、この方法では際限なく付箋が増えてしまい、「先延ばしされて終わらないタスク」が生まれて、ひいては「付箋の存在自体がストレス」になってくるデメリットもある。
この方法に疑問を持った著者は、あらゆる“ノート術”の本を独自に研究する中で、「週に1度くらいの間隔で、把握しているタスクを全てノート」に書き出す対策をひらめいた。定期的にタスクを書き出すと「やらなければいけないことの全体像や相対的な重要度」が見えてくるほか、ひいては「やらなくて良いこと」を「あらかじめタスクリストから」落とせるメリットもある。
なお、タスクは「何をやるか(内容)」「いつまでにやるか(期限)」「どれだけやるか(レベル)」を具体的に書き出すのがベスト。これは、書籍『1日5分ミニノート仕事術:仕事のゴチャゴチャが解決するシンプルな仕組み』(山崎城二/現代書林)を参考にしたもの。特に、「どれだけやるか(レベル)」は重要で、最重要業務を「A」、緊急業務を「B」、通常業務を「C」、やめるべき業務を「D」といった形で振り分け、最重要業務が「全体の2割以上」になるのを目安に、管理するのがいいという。
日記が続かない人におすすめする4つの項目に“1行書き込むだけ”の方法
毎日を振り返り、明日からの業務に生かす。よかったことも悪かったことも「日記」へ記録してみると、自身の経験から何かを学ぶきっかけになる。ただ、現実的には“三日坊主”で終わってしまう人もいそうだが、本書で紹介している「1行だけ日記をつける」という方法であれば、ハードルも低く続けやすい。
これは、著者が『1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる』(伊藤羊一/SBクリエイティブ)から学んだ方法だ。その日に「やったこと(1行日記の本体)」「自分にとってどんな意味がある?(So What?)」「そうか!(気づいたこと、Aha!)」「やってみよう(アクション)」と、4項目についてそれぞれ1行書き込むだけだ。
1行だけでも日記を書く本質的な目的は「振り返り」そのものだ。もとになった本の著者は「習慣化することで成長できる、自分のやりたいことが見えてくる」と主張しているという。今日の反省を翌日から生かしたいと考える人、日々の自分の行動を改善したいと考える人に、おすすめの方法といえそうだ。
“50冊”にもおよぶ書籍で伝えられていた“ノート術”を、著者独自の視点からギュッと凝縮した本書は、あらゆる「先人の叡智」を一手に学べるのも特徴だ。冒頭で「ノートを仕事で活かしたい」「効率的に勉強をしたい」「夢や目標を達成したい」と、それぞれの目的に沿って“どの章を参考にすればよいか”を案内しているのも親切で、自分の目的に合わせて役立つ情報を必ず見つけられるはずだ。
文=カネコシュウヘイ