『このミステリーがすごい!2023年版』国内編1位は、呉勝浩氏『爆弾』! 「随所に新しい試みがあった」とファン大絶賛
公開日:2022/12/14
2022年12月5日、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)国内編のランキングが発表された。栄えある第1位となったのは、2022年4月20日に発売された呉勝浩氏のミステリー小説『爆弾』(講談社)。全国の書評家・書店員からも絶賛の声が相次ぐ、No.1ミステリの内容とは…。
『このミステリーがすごい!』は、34年続く新作ミステリーランキングブック。国内と海外のミステリー小説ベスト20がランキング形式で紹介され、ミステリ―小説好きはもちろん、各業界人も注目の、年末恒例の1冊となっている。『このミステリーがすごい!2023年版』では、巻頭で『ジョジョの奇妙な冒険』35周年を記念した『岸辺露伴は動かない』特集のほか、西村京太郎さん追悼企画の掲載もあり、充実の内容だ。
そして今回、国内編ランキングのトップ10に入ったのは、以下の作品。
1位『爆弾』(呉勝浩/講談社)
2位『名探偵のいけにえ-人民教会殺人事件-』(白井智之/新潮社)
3位『捜査線上の夕映え』(有栖川有栖/文藝春秋)
4位『方舟』(夕木春央/講談社)
5位『プリンシパル』(長浦京/新潮社)
6位『爆発物処理班の遭遇したスピン』(佐藤究/講談社)
7位『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬/早川書房)
8位『大鞠家殺人事件』(芦辺拓/東京創元社)
9位『地図と拳』(小川哲/集英社)
10位『リバー』(奥田英朗/集英社)
『同志少女よ、敵を撃て』や『方舟』などの話題作がランクインする中、2015年に『道徳の時間』で「第61回江戸川乱歩賞」を受賞した呉氏の最新作『爆弾』が頂点に輝いた。
全ての始まりは、些細な傷害事件で連行された男が放った“ある予言”。取り調べの最中、男は“十時ぴったりに秋葉原の方で何か起こる”と予言する。もちろん誰も彼の話を信じるわけがないが、その直後、秋葉原で爆発事件が発生。唖然とする警察官をよそに、さらに男は「ここから三度、次は一時間後に爆破します」と言葉を続けるのだった――。
まさか、この男は“本物”か? 男が予告する爆破を止められるのか? ここから爆弾魔の悪意に戦慄するノンストップ・ミステリーが幕を開ける。
発売当初からミステリー好きを唸らせてきた同作には、名だたる書評家や書店員からも絶賛の声が続出。書評家の大森望氏からは「著者の集大成とも言うべき衝撃の爆弾サスペンスにしてミステリの爆弾。取扱注意」と最上級の褒め言葉が寄せられた。
もちろん読者からも好評の声が上がっており、ネット上では「悪とは何か、正義とは何かという使い古されたテーマにもかかわらず、随所に新しい試みが見られました」「呉氏の作品の中では、今回が一番強烈で面白かった!」「命の選別は古典的なテーマだと思うけど、それをいかにエンタメ化して読ませるかに特化していた」などと大絶賛されている。
これを読まなければ令和のミステリーは語れない、とも言われている同書。タイムリミットが迫る中で繰り広げられる男と警察の頭脳戦を、見届けてみてはいかがだろうか。