体をホッと温める紅茶は現代人に嬉しいことばかり! 好みの茶葉をおいしく淹れて、心身をリラックス

健康・美容

公開日:2022/12/17

MUSICA TEAに教わる 紅茶の楽しみ方
MUSICA TEAに教わる 紅茶の楽しみ方』(MUSICA TEA/KADOKAWA)

 寒い日が増え、手足の冷えも気になるこれからの季節、温かい飲み物の消費量が一気に増えていく。そういうとき、ペットボトル飲料やカフェを利用するのもいいが、たまには自分でお気に入りの茶葉を買って淹れるのも楽しいもの。こうしたストックがあると、一気におうち時間が充実する。

 しかしいざ紅茶専門店などに行くと、驚くほど豊富な種類の茶葉が並んでいる。見たことのある名前も散見されるものの、いったいどれを買うのがいいのか……。『MUSICA TEAに教わる 紅茶の楽しみ方』(MUSICA TEA/KADOKAWA)は、そうしたハードルを取っ払ってくれる、紅茶を楽しむための本。大阪・堂島発の創業70年の紅茶専門店「MUSICA TEA」が手掛けているだけあり、紅茶の基本的な扱い方から茶葉の種類や産地、流通までの背景など幅広い知識が初心者にも分かるよう丁寧に解説されている。

advertisement

抗菌、殺菌、脂肪燃焼、抗酸化作用……冷え対策だけじゃない紅茶の効果

 お茶を楽しむうえでやっぱり気になるのが、含まれている成分の効果や性質。せっかく飲むなら、おいしいだけじゃなく体に良いものを楽しみたい。緑茶やコーヒーが体を冷やすと言われているのに対し、紅茶は体を温める性質を持っている。これだけでも冬の飲み物としては十分だが、実は紅茶には、ほかにも嬉しい効果が多数あるらしい。

 本書によると、紅茶には殺菌作用や抗酸化作用が期待できる「タンニン」、脂肪燃焼を促す「カフェイン」、副交感神経を活性化しリラックスさせてくれる「テアニン」と主に3つの成分が含まれていて、カロリーはほぼナシ、脂肪分、塩分もゼロと現代人の体に嬉しいことばかり。もちろん飲み過ぎはよくないが、生活の中に適度に取り入れることで自然と“体にいいこと”ができるのはとても嬉しい。

ダージリンの茶葉3種を飲み比べてみた!

 そして本書を読んでいて驚いたのが、自分がざっくり「紅茶の種類」だと認識していたものが、実は産地の名前だったり茶葉の部位だったり様々だったということ。世界三大銘茶といわれているダージリン、ウヴァ、キーマンは産地名、アールグレイはフレーバーティーの一種、オレンジペコーは茶葉の部位(2枚目の葉)、セイロンはスリランカ紅茶の総称、などなど「聞いたことはあるけどよく分かっていなかった名称」が次々とカテゴライズされていった。

 そしてダージリンひとつとっても、「ファーストフラッシュ(一番茶)」「セカンドフラッシュ(二番茶)」「オータムナル(秋摘み茶)」と製茶シーズンによって茶葉の見た目も味も変わってくる。

MUSICA TEAに教わる 紅茶の楽しみ方

 実際に淹れて飲み比べてみると、ファーストフラッシュは紅茶の華やかな香りを持ちながらも飲み口に緑茶のような若々しさを感じ、紅茶にもこんな味わいのものがあるのかと驚かされた。また、セカンドフラッシュは「最も高い品質」とされているだけあって味のバランスが良く、後味も爽やか。オータムナルはセカンドフラッシュを凝縮させたような、しっかりとした力強さを感じた。

 こうした飲み比べをしていくことで、自分の好みをより明確化でき、「何となく買ったら当たりだった(もしくはハズレだった)」という運試しから抜け出すことができそう。そして何より、日常の中に「紅茶を選んで味わう」という時間を持つことで、心身のリフレッシュにも繋がる。

 さらに本書には、紅茶を簡単においしく淹れる方法はもちろん、茶器の種類や紅茶と相性のいいフードやスイーツのことなど、知りたい情報がぎゅっと詰まっている。各茶葉の持つ特徴を感じ、好みの紅茶を探すことが、健康な心身への第一歩になるかもしれない。筆者も引き続き、この本で紅茶の世界を探求してみようと思う。

文=月乃雫