更年期に備えて食事で予防/誰でも健康になれるノブナガ式食べ方大全
公開日:2023/1/8
更年期が近づいたら食事の内容を見直そう
更年期になるとホルモンバランスが乱れ、心と体にトラブルが起きることも多いものです。
その予防として効果が認められているのが、マンガでも紹介したイソフラボンです。2019年に台湾で行われた研究データの分析調査では、「イソフラボンは、更年期におけるほてりを減らし、腰椎の骨密度の損失を軽減し、さらに高血圧の抑制にも効果的」と結論づけています。といってもイソフラボンの適切な量は決まっているので、主治医の指示なしにサプリメントを大量にとることはおすすめできません。とうふや大豆などで日々コツコツととっていきましょう。
もう1つ大事なのは、PART4で何度も紹介したDHAとEPAのオメガ3脂肪酸です。2011年のアメリカのマサチューセッツ総合病院の研究では、更年期女性20人にDHAとEPAをとってもらったところ、のぼせやほてり、抑うつ状態が大幅に改善したと発表しています。青魚の刺し身やさば缶などを食べる習慣を始めましょう!
冷えや血流改善に効果的な食べ物は?
そのほかにも、更年期前後の女性たちに食べてほしい食品がいろいろありますのでご紹介しましょう。
【山いも(長いも)】 山いもや長いもに含まれるジオスゲニンという成分は、活性酸素を抑制する働きがあり、アンチエイジング効果で話題になっています。でもそれだけでなく、女性ホルモンのバランスを整え、不足するホルモンのかわりをしてくれることもわかっています。ちなみにジオスゲニンは男性ホルモンを高める効果もあるので、ご夫婦で食べるといいですね。
【ブロッコリー】 ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜には、植物性エストロゲンが含まれています。これはイソフラボンと同じように、女性ホルモンのバランスを整える効果があることが認められています。
【鶏むね肉】 更年期に多いホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)は、体内の疲労軽減物質であるイミダペプチドの低下によるものという説もあります。鶏むね肉にはイミダペプチドが豊富で、しかも良質なタンパク質。しっかり食べてください。
【発酵食品】 腸を整えることは、さまざまな慢性疾患の予防になります。乳酸菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖をとることも大切ですが、やはり乳酸菌そのものをふやすことは重要なのです。発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれていますので、味噌、納豆、ぬか漬け、豆乳ヨーグルトなどを意識して食べましょう。
【麹】 麹とは、穀物に麹菌を繁殖させたものです。麹がたっぷり含まれた甘酒は「飲む点滴」とまでいわれ、ビタミンB群やオリゴ糖、食物繊維、アミノ酸も豊富。塩麹や麹パウダーは、肉などに数分まぶすと、うまみや甘みがふえてより一層おいしくなりますし、消化にもすぐれています。最近の研究では、麹には便秘の改善やビフィズス菌を効率よくふやす働き、腸内環境の改善なども認められているので、料理の中に麹をとり入れてみてください。
【しょうが】 しょうがは血行を改善し、冷え対策に有効な食材です。更年期の女性は血行不良になっていることもありますので、毎日少しずつでもいいので、しょうがを食べるようにしましょう。加熱したしょうがにはショウガオールという成分が含まれていますが、強力な抗炎症作用と抗がん作用があることもわかっています。
更年期に限らず、「なんとなく不調だな」というときにはこのような食品をとるようにするといいですね。食べ物を変えると、体調は必ず変化します。体の内側から聞こえる小さな声に耳を傾けながら、「今日は何を食べようかな」と考える習慣をつけてください。