プレッシャーは自己暗示で2倍3倍に? どんどん過緊張になる考え方/仕事・スポーツ・勉強のプレッシャーがなくなる本
公開日:2023/1/18
ここ一番の試験当日や大切な商談のプレゼン、絶対に負けられない試合を迎えたとき――。誰にとっても、心に緊張が走る瞬間があるもの。押し潰されそうなプレッシャーを感じたとき、自分の心とうまく付き合うには…?
『仕事・スポーツ・勉強のプレッシャーがなくなる本』は、日常のあらゆる場面で感じてしまうプレッシャーから自由になりたい人に向けた「プレッシャーの取り扱い説明書」。緊張や悩みに振り回されずに結果を出すための方法をわかりやすく解説しています。
人は「成功したい」という思いがあるとき、同時に「失敗するとまずい」という想像をしてしまいがちですが…。
※本作品は森優洵著の書籍『仕事・スポーツ・勉強のプレッシャーがなくなる本』から一部抜粋・編集しました
どうして人はプレッシャーを感じるのか?
●「緊張」に意識が向くと、どんどん過緊張になってしまう
プレッシャーは「過緊張」と言い換えることができます。
緊張が大きすぎることが、プレッシャーになってしまっているのです。
これには、前項でご紹介した「努力逆転の法則」が関係しています。
「努力逆転の法則」のエミール・クーエ(薬剤師)は、プラシーボ効果を探求した人でもあります。プラシーボ効果とは、患者に薬だと言って小麦粉を渡すと、薬の効果が出て治ってしまうというものです。これは、
「薬を飲んだから治るに違いない」
と、患者が自己暗示にかかることで起こる現象です。
まさしく、想像力が思考に2乗して、力を発揮している状態です。
同じように、緊張も、意識すると想像力で2乗されてしまうので、プレッシャー(過緊張)になってしまいます。
●「失敗してはいけない」という気持ちがプレッシャーを大きくする
人は「成功したい」という思いがあるとき、同時に「失敗するとまずい」という想像をしてしまいがちです。
「成功する=失敗していない」ということですから、成功したいという気持ちと、失敗が怖いという気持ちは同時に存在しているのです。
物事をうまくやろうと思ったときに、
「失敗したらどうしよう」
「うまくいかなかったことが浮かんで怖い」
といった気持ちになることはありませんか?
これはポジティブな「思考」に対して、ネガティブな「想像」が2乗されている状態です。アクセルを踏む力よりも、ブレーキを踏む力のほうが強いのと同じです。
「成功したい」という思考が強すぎると、同時に、「失敗すると怖い」という気持ちが大きくなりすぎてしまいます。
その分、プレッシャーも大きくなってしまうのです。
たとえば、大学受験やオリンピックはわかりやすい例です。
大学受験を失敗したら1年間はチャンスがありませんし、オリンピックの金メダルは、タイミングを逃すと一生手にすることができない可能性もあります。
そのため、「失敗してはいけない」という気持ちが強くなりやすく、プレッシャーや恐怖につながってしまうのです。
●結果にこだわらないようにするとうまくいく
結果を気にしている人、失敗してはいけないと思っている人ほど、強いプレッシャーを感じてしまいます。
そして、「成功したい」よりも、「失敗してはいけない」という気持ちが強い人ほど、より強くプレッシャーを感じるでしょう。
失敗する恐怖を抱えている人は、身体が緊張して縮こまり、パフォーマンスも著しく低下して、結果的に失敗してしまうことが多くなってしまいます。
一方、うまくいく人は、結果を気にしていないので、プレッシャーを感じていません。そのため、身体にもムダな力が入らず、結果的に高いパフォーマンスを発揮できて、うまくいくのです。