コロナ禍で運動不足になる人が増加。血流が悪くなり、内臓が冷える原因に!?/内臓を温めるという提案
公開日:2023/1/16
まず、運動不足と内臓の冷えについて、かんたんに説明していきます。
運動をすると、体が熱くなるというのは、皆さんもご承知の通りだと思います。
これは、筋肉を動かすことにより、熱が発生するからです。
そして、その熱は、筋肉に張り巡らされている血管から全身へと、血流にのって運ばれていきます。
運動不足になると、筋肉が熱を発生する機会が減ってしまいます。
さらに、運動不足で筋肉量が減ると、当然、熱が発生する量が減ります。
体の中で熱が生まれにくくなるので、内臓も冷えやすくなります。
もう1つ、体内で発生した熱は、先ほど述べたように、血流にのって全身へと運ばれていくのですが、筋肉はその血液を全身に運ぶポンプのような役目をしています。
筋力が落ちると、そのポンプが小さくなります。
筋力が落ちないまでも、少しでも体を動かさなくなると、筋肉が弾力性を失い、血液を押し出す力が弱くなります。
つまり、血流が悪くなってしまい、すみずみまで熱が運ばれなくなり、内臓も冷えてしまうのです。
運動不足というと、「普段からそんなに運動していなかったし……」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、そういう方こそ、外出が減り、体を動かす機会が減ったことによる筋力の低下が深刻な問題になっています。
歩く、階段を上るといった日常の動作も当然のごとく筋肉を動かして行われる、立派な運動であり、そのような小さな積み重ねがなくなることが、深刻な運動不足を引き起こしているのです。
自立神経の乱れが引き起こす内臓の冷え
「はじめに」で内臓が冷えることによって、体を健康に保つ司令塔の役割を担っている自律神経が乱れるといいましたが、逆もしかりで血流をコントロールしている自律神経の機能がうまく働かなくなると、内臓に適切な熱が運ばれなくなり、内臓が冷えてしまいます。
そして、自律神経が乱れる原因となるのが、ストレスや環境の変化です。
新型コロナウイルス感染への恐怖や変化した経済状況による不安、長時間のマスク着用、外出の自粛、リモートワーク等の働き方の変化によるストレスに、我々は長期間さらされました。
2022年の3月に厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスとその影響に関する調査」によると、2021年の4~9月までは、半数程度の人が何らかの不安などを感じ、感染者数が減少した10月~11月においても約3割と減ってはいるものの、根強く心身にダメージを与えていることがうかがえます。
長期間のストレスの蓄積ももちろんあるでしょうし、コロナ禍が落ち着いたことによる環境の変化が、さらなるストレスを生みだしてしまったことにより、より一層自立神経が乱れ、内臓が冷えてしまう危険性も十分に考えられます。