体温が高くても内臓が冷えてしまう「隠れ冷え」に要注意! 自律神経の乱れが原因かも…/内臓を温めるという提案
公開日:2023/1/17
「隠れ冷え」を引き起こす自律神経の乱れ
ここで、体の司令塔としてこれまで紹介してきた自立神経について、少し詳しく説明していきます。
人間の心臓や超、胃、血管などの臓器は、「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経によってコントロールされています。
交感神経は日中、仕事や家事など活動しているときに活発に動きます。
一方、副交感神経は、休息やリラックスをしているとき、特に眠っているときに活発に働いてくれます。
この2つの神経が、時に交感神経が活発に働き体を活動的にしたり、時に副交感神経が活発に働き体を休めたりとバランスよく働くことで健康は保たれています。
しかし、自律神経は、ストレス、生活リズムの乱れなどにより、そのバランスが乱れてしまうことがあります。
たとえば、副交感神経が活発に働かず、疲れがとれなかったり、交感神経が活発に働かずやる気が出なかったりと、さまざまな不具合が生じてしまいます。
この自律神経の乱れが原因で増えているのが、「血管拡張型冷え性」です。
体温は高いのに、内臓温度が低い人たちのことです。
私たちの体は体温を一定に保つために、暑いときは体の表面に近い細い血管を大きく広げて、血液を多く流し、熱を効率的に手足など体の表面から逃がそうとします。
逆に、寒いときには、内臓の温度を下げないために、血管を収縮させて、流れる血液を減らすことにより、できるだけ熱が外へ逃げないようにします。
この血管を拡張したり、収縮したりするのを自律神経がつかさどっているのです。
しかし、自律神経が乱れると、その働きがうまくいかなくなり、少しの寒さで必要以上に収縮しすぎると、先ほど説明した「血管収縮型冷え性」になります。
一方で、自律神経の乱れによって、寒いときでも、血管が収縮しなくなってしまう場合があります。
血管が収縮しない結果、熱が手足など、体の表面からどんどん逃げていき、内臓温度は下がる一方、熱が出ていっているからだの表面は温かいという現象が起きます。
厄介なのは、体がほてっていたり汗もかきやすかったりするので、まさか自分の内臓が冷えているとは思わない、「隠れ冷え」になるケースが多いことです。
また全身に寒さを感じていても「自分は寒がりだから」と見逃してしまう。
そうして知らず知らずのうちに、内臓を冷やすことになってしまうのです。
頭痛や肩こり、腰痛など、内臓温度の低下によるほかの症状が現れて、はじめて自分が冷え性だったと気がつく人も非常に多いです。
取り返しのつかなくなる前に、「はじめに」で紹介したチェックを一度試してみてください。
<第3回に続く>