お金がたまらない…。そんな悩みの解消は90日のトレーニングでサヨウナラ。「ためる力」を鍛えよう

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公開日:2023/2/3

90日で「貯める力」をつける本
90日で「貯める力」をつける本』(横山光昭/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 電気代のさらなる値上げや物価の上昇など、景気の悪い話題ばかりが耳に入ってくる今日このごろ。何となく「貯金したほうがいいかも」「投資したほうがいいんだっけ?」と思っている人も多いだろう。不安だからという消極的な理由では、何だか味気ない。

 そんなアナタへ、「貯金はあなたの将来の可能性や選択肢を広げるためにするもの」と前向きな考え方を提案してくれるのが『90日で「貯める力」をつける本』(横山光昭/ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。

 2万4000件もの家計を再生してきた家計再生コンサルタント・横山光昭氏によると、家計再生にピッタリな期間は90日。挑戦するのに長すぎず、しかし変化も見えやすい期間であり、効果を実感しやすく自信につながるという。そんな気になる横山式「貯める力」の鍛え方を紹介しよう。

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今を生き抜くために必要な「貯める力」

「貯める力」には3つのステージがある。第1ステージは「お金を管理する」。実生活に関わるお金の動きを把握し、無駄を省き、貯金を作っていく段階だ。第2ステージが「お金を学ぶ」。第1ステージで貯めたお金をどう活用するかを学ぶ段階だ。お金に関する本を読む、セミナーに参加するなどインプットが大切。この段階ではまだ実践には進まないことが肝心だ。第3ステージがいよいよ「お金を活かす」で、実際に投資などで活用していく段階となる。

 この3つのうちもっとも重要なのが「お金を管理する」ステージだ。しかし多くの人がここを曖昧にしたまま、投資に手を出してしまうそう。投資は余剰資金でおこなうことが大原則。生活費を削って投資し、暮らしが立ち行かなくなっては本末転倒だ。お金の管理・知識を得ることと、実際に活用することを分けて考えることで、確実に貯める力を付けることができる。

唯一にして最強のメソッド「消・浪・投」

 貯める力を付けるための方法は、いたってシンプル。支出を全て書き出して「消費・浪費・投資」に分けるだけ。出費全体を100としたときに、消費70%・浪費5%・投資25%のバランスに近づけていくのが目標だ。

消費…生活するために必要な出費。食費、住居費、交通費など
浪費…生活に必要でない、無意味な出費。嗜好品、限度を超えた買い物、ギャンブルなど
投資…必ずしも生活に必要ではないけれど、自分にとって有効になる出費。投資信託、資産運用、本代や習い事など

 簡単ではあるが、単純ではないのがこの振り分け。たとえば外食は食費なので基本的には消費だが、あまりにも多い場合は浪費と言えるかもしれない。仕事関係の人脈を増やすための会食なら、投資に含めることもできる。「いくら使ったか」ではなく「何に、どんな目的で使ったか」を把握すること。これが【横山式90日貯金プログラム】の最強メソッドだ。

実践!【横山式90日貯金プログラム】

 本書には横山式90日貯金プログラムの実践シートが掲載されている。90日間「消・浪・投」の記録をしながら、貯める力を確実に付けるための行動目標をこなすためのシートだ。たとえば1カ月目の最初の10日間では、「予算を立ててみる」「自分へダメ出ししてみる」など、お金と向き合う目標が設定されている。このシートに沿って行動していけば、無理なく確実に貯める力を付けていけるというわけだ。

 また、プログラムの前に把握しておきたいこと、プログラム中に心がけること、といったワークシートも掲載されている。現状の収支や、借り入れの有無、自分の性格など、お金や自分と向き合うことが可能。本書を購入するとダウンロード用のパスワードを入手できるので、印刷して書き込んでみるといいだろう。このプログラムは90日1セットを繰り返すことでより効果が発揮される。一度だけでなく、何度も続けて挑戦してみよう。

 コロナ禍を契機に、お金に対する不安を感じている人は多いはず。かくいう私もその一人だ。「貯金や投資をやらなきゃいけないのはわかっているけど、よくわからないなぁ……」と浮かない気分で読み始めたが、横山氏の「無理なく」「楽しく」という明るさに、勇気をもらえた。お金に悩むアナタに、ぜひとも読んでほしい1冊だ。

文=冴島友貴