緊急不急企画! 清野とおる&猫飼太陽 対談 【サイン入りイラスト色紙プレゼント付き】
更新日:2023/2/13
「清野さんの作風が僕の中に「イン」しちゃいました」
「猫アレルギーだけどどうしても猫を飼いたい!」という強い気持ちを引っ提げて、突如彗星の如く、雨上がりのボウフラの如く、猫がいつの間にか吐いた毛玉の如く、ダ・ヴィンチWEBで連載をスタートさせた謎の漫画家・猫飼太陽氏。かつては「そこそこメジャー誌」でも執筆していたという猫飼氏とは一体何者なのか。連載開始直後から、『東京都北区赤羽』や『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』『東京怪奇酒』などで知られる清野とおる氏の作風に似ていることがごく一部で囁かれているが、その真相やいかに…!? 今回、編集部からのオファーにより、なんと清野とおる氏(以下「清」)と猫飼太陽氏(以下「猫」)の対談が実現することになった。そこで明らかになった2人の意外な関係とは…!?
——そもそも「描描猫猫(カクカクネコネコ)」を描くきっかけ、着想は何だったのでしょうか?
猫:話せばミャオ大佐の毛(※=世界一の長毛猫といわれたペルシャ猫とヒマラヤンのミックス)くらい長くなるのですが、以前からKADOKAWAさんとは本業のデザイナーのほうの仕事で関わらせていただいてまして。その関係で清野さんの『東京怪奇酒』(怪奇現場で飲酒をキメ込み、「オバケ」待ちをする新感覚体験型漫画)の担当編集であるKさんと知り合って、僕の体験したちょっとした怪談話を披露したんですよ。その話がKさん経由で清野さんのほうにもいって、「ぜひ取材させてほしい」となり、清野さんとお会いしたんです。
清:その節は大変お世話になりました。結局『怪奇酒』のほうは取材時に洒落にならないトラブル(人怖系)が重なって漫画にはできなかったんですけど、太陽さんってばサワヤカ好青年で、しかも元漫画家さんということもあり意気投合して、取材後もたまに連絡取り合うような間柄になったんですよね。
猫:ありがとうございます。それで1年くらい前に清野さんとKさんと3人で飲んだ時、僕の猫アレルギーの話や、長年の猫に対する気持ちを酔いの勢いのまま熱弁しちゃったんですよ。「ゆめちゃん」の話込みで、もし今の自分が猫漫画を“猫く”なら、これこれこういうものを“猫き”たいみたいな青写真まで披露してしまって…今振り返るとお恥ずかしい限りですが…。
※太陽氏曰く『「描」と「猫」ってパッと見ほぼ同じなので、漫画内での「描く」はすべて「猫く」でいきます』とのこと。今回の太陽氏の記事内発言においても、同様にしています。
清:その熱量にドン引きしつつも感心しちゃって、「それ、漫画に描けばいいんじゃないですか?もったいないですよ!」って、無責任に背中を押ししちゃったんですよね。僕も完全に酔いの勢いでですが(笑)
猫:あの時お店で飲んでいた甲類焼酎の質が相当悪かったのか、同席していたKさんまで「やるならぜひウチで!」って、これまた完全に酒の勢いで承諾してくださって(笑)その場かぎりの与太話かと思ったら後日『ダ・ヴィンチ』の編集さんと本当に繋げてくださって。イラストの仕事はたまにこなしてますが、漫画を“猫く”のは10年以上ぶりだったので、正直、かなり臆しちゃいました。嬉しいけど、どうしよう…って。
——連載に当たって太陽さんがこだわったのが「昔とは違うペンネームでやらせてほしい」ということでしたね。そのあたりの心境を聞かせてください。
猫:クロアチアネコ(=アフリカに生息する世界最小の猫)のように小さな小さな僕のエゴで本当に申し訳ないのですが、漫画家としての過去の自分とはもう完全に決別したんです。正直、あまりいい形で漫画家を辞めた訳ではなく、当時の編集さんや周囲の人たちにも迷惑をかけたり色々あって、今さら当時の名前で世に出ることに抵抗があったのです。僕なりのケジメですね。
清:あの…さっきからちょいちょい挟んでくる、猫がらみのわかりにくい比喩をやめてもらえませんか?自分、猫くわしくないんで。なんなら犬派なんで。話が入ってこないというか、むしろ話が出てっちゃって何も入ってきやしませんよ。
猫:すみません、つい…。それで、ペンネームを変えるなら作風もガラッと変えようということになりまして、そこで参考にさせていただいたのが清野さんの作風だったんです。清野さんの漫画は以前からかなり読み込んでましたし、もし自分がエッセイ漫画を“猫く”なら清野さんみたいなものを“猫き”たいという願望も強くて。…正確には意図的に参考にした訳でなく、連載前に新しい作風での漫画の練習をしていたところ、「あれ?なんかこれ、完全に清野さんっぽいじゃん!一報入れないと!」というのが正直なところです。参考にするまでもなく、清野さんの作風が僕の中に「イン」しちゃってたんですね。
清:僕なんぞの作風を参考にしたところで勝機は皆無だろうし、フリー素材みたいなもんですから、どうぞご勝手にって感じですが、太陽さんってば律儀に長文のメールくださって。PCメールで150行くらいの重めのやつ。もちろん快諾しましたが、でも僕の方から一つだけ条件をつけさせてもらったんですよね。それが…。
猫:清野さんより売れないこと、でしたね(笑)。
清:数多ある猫漫画で今さら売れる可能性は「三毛猫の雄が生まれる確率」より低いと思いますが、万が一売れられたりしたらシャクじゃないですか。作風泥棒のくせに。
猫:一転、泥棒扱い&猫がらみのわかりにくい比喩(笑)僕にとってはとてもわかりやすい比喩ですが。
清:泥棒は冗談ですが、本心としては嬉しかったですよ。芸能人だって、モノマネされて初めて一流みたいな風潮あるじゃないですか。漫画家でも同じだと思うんですよね。まあ僕は四流から三流に押し上げられた程度に過ぎませんが、せっかくなら頑張ってほしいと思いますよ。あとやっぱ2000年代、同じ時代に商業誌で漫画家をやってたという仲間意識もありますよね。あの時代は僕も辛い思い出ばかりで、何度も漫画家辞めようと考えましたから…。
猫:(涙)
——連載を読んでいると、猫飼さんの例えようもない猫愛が伝わってきます。その分、猫アレルギーが発覚するくだりは読んでいる側としてもつらかったのですが、その時の絶望した気持ちを改めてお伝えいただけますか?
猫:アレルギーを発症するタイミングって人それぞれだと思うんですけど、僕の場合、『あと数年で一人暮らしして猫を飼えるぞ!』って、一番ウキウキしていたタイミングでの発症だったので、絶望感は半端じゃなかったですね。
清:心中お察しします。その後、どうやって猫アレルギーを克服されたんですか?
猫:…実はまだ…克服はできてはいませんよ(笑)。その辺の詳細は漫画の方で“猫か”せていただくとして、1〜2粒でアレルギーが完治するような特効薬の誕生を願うばかりです。
——清野さんは何かアレルギーはありますか?
清:自慢じゃないですが、僕もなかなかのアレルギー持ちですよ。花粉にダニにハウスダスト、一番きついのは卵アレルギーですね。昔から「何らかの食べ物にアレルギー反応起こしてるっぽいな〜」と自覚はしてたんですけど、30代の頃にアレルギーに特化した精密検査を受けてみたんですよ。そしたら遅延型の卵アレルギーと発覚しまして。遅延型の場合、食べた直後ではなく、数時間後とか数日後に症状が出るので、特定しにくいんですよね。
猫:卵はお好きなんですか?
清:愚問ですな。好きどころか愛してますよ。玉子焼きや目玉焼き、卵かけご飯とか大好きですし。卵料理以外の好物にも、原材料に大抵卵が使われてたりする。卵アレルギーだとわかってからしばらくストイックに「卵断ち」したのですが、ノイローゼになりかけてやめました。僕の症状はせいぜい数日皮膚が痒くなったり腫れたりする程度なので、卵断ちの辛さに比べればぜんぜん耐えられます。でもここ数年は比較的症状が軽くなってきたと思ってますよ。
猫:それは良かったですね。僕の場合、皮膚の痒さや腫れ以外に、呼吸器系にもくるので、耐えすぎると死んでしまう恐れがありました…。
清:おっ、アレルギーマウント取られる気ですか?僕の痒さや腫れも死ぬほどきつい時期ありましたけど?それに卵アレルギーだけじゃなく、日光アレルギーだし、それに犬アレルギーでもありますし!
猫:そんな絶望的なマウント取る気はないです(笑)清野さん、何かの作品でも猫かれてましたけど、犬アレルギーなんですよね。
清:はい。卵アレルギーより前に受けたオーソドックな血液検査で発覚したんですけど、僕も相当な犬好きなので辛かったですよ。生まれた時に実家で室内犬として柴犬が存在してたし、10代の頃まで全然平気だったんですけど。太陽さんと同じく、本気で犬を飼いたくなった20代のあるタイミングで突然犬アレルギーを発症してしまった…。太陽さんにシンパシー感じて応援したいのは、気持ちがわかるからでもあるんです。言うなれば僕は「犬飼太陽」ですから。
——現在はめでたく猫を飼われてますが、愛猫の「ゆめちゃん」について語ってください。
猫:清野さん、僕の膝の上を見てください。わかります?
清:はい?
猫:今、こうして赤羽のサイゼリヤで清野さんと対談している時にも、僕の膝の上に「ゆめちゃん」が乗ってスヤスヤお昼寝している姿が僕にははっきりと見えます。
清:はい?
猫:猫への愛情が臨界点に達すると、概念が具現化して、いついかなる時でも空間を共有することができることに気づいたんです。対談中も、ずっと「ゆめちゃん」をナデナデしてましたよ
清:あ、ちょっとそういうのは大丈夫です。
猫:いつか清野さんにも実物の「ゆめちゃん」もお見せしたいですね。今度僕の家に遊びに来てくださいよ。胸がキュルルンとして、桃色のファンタジーを体感できると思います。
清:あややーッ!実物の「ゆめちゃん」には興味ありありです。太陽さんは東京の西の方に住まわれてるんですよね?
猫:清野さんが今連載されてる「スペアタウン」で多摩センターについて猫かれてましたが、それよりさらにもっと西ですね。
清:うわ、そんなに西なんですか!いいなあ、西!僕も以前からかなりの「西好き」なので、太陽さん宅にはぜひお邪魔したいです。「ゆめちゃん」、僕にも懐いてくれますかねえ…?
猫:清野さんのことを「ゆめちゃん」に良く言っておくので、大丈夫ですよ。
——せっかくなので、清野さんにも猫に対する思いやエピソードを語っていただいてよいでしょうか?
清:正直、猫は苦手でしたね。犬と違って感情が読みにくいし、薄気味悪いところがあるじゃないですか。「化け猫」というのは聞くけど、「化け犬」はあんま聞かないし。それに昔、墓場に可愛い猫がいたので抱っこしたところ、頬を「パー」で殴られたこともありますし。周囲の墓石に音が響くくらい重いやつを…。
猫:それはきっと清野さんの抱きかたが悪かったんですよ。「グウ」じゃなくて「パー」というのも猫なりの優しさでしょうし、それに化けられるってことはそれだけ頭がいい証だと思います。
清:いやいや、頭の良さだったら猫より犬の方が圧倒的に上でしょう?番犬や警察犬や盲導犬など、人間社会への貢献も半端ないですし、芸だってたくさんできますし。「忠犬」は聞くけど「忠猫」はあんま聞かないし。
猫:いややいや、猫だってその気になればいくらでも貢献できると思いますよ。芸だって無限にできます。人間に忠誠も誓えるけど、でも、そんなことしなくても生きていける方法を知ってるんです。犬みたいに人間に歩み寄らずとも、人間の方から猫に歩み寄らせる方法を。なにせ頭がいいから。
清:この猫野郎め!…って、別に僕は猫嫌いなわけではないんですよ。むしろここ数年は、そんな猫に首ったけな自分もいます。「妻」が大の猫好きで、妻宅に2匹の猫がいるんですけど、悔しいかな、日々デレデレですよ…。
猫:僕も犬のこと嫌いじゃないですし、大好きですよ(笑)猫への愛情が振り切っちゃってるだけなのであしからずです。奥様は、どんな猫ちゃんを飼われているのですか!?
清:スフィンクスという無毛種の兄妹猫です。「そんなに僕のこと信じ切って大丈夫?僕が猫嫌いの極悪人だったらどうすんの?」って不安になっちゃうくらい人懐っこくて。悔しいけど可愛いです。そして、彼らを膝の上に乗せてホッピー飲む時間が至福です。焼酎で割らなくても泥酔できそうです。
猫:スフィンクス、なまめかしい容姿と肌感がたまりませんよね❤️しかもそんな天使ちゃんが2匹もいらっしゃるなんて…1匹譲っていただけませんか?
清:……(ガン無視)
——最後に、猫飼さんの今後の連載への意気込みをお聞かせください。
猫:まさかこの歳になって猫漫画の連載のチャンスをいただけるなんて夢にも思っていなかったので、本当にありがたいです。この場を借りて、本当にありがとうございます。最後まで全力で猫ききることができれば悔いはありません。連載終わった後は、また今まで通りデザイナーの仕事に専念すると決めているので、「猫飼太陽」という名前での活動はおそらく今回が最初で最後だと思いますので、短い間ですがよろしくお願いします。
清:潔いですね。太陽さんの生き様と死に様、しかと見届けさせてもらいますよ
猫:ぜひお願いします! 今回のエッセイ漫画に関しては相当清野さんの影響受けて猫かせてもらっているので、今後も「清野色」が垣間見えることがあると思います(笑)ぜひ最後まで見届けていただけたら光栄です!
清:チャコールグレーでお馴染みの「清野色」ですね。楽しみにしています。ツイッターでは敢えて相互フォローせず、ときに理由なくスパム報告し合うような、そんな「好敵手」とも言えるカンケイでお互い頑張っていきましょう!
猫:西へと向かう帰りの電車内で、早速スパム報告させていただきますね!
清:僕は今すぐします!っていうか、しました!
猫:フシャーッ!
2022年2月某日赤羽にて
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■キャンペーン概要
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■キャンペーン期間
2月10日(金)~2月24日(金)23:59
■応募資格
・ご自身のTwitterアカウントを保有している方
・日本国内に在住の方
■応募方法
①Twitterでダ・ヴィンチニュース(@d_davinci)のアカウントをフォロー
②当該キャンペーンツイートをリツイートで応募完了!
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