アットホームな隣人の庭。それを見て、息子はパパを思い出し、寂しさを募らせる/赤い隣人~小さな泣き声が聞こえる
公開日:2023/3/3
社会問題化している児童虐待。親の自覚のないままにしつけがエスカレートしていき、虐待化していくケースが報告されています。しつけと虐待の境界線を超えてしまうきっかけは、もしかしたら誰にでもある身近なものなのかもしれません。
今回紹介するのは、第25回手塚治虫文化賞短編賞受賞作家・野原広子氏による「自覚のない虐待」を描いた『赤い隣人~小さな泣き声が聞こえる』です。
幼い息子と2人で新しい街に引っ越してきた希。シングルマザーの辛さを抱えながら、同い年の娘を持つ主婦・千夏と出会い、家族ぐるみのお付き合いを始める。普段は穏やかな千夏だが、どこか様子がおかしい。真夜中の大きな物音、子供の頭のアザ…。一見幸せそうに見える家庭をもむしばむ、現代の闇を描いたコミックエッセイです。
少しずつ形作られていく希と健太との生活。健太が外で遊んでいると、すぐ隣には家族団らんが伺えるおうちと庭があった。
※本作品は『赤い隣人~小さな泣き声が聞こえる』(野原広子/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました
第2話 隣のお庭