「ママ友とうまく雑談ができない」「学校のプリントをなくしてしまう」発達障害ママに向けた子育てライフハック本!

暮らし

更新日:2023/7/7

「困った」「やってしまった」がなくなる 発達障害ママの子育てハック
「困った」「やってしまった」がなくなる 発達障害ママの子育てハック』(綾瀬ゆうこ:著、森しほ:監修/飛鳥新社)

 プリントの山に要参加な学校行事にPTA…子育ては赤ちゃん期も大変だが、実は幼稚園や保育園、小学校に入るようになると、外から要請される「やらなければならないこと」が格段に増え、ふりまわされてしまうことがある。特に問題なく過ごせているママもいる一方で、連日「あーまた忘れ物をさせてしまった」とか「学校に出さなきゃいけない書類の提出期限過ぎてる!?(そもそもプリントどこいったかな?)」とか「習い事、すっぽかした!」とか、とにかく困難の連続(涙)というママもいるだろう。

 そんなママは、もしかするとご自身が「発達障害」もしくは、そのグレーゾーンの可能性があるかもしれない。発達障害というと子どもに注目が集まるが、実は大人でも困っている人は多いもの(すでにそんな自分を自覚しているというママもいるかもしれない)。最近はそうした特性とうまく折り合い、毎日を支障なく過ごすためのライフハック本もいくつかあるが、このほど登場した『「困った」「やってしまった」がなくなる 発達障害ママの子育てハック』(綾瀬ゆうこ:著、森しほ:監修/飛鳥新社)は、子育てにフォーカスした、発達障害ママに向けたライフハック本。お困りママの強い味方になってくれそうな一冊だ。

 著者であるライターの綾瀬ゆうこさんはADHDの傾向があり、ASDとADHDの特性を持つ2人の子どもを育てるシングルマザー。ご自身がぶちあたる数々の子育て問題に「精神論ではない解決法がほしい!」と悩んだあげく、自ら「ライフハック本」を書くことを決意。専門家(監修役の産業医・公認心理師の森しほ先生)に確認しながら、より効率のいい方法を研究して本書を編み出したという。著者自身が当事者なこともあり、「コレに困っていた!」がしっかり押さえられているのも実に心強い。

advertisement

 本書で紹介されているライフハックは全部で85。「大切な書類や印鑑をよく紛失してしまう」「片付けられない」「自動引き落としの手続きが苦手」「電話や訪問が苦手で、町内会の仕事がうまくできない」といった日常生活全般の家事に関わるお悩み解決や、「仕事の優先順位がつけられない」「上司に質問できない」「仕事のアポ時間を間違えてしまう」といった仕事のタスクや人間関係に関するお悩み解決もあるが、なにより充実しているのは「子ども関連のお悩み」についてだ。「提出物を後回しにしてしまう」「持ち物の準備が苦手」「プリントをなくしてしまう」「子どものお友だちやその親の顔が覚えられない」「ママ友とうまく雑談ができない」「学校行事を忘れてしまう」…などなど、学校、ママ友、PTA、習い事といったさまざまな子育てシーンでの「お悩みあるある」にばっちり対処法を提示してくれる。

 ちなみに筆者は発達障害ではないが、男子を育てる中で「プリント」に関してはかなり悩まされた(ランドセルにいれたままで発見されない、適当な場所に置かれてこちらは気がつかない…etc.)。本書にある「子ども用プリント置き場を作り本人に出させる」とのプリント「見える化」作戦は、知っていれば当時ぜひ導入したかった…。ほかにも「体操服専用ネットを作って洗濯」とか「書類発送セットをまとめておく」とか、なるほど!なアイディアがいろいろ。タイトルには「発達障害ママ」とあるけれど、子育てに困りごとがあるママならば、気軽にパラパラすることで思わぬ「発見」がありそうな一冊だ。

文=荒井理恵