内田真礼 老後に想いを馳せるエッセイ。年上の女性が描く「人生の可能性」を楽しむ【私の愛読書】

文芸・カルチャー

公開日:2023/3/9

内田真礼さん

 さまざまな分野で活躍する著名人にお気に入りの本を紹介してもらうインタビュー連載「私の愛読書」。今回は、1st photobook 「まあやドキ」が2月8日に発売された、声優の内田真礼さんにご登場いただいた。

 アニメ、ナレーション等の仕事はもちろん、テレビのバラエティ番組にも引っ張りだこの内田真礼さん。多忙を極めているであろう彼女だからこそのセレクトをご紹介する。

(取材・文=金沢俊吾)

大崎博子『89歳、ひとり暮らし。』

内田:すごく好きな本があるんです。大崎博子さんの『89歳、ひとり暮らし。』。お金がなくても幸せ、という本です(笑)。私、年上の女性が書いたエッセイを読むのが好きなんです。特に「一人でも慎ましく生きていける」みたいな、人生の先輩が描く老後の楽しみを読みたいんですよ。

89歳、ひとり暮らし。
89歳、ひとり暮らし。』(大崎博子/宝島社)

――それは、先輩の人生をロールモデル的に学びたいという気持ちがあるのですか?

内田:そうですね。もう、いろいろな可能性を見せてくれるんです。大金持ちになって大きな豪邸に住むだけが幸せじゃないよな、とか。80歳になってから太極拳を始めてもいいんだよな、とか。

――読むと老後が楽しみになったりもするのでしょうか。

内田:私、未来が楽しみでもあり不安でもあるんですよね。だから、先輩たちの経験談を読んで「自分が90歳になったらどうだろう?」と思いを馳せると、なんだか安心するんです。

――内田さんは連日メディアに登場されて、外から見ると順風満帆に見えるのですが、そんな不安があるんですね。

内田:もちろん、不安だけじゃなくて、楽しみもたくさんありますけどね。今は仕事しか見えてないですけど、人生は長いので、今から老後のことを想像するのが楽しいのかもしれないです。

<第9回に続く>