食材は肉と野菜の2点でOK! 時短と料理の負担軽減になるボリューム満点肉サラダ
公開日:2023/3/14
料理を作っていると、たまにふと「私が作るサラダっていつも似たり寄ったりだな」と気になることがある。ごはんは白米でいいとして、メインのおかずはそれなりに考えるし、2日連続で同じものということは滅多にない。でもサラダは、サラダ用に買ってくる野菜がだいたい決まっていて、それをメインの横に添えるだけ。凝ったものを作りたいと思いながらも、メインを優先してしまい、なかなか余裕がないのが現実だ。
『肉サラダ 1肉1野菜で作る!主役級!』(堤人美/グラフィック社)は、そんな余裕のなさからくるサラダのマンネリ化を解消してくれそうなレシピ本。紹介されているサラダは、タイトルどおり肉と組み合わせて作るもの。つまり、別々で作る余裕がないなら、メインと一体化させてしまえばいいじゃない!という本だ。しかもメインとなる素材は、野菜1種類と肉1種類。これなら無理なく実践できるのではないか?
また、本書のサラダは、「“ささっと作れる”毎日サラダ」と「“週末作りたい”ごちそうサラダ」に分けられていて、生活スタイルに合わせて選べるのも嬉しいところ。2つのうち「“ささっと作れる”毎日サラダ」の中から3品、実際に作ってみることにした。
「薄切り肉の塩唐揚げとサニーレタス」(P.12)
1品目は、「薄切り肉の塩唐揚げとサニーレタス」。まずは塩コショウで下味をつけた豚バラ肉に片栗粉をまぶし、170度の油でこんがり揚げる。あとは水気を切ったサニーレタスを器に盛りつけ、豚肉をのせて、上からオリーブオイルと醤油、黒コショウをかけて完成。食べる前に、好みでレモンを搾る。
カリカリザクザクと食感の良い豚肉と、オリーブオイルの豊かな風味をプラスした醤油が、サニーレタスをメインおかずとして相応しいボリュームに仕立て上げている。レモンのおかげで脂っこくなりすぎないのも嬉しい。
「皮ごとじゃがいもと豚こま肉のポテサラ」(P.22)
2品目は、「皮ごとじゃがいもと豚こま肉のポテサラ」。塩コショウで味付けした豚バラ肉を、オリーブオイルでカリッとするまで炒めておく。茹でたじゃがいもとにんにくをフォークで粗くつぶし、豚肉とカマンベールチーズ、マヨネーズ、酢、塩コショウを加えて混ぜ、仕上げにパセリを散らして完成。
豚バラ肉のガツンとくるうまみと、にんにくの刺激、ホクホク感とねっとり食感の入り混じるポテサラ部分、そしてカマンベールチーズのミルキーな塩気のバランスが絶妙! デパ地下おかずのようなオシャレさも魅力的だ。また、冷めてもおいしく作り置きに適しているため、多めに作っておけば弁当のおかずとしても大活躍しそうだ。
「鶏もも肉の五香粉炒めと茹で小松菜」(P.40、P.42)
最後は、「鶏もも肉の五香粉炒めと茹で小松菜」。オイスターソース、酒、ごま油、醤油、片栗粉で下味をつけた鶏もも肉を、生姜とにんにく、赤唐辛子、サラダ油で裏表4分ほど焼き、仕上げに五香粉を加えて混ぜる。鍋に水、塩、ごま油を入れて沸騰させ、小松菜をさっと茹でて、小松菜、鶏肉の順に器に盛りつけて完成。最後に好みで黒酢をかける。
オイスターソースのコク深い味わいと鶏のうまみの合わさったこってり味に、ほんのりごま油が香る小松菜のみずみずしさが相性抜群! 鼻に抜ける五香粉のスパイシーさも相まって、まるでお店で食べる中華料理のような仕上がりに。
3品とも、1品でごはんのおかずとして成立するボリュームで、まさに主役級。「サラダはあくまで脇役」という概念を覆される結果となった。品数を作らないのは手抜き、と考える人もまだまだ多い中で、こうした料理が浸透し、少しでも家事をする人の負担軽減に繋がれば嬉しい限りだ。
調理、文=月乃雫