ヨシタケシンスケの絵本が初のテレビアニメ化! 『それしか ないわけ ないでしょう』で、子どもも大人も考える“いろんなみらい”
公開日:2023/3/18
大人になったときに未来に待っているのは、大変なことばかり。おにいちゃんはそう言うけど、それって本当――!? それしかないわけないでしょう!
“子どもだけでなく、大人も考えさせられる絵本”として注目を集めた『それしか ないわけ ないでしょう』(ヨシタケシンスケ/白泉社)が、2023年3月22日(水)にNHK Eテレでテレビアニメ化される。本稿ではアニメ放送に先駆けて、絵本の内容を改めて振り返りたい。
同作を手掛けるのは、今年で絵本作家デビュー10周年を迎えたヨシタケシンスケさん。著作には『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)や『かみはこんなにくちゃくちゃだけど』(白泉社)などがあり、これまで7度にわたって「MOE絵本屋さん大賞」第1位に輝いている。また5月31日(水)には、自身初となる長編絵本『メメンとモリ』(KADOKAWA)が刊行される予定だ。
そんな彼が紡ぎ出す絵本の世界は、子どもから大人まで多くの人びとを惹きつける。なかでも、2018年11月に発売された『それしか ないわけ ないでしょう』はその最たる例といえるだろう。
ある日、お兄ちゃんから「ねえねえ、知ってる? 未来は大変なんだぜ」と言われ、途端に将来が不安になってしまった女の子。思わずおばあちゃんに尋ねると、「だーいじょうぶよ!」「大変なことだけじゃなくて、楽しいことや面白いこともたーくさんあるんだから!」とあっけらんとした答えが返ってきた。
未来のことなんて誰にもわからない。大人はすぐに「未来はきっとこうなる」「だからこうするしかない」と決めつけるが、たいてい当たらないことが多い。天気ひとつをとっても、晴れだと思っていたら雨だった…ということはざらにある。未来なんてそんなもの。考え方ひとつで楽しい未来がたくさん見えてくる――。おばあちゃんの言葉をきっかけに、女の子は思いつく限りの楽しい可能性をあれこれ考え始めていく。
「それしかないわけないでしょう」というヨシタケさんの口癖から生まれたといわれる同作。女の子とその家族を通して、未来への可能性を提示する内容は、子どもだけでなく大人もハッとさせられるはず。同時におばあちゃんの前向きな言葉には、多くの人が励まされるだろう。
なお今回のアニメ化に際して、女の子のキャラクターボイスを務めるのは、アニメ「けものフレンズ2」カラカル役などで知られる声優・小池理子。ほか、おばあちゃん役には麻生かほ里、おにいちゃんは松本沙羅、おかあさんを牧野由依が演じる。
未来に不安を抱えるすべての人に贈る絵本のテレビアニメ化。放送当日は、ぜひ親子で一緒に見届けてほしい。
■アニメ『それしか ないわけ ないでしょう』
原作:ヨシタケシンスケ
監督:吉葉龍志郎
放送局:NHK Eテレ
放送日時:2023年3月22日(水)午前9:45~9:54(予定)
出演者:小池理子、麻生かほ里 ほか