正解はどっち? 問屋は「卸さない」or「許さない」 タイムマシーン3号ら人気芸人に学ぶ言葉の“正しい使い方”

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公開日:2023/3/20

芸人国語
芸人国語』(アイデンティティ、さすらいラビー、神宮寺しし丸、ストレッチーズ、タイムマシーン3号、ノッチ、パニーニ、マシンガンズ、モシモシ、アルコ&ピース、納言/KADOKAWA)

 アルコ&ピースやタイムマシーン3号、ストレッチーズなど、人気芸人を多く抱える太田プロダクション。その芸人が一堂に会する書籍『芸人国語』(KADOKAWA)が刊行された。言葉のプロである人気芸人たちから「慣用表現」「熟語」「ことわざ」「敬語」「漢字」の正しい使い方を学べる一冊は、ページをめくるたびワクワクするほど楽しい。その中から、一部の内容を紹介していく。

タイムマシーン3号が問う「問屋」は卸さないのか、許さないか

 本書では、人気芸人たちが「正しい使い方はどれ?」という言葉に関する3択問題を出題。読者の私たちが考え、回答していくシンプルな構成だが、突拍子もないボケ回答の選択肢が用意されているのもユニークで、思わずクスッと笑ってしまう。

 例えば、漫才とコントの双方で実力を発揮するタイムマシーン3号が、回答ページで軽快な掛け合いもみせる問題を紹介してみたい。

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 選択肢の1番は「つい魔が差してしまったと言うが、そうは問屋が許さない」で、2番は「また隠れてつまみ食いをしようとしたって、そうは問屋が卸さない」だ。3番は「最近やけに忙しい。今日はトンガとウルグアイ」とあるが、「ひょっとして3番の可能性も…」と乗っかりたい気持ちを抱きながらも、1番と2番の違いは微妙で意外と難しい。

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 正解は2番の「そうは問屋が卸さない」だ。本書では「自分が思うようにそう簡単にものごとはうまく運ばない」の意味で、問屋がそもそも「商品を『卸す』ことが仕事」と覚えておけば、誤用しづらくなると解説している。

注目の漫才コンビ・ストレッチーズが出題「雰囲気」の読み方は?

 本書から、もう1問紹介しよう。昨年、「ツギクル芸人グランプリ」で優勝した注目の次世代漫才コンビ・ストレッチーズは、「漢字」の読み方にまつわる問題を出題する。

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 問題で扱う漢字は「雰囲気」だ。選択肢の1番は「ふんいき」で、2番は「ふいんき」となっている。3番の「イキフン」には「ある意味正解では?」と思いたくなるが、1番と2番の呼び方は混同される機会も少なくない。

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 正解は1番の「ふんいき」だ。読み方を間違えないコツは「雰」と「囲」と「気」を、それぞれ一つずつしっかり読むこと。ただ、2番の「ふいんき」の方が「発音しやすい」ため、その発音に慣れてしまい「誤った発音をそのまま覚えて誤用してしまう」といった事態が起きると、本書は伝える。

 正しい言葉づかいを楽しく学べる本書は、太田プロの人気芸人たちが次々登場する構成も魅力だ。お笑い好きな人はもちろん、肩肘張らずに勉強できるので、気軽に何かを勉強したい人たちにもおすすめだ。

文=青山悠