なんとなくでいつも選んでない? スーパーのエキスパート店員が教える、新鮮でおいしい野菜や果物の見分け方
公開日:2023/3/21
スーパーで野菜を選ぶ際、同じ値段なら新鮮でおいしい野菜を選びたい。そう思ってくまなく見てみるものの、よほど状態の悪いものでない限りはあまり見分けがつかない。そもそも判断基準自体が我流で、「ツヤやハリがあるからきっと新鮮」「色が鮮やかだからおいしそう」と曖昧なものも多く、ハズレを引いて残念な気持ちになることもしばしば……。
『スーパーのエキスパート店員が教える おいしい野菜まるみえ図鑑』(青髪のテツ:著、わたなべみきこ:イラスト/KADOKAWA)は、野菜、果物、きのこの見分け方を知ることができる本。著者である青髪のテツさんは、スーパーの青果部で10年以上働いている野菜のプロ。Twitterのフォロワー数55万人超えのエキスパート店員だ。
本書は、野菜のイラストや写真とともに、旬の目安、原産国や生産地、栄養、野菜を見分けるにあたって注目すべきポイントが見開きで分かりやすく紹介されているほか、漢字にはフリガナがついているので、タイトルどおり図鑑として子どもも楽しめる内容になっている。
例えば、おいしいきゅうりの見分け方。
スーパーの野菜売り場できゅうりを見ていると、たまにおしりの部分が膨らんでいるきゅうりを見かけることがある。筆者は、野菜は自分の見た目を気にして育つわけじゃないし、たまたまそういう形になったのだろう、と思っていた。しかしこれ、実は鮮度が落ちて、水が溜まって膨らんでいるのだとか。逆に、イボがしっかりしていてトゲが鋭く、色鮮やかでしっかりとした硬さがあるのは新鮮な証。太さが均一であることも重要なポイントとなる。
また、ぜひ参考にしたいと思ったのが、「ゴーヤはイボが大きいほど苦みが弱くて食べやすい」というもの。
筆者はゴーヤを砂糖とみそで炒めて食べるのが好きなのだが、それでもたまに苦みを強く感じることもあった。まさかイボの大きさが苦みの強さの指標になっていたとは知らなかった。
ちなみに、じゃがいもやズッキーニは、大きすぎないものを選んだ方がおいしいらしい。これまで「どうせなら大きい方がお得!」と大きいサイズのものを選んでいたので反省。また、かぼちゃやさつまいもは、収穫から1~2カ月ほど置くことで糖度が高くなり、完熟して甘みが増すそう。店頭ではヘタが乾燥してヒビが入りコルクのようになっているもの、皮が固く緑色が濃く、ずっしり重いものを選ぶといいとか。
肉や魚は熟成させるとおいしくなるというが、野菜も新鮮なものがベストとは限らない、ということに驚いた。
ほかにも、イチゴはつぶつぶまで赤い方がおいしい、バナナは値段が高いほどおいしい、アボカドはヘタが少し浮いていて弾力のあるものが食べごろなど、ページをめくるごとに「なるほど」「えっ!?」という声が出てしまった。
このほかにも、トマトやナス、ねぎ、キャベツやレタスなど、日ごろ食べている野菜の意外と知らない見分け方が満載。また、巻頭に載っている各野菜の保存方法、巻末の「みんなのQ&A」にも、役立つ情報が盛りだくさん。さすがは野菜のプロだ。本書で野菜の選び方をしっかりマスターして、野菜のおいしさをもっと楽しんでいこうと思う。
文=月乃雫