春を感じる植物の絵本(2023年3月 新刊&おすすめ絵本)

文芸・カルチャー

公開日:2023/3/27

あたたかな風に吹かれ、やわらかな香りに包まれる春。 一斉につぼみを開く草花の美しさ、愛らしさは、私たちの心をますます明るく優しくしてくれます。日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎をモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の放送も4月から、主人公を通して草花の不思議や魅力にさらに惹き込まれそうな予感がします。

そこで、春の植物をテーマにした絵本やおはなし、図鑑を集めてみました。見ているだけで幸せな気分になる、春色の草花。本の中でもみずみずしい生命力にあふれていて、新しい季節に向かう力をもらえそうです!

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花びらが1枚、2枚…満開の桜を見上げるような「語りかけ」で、あかちゃんとゆったり絵本時間を 『語りかけ絵本 さくら』

語りかけ絵本 さくら

文・絵:こが ようこ

みどころ

おしゃべりをはじめる前のあかちゃんに「語りかけ」が大事と聞くけれど、いったいどんなふうに「語りかけ」ってすればいいの? そんな不安を抱える新米ママパパにおすすめなのが、読めばそのまま、あかちゃんへの「語りかけ」になる、こがようこさんの人気絵本シリーズ。これまで「ひよこ」「いちご」「どんぐり」「えだまめ」などいろいろなテーマが出ています。

やわらかそうなピンク色の桜の花びらが、1枚、また1枚。リズムよく並ぶ花びらをひとつずつ見ていくと……。「あれ、花びら、ねちゃってるね」 横向きになった花びらを見てあかちゃんに語りかければ、きっと、にっこり。あかちゃんが初めて出会うものへの興味・関心や心の動きに、自然に寄り添っていくことができます。

作者は長年おはなし会の活動を続ける、こがようこさん。オノマトペを生かしたやさしい言葉で、何度も繰り返し楽しめる、乳児向け絵本や紙芝居に定評があります。
巻末には「語りかけ ちょこっとヒント」があります。ふーっと息を吹きかけたり、そっと指でつまんでみるしぐさをしたり……。ヒントを参考に、挑戦してみてくださいね。

もしかしたら、はじめての子育てで、空や花を見る余裕もないほどに夢中で子どもの世話をしている方もいらっしゃるかもしれません。ようやく首がすわって、お散歩に連れ出せるようになって……あかちゃんと同じ目線で世界を眺めるとき、花や雲や空の色が、それまでと違って見えることも。これぞ、子育ての醍醐味です。親子に、新鮮で幸せなひとときをくれる「語りかけ絵本」シリーズ。ぜひ一度手にとってみてくださいね。

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大好きなわらべうたを、歌うように、読み聞かせるように。お出かけのお供にもぴったりの「歌いかけ」絵本『チューリップ』

チューリップ

作:近藤 宮子絵:高部むしゅこ

出版社からの内容紹介

「歌いかけ」という言葉は、現在の児童教育の専門家の中でさかんに聞かれるようになったキーワードです。
童謡(わらべうた)はそれがそのまま一つの「お話し(ストーリー)」です。
「語りかけ」から「読み聞かせ」は、子どもたちにとっては大きな開き(違い)があり、「なかなかうまくいかない」という声を多く聞きます。
このシリーズは、お歌が絵本のお話しになっているので、子どもたちにすぐに受け入れられます。
「読み聞かせ」につながる「歌いかけ」という最も大事な時期に大活躍をします。
子どもたちが大好きでよく知っている曲ばかりを選びました。
「絵本の世界」の入り口として間違いなく必須アイテムとなる、今までなかった新しいコンセプトの絵本シリーズです。

・1冊で1曲の「おうたえほん」
・子どもが大好きでよく知っているおうたが「お話し絵本」に
・かわいい手のひらサイズのミニブック
・お好きなセット組でプレゼントに
・おでかけのお供にバッグの中に
・高品質で低価格
・角丸のボードブックで安心
・すべて違うイラストなのでコレクションとしても楽しい

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たんぽぽ、ありんこ、ねこ、たろうくん……生きものたちのかけ声リレー、おひさま浴びておおきくなぁれ!『たんぽぽはたんぽぽ』

たんぽぽはたんぽぽ

作:おくはら ゆめ

みどころ

たろうくんがあそんでいると
すずめがたんぽぽの上でさわいでいます。
すずめの声にみみをすますと、

「たんぽぽは たんぽぽ
 たんぽぽは たんぽぽ
 たんぽぽは たんぽぽ」

楽しそうなすずめたちにあわせて、
たんぽぽたちも
ぴん、ぴん、ぴーんとはなびらをのばします。

そのたんぽぽたちの上を
歩いているのは、小さなありんこ。
今度は、たんぽぽの声にみみをすますと、

「ありんこは ありんこ
 ありんこは ありんこ
 ありんこは ありんこ」

愉快な掛け声のリレーは、すずめから始まり、
たんぽぽ、ありんこ、ねこたち、そしてたろうくんへ。
はずかしがっているたろうくんも
最後はまけじと・・・。

おくはらゆめさんの描く、春の絵本。
くりかえしの言葉が楽しくて、
春がでんぐりがえししてぐるんぐるん
ころがって、ごろ、ごろ、ごろーん。
たろうくんの目線で描かれる
のびのびとした生き物たちの賛歌。
青空を眺めながら小さな命がすべて愛おしく感じる
かわいらしい絵本です。

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花かんむり、ほわほわ綿毛、春は草花あそびが楽しい! 身近な植物への探究心も芽生える写真絵本『はるのくさばなあそび』

はるのくさばなあそび

監修:大久保 茂徳写真:佐野 高太郎

出版社からの内容紹介

レンゲソウの花の茎を絡ませながら編んでかんむりにしたり、開く前のタンポポの綿毛を瓶に入れて綿毛の瓶詰を作ったり…。撮りおろしの写真で、春の草花遊びの楽しさを伝えます。絵本をヒントに、屋外で遊んで、自然を身近に感じましょう。植物に触れて、その性質に気づけば、科学する心も芽生えます。

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大好きなスミレの花と、夜のお散歩へ……。不思議に満ちた植物の世界へ誘われるファンタジックなおはなし『はるとスミレ』

はるとスミレ

著:eto

出版社からの内容紹介

はるちゃんは植物が大好き。毎日、庭で花や草木を眺めて過ごします。今日は1番好きなスミレの花を鉢に植え替えて、部屋に持ちかえりました。これでずっと一緒にいられます。
今夜は月が紫色にかがやく特別な夜。月の光が、部屋の中も紫色に照らしだします。すると……鉢に植えられていたスミレの花がむくむくと動きだし、「はるちゃん、遊びましょう」。
さあ、夜のお散歩のはじまりはじまり。

植物たちは根っこで対話している。身近な自然の中の不思議な営みを、ファンタジックな世界観で子どもたちに優しく伝えます。はるとスミレに誘われて読みすすめるうちに、気づけば植物たちの声に囲まれているような、そんな感覚を覚えます。
リソグラフの手法を用いて、瑞々しくグラフィカルに描かれた画面も魅力的です。

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くんくん……春のにおい! 動物たちが目をさます! あのロングセラー絵本を坂本美雨さんの英語の語りで味わう『英日CD付 英語絵本 はなをくんくん THE HAPPY DAY』

英日CD付 英語絵本 はなをくんくん THE HAPPY DAY

著:ルース・クラウス絵:マーク・シーモント訳:きじま はじめ朗読:坂本 美雨

出版社からの内容紹介

ゆき深い森の中,ねむっている動物たち。
春の気配を感じて目をさまし,はなをくんくん,かけだします。
こどももおとなも春がまちどおしくなる絵本を,坂本美雨さんのやさしい英語と日本語で。
英語絵本一冊に,英語・日本語の朗読CD1枚と日本語対訳ガイド付属。

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一年生で習う全部の漢字が入った文と、のびやかな絵。中川ひろたかさん&きくちちきさんが贈る「漢字を感じる」一冊『みんな生きている』

みんな生きている

文:中川 ひろたか絵:きくち ちき

出版社からの内容紹介

漢字学習にもぴったりの、感じる漢字絵本

小学1年生で習う漢字80字がすべて入った「漢字を感じる」絵本。中川ひろたか氏の文に、ブラティスラバ世界絵本原画展にて金のりんご賞を受賞した画家・きくちちき氏が、大らかでのびのびとした絵をつけました。

【青い空。金いろにひかるお日さま。虫も花もみんな、力づよく生きている。】
特に、小学一年生で習う漢字80字は、ゆたかな自然や、楽しい学校生活を感じられるものばかり。その80字をすべて使って中川ひろたか氏が書いた情景を、きくちちき氏がのびのびと生き生きと絵で描ききりました。
漢字を習い始める時期のお子さんにもおすすめの絵本です。

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「サクラも人を見ている」お花見をきっかけに気づく、桜と暮らし続けるために僕たちにできること『おはなみ』

おはなみ

作:くすのき しげのり絵:まるやま あやこ

みどころ

「サクラこうえん」の真ん中にある立派なサクラの木。満開になり、その美しい姿を見ようと週末土曜日にはたくさんの人々が集まります。
ござを敷いて、みんなでおしゃべりして、美味しいものを食べて。「お花見」はとっても楽しいものですよね。

日曜日の朝、公園に遊びに来たハルトが最初に見たのは、ゴミを片付けているミキとおばあちゃん。
「ミキちゃん、なにやってるの?」「みてのとおり、おそうじよ」
そう、お花見でにぎわった次の日の公園は、あちらこちらにゴミがいっぱいなのです。
ミキの強引な誘いもあって一緒に手伝うことになったハルトですが、人が食べ残したり飲み残したゴミをどうして自分が片付けなきゃいけないのか、不思議でしかありません。きたないのに!
そこでおばあちゃんが言います。
「サクラの花が咲くとみんながお花見をするように、サクラの花も私たちのことをちゃんと見ていると思うの」
サクラのお花だってきれいな公園を見たいに違いない、そう言われると何だか急に景色が変わって見えてきます。夏にはひまわりが、秋にはコスモスが、自分たちを見ている。だったら、やっぱりきれいな景色を毎年見せてあげたい。ハルトは思います。明日も来年もずっとおそうじを続けたい。
「じゃあ、約束しよう!」

サクラとおそうじと二人の素敵な約束。この3つを結びつけてくれたのは、おばあちゃん。
その豊かな感性はこうして子どもたちに、そしてまたその子どもたちにずっと受け継がれていくのでしょうか。すっかりきれいになったサクラの下に座ったハルトとミキとおばあちゃんの表情の清々しいこと!

大きくて優しい眼差しにつつまれた、可愛らしく気持ちのいい絵本です。

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春夏秋冬、庭の花々と共に。いろいろな花を知り、育てるポイントや楽しさに満ちた図鑑えほん!『庭に咲く花えほん』

庭に咲く花えほん

作:前田 まゆみ

出版社からの内容紹介

家族で楽しめる植物図鑑えほん&はじめて出会う春夏秋冬ガーデニング入門!

春 チューリップ、ヒアシンス、アネモネ/他

初夏~夏 あじさい、クレマチス/他

秋 きく、ダリヤ

冬~初春 つばき、うめ/他

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【動画公開中】世界を知る 自分と出会える絵本22選

文/竹原雅子 編集/木村春子