小説『フランケンシュタイン』あらすじ紹介。身勝手な人間によって作られ、あまりの醜さに捨てられた「怪物」の悲劇

文芸・カルチャー

更新日:2024/2/8

「フランケンシュタイン」と聞くと、顔面ツギハギの巨大な怪物を思い浮かべる方が多いと思います。しかし『フランケンシュタイン』とは、あの怪物を創った科学者の名であることはご存じでしょうか? 実は、あの「怪物」は名前すら貰えなかった悲劇的な存在なのです。今回はそんな『フランケンシュタイン』の登場人物やあらすじをご紹介します。

フランケンシュタイン

『フランケンシュタイン』の作品解説

 メアリー・シェリーが1818年に匿名で発表した小説。ジャンル的にはゴシック小説に分類されるものの、科学技術を背景とするため最初のSF小説と見なされることもあります。

 本作品は幾度となく映画化された作品でもあり、1931年のボリス・カーロフが演じたフランケンシュタインの怪物が有名です。

『フランケンシュタイン』の主な登場人物

ヴィクター・フランケンシュタイン:科学者を目指す青年。生命を操る目的から「怪物」を作り出してしまう。

怪物:フランケンシュタインによって作り出された人造人間。高い知性と体力を持つが、容姿は醜くおぞましい。

エリザベス:フランケンシュタインの婚約者。

ヘンリー・クラーヴァル:フランケンシュタインの幼なじみ。

ロバート・ウォルトン:北極探検隊の隊長。北極海で怪物を追い、衰弱していたフランケンシュタインを救出した人物。

『フランケンシュタイン』のあらすじ​​

 物語は、ロバート・ウォルトンが姉に送った手紙の内容として語られる。

 北極点到達の任についていたウォルトンは、北極海で衰弱したひとりの青年を救出する。彼の名はフランケンシュタイン。科学者を志す青年であった。フランケンシュタインはウォルトンに語る。自分はいつの日か生命の謎を解き明かし、思うがままに生命を操作したいという野心に取り憑かれていたこと。そしてついに自分の手で設計し組み立てた人工の肉体に、生命を吹き込むことに成功したことを。

 しかし、完成したのは、あまりにも醜く、おぞましい容姿の『怪物』であった。これに恐れをなしたフランケンシュタインは、怪物を野放しにしたまま、故郷のスイスに逃げ帰ってしまったという。

 一方、見捨てられた怪物は苦難の旅を続けながら、言語や愛情を学ぶものの、その容姿ゆえに人間には受け入れられずにいた。孤独に耐えきれなくなった怪物は、ついに自分にとっての創造主であるフランケンシュタインを見つけ出し、「自分の伴侶となり得る異性の怪物をもうひとり作ってほしい」と要求し、「この願いを叶えてくれれば二度と人前には現れない」と約束する。

 友人であるクラーヴァルの付き添いのもと、オークニー諸島でもうひとりの人造人間を作る機材を揃え準備を整えるフランケンシュタイン。しかし、怪物が増えることを恐れ土壇場で要求を拒否。機材を海へ投げ捨てる。裏切られた怪物は怒り狂いクラーヴァルを殺害。海へと逃亡したフランケンシュタインは、漂着した村でクラーヴァルを殺した犯人と誤解され投獄されてしまう。

 疑いは晴れ、フランケンシュタインは故郷へ戻り、養女として共に育てられたエリザベスと結婚するが、怪物が現れ彼女は殺害されてしまう。殺意に駆られたフランケンシュタインは怪物を追って北極海へたどり着くも倒れ、ウォルトンに救出されたのだった。

 すべてを語り終え、怪物殺しをウォルトンに託し、フランケンシュタインは息を引き取る。しかし、ウォルトンは怪物殺しには向かわず、船員たちの安全のため北極点到達を諦め帰路に就く。そして、創造主たるフランケンシュタインの遺体の前に現れた怪物は、その死を嘆き、その場に現れたウォルトンに自身の心情と、北極点で自死することを告げて消えた。怪物のその後を知るものは、誰もいない。

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『フランケンシュタイン』のあらすじはいかがでしたか。
『フランケンシュタイン』は映画化もされており、映画を視聴することでも『フランケンシュタイン』の物語を楽しめます。

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<第57回に続く>