だるい、力が出ない、疲れやすい…その不調、鉄分不足のせいかも。今日からできる鉄分チャージのすすめ

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更新日:2024/9/17

疲れと不調にサヨナラ! 体と心をラクにする 鉄分貯金
疲れと不調にサヨナラ! 体と心をラクにする 鉄分貯金』(細川モモ:著、村野直子:監修/KADOKAWA)

 1日をもっと有効活用したいという気持ちはあっても、「なんかだるい」「疲れた」となかなか思うようにいかない。前日に立てた計画とやる気はいったいどこへ……。そんな日々に悩んでいるのは私だけではないはず。『疲れと不調にサヨナラ! 体と心をラクにする 鉄分貯金』(細川モモ:著、村野直子:監修/KADOKAWA)によると、やる気が出ないのは鉄不足の可能性があるとか。

 本書によると、7000人のヘモグロビン値を測定したところ、女性の20~40%、乳幼児の10~30%は貧血リスクが疑われる状態にあるらしい。貧血と言われても立ち眩みを起こすわけでもないし……と考えてしまいがちだが、実は鉄不足によって現れる症状には、頭痛や眠気、集中力の低下、抜け毛、難聴、肩こり、口内炎、息切れ、慢性疲労、冷え性、むくみ、氷を食べたくなる、といったさまざまなものがあり、当然ながら、いわゆる貧血の症状がないから鉄不足ではないとは限らないのだ。本書には簡易的に目安を得られる「鉄欠乏性貧血リスクチェック」もあるため、自己診断してみてほしい。

 なお、もちろん鉄不足以外の理由で上記の症状が起こっている可能性もあるため、生活に支障がある場合は必ず病院で診てもらおう。

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 また、鉄不足の原因を8つのタイプに分け、タイプごとに特徴やアドバイスをしてくれるのも本書の魅力。鉄分を摂取していても、胃腸が弱い、ホルモンバランスが乱れている、ビタミン不足、ピロリ菌がいるなど、別な要因で鉄不足になっている可能性も。

 だが、そもそも足りていない状況は今日からでも改善できる。鉄には「動物性(ヘム鉄)」と「植物性(非ヘム鉄)」があり、ヘム鉄は吸収率30%、非ヘム鉄は吸収率7%と吸収率に大きな差がある。とはいえ、日本人が食事から摂取する鉄分の8割が非ヘム鉄と言われており、1日に必要な鉄量(たとえば月経のある成人女性は10.5㎎、月経のない成人女性は6.5mg、成人男性は7.5㎎が推奨量)をどちらもバランスよく、効率よく摂っていくことが大切だ。第2章では、何をどのくらい摂るとどれだけの鉄分が補えるのか、どんな献立にするのがいいのかも詳しく解説されている。

 基本的には、すべての鉄分を食事で補うのがベストだが、忙しかったり食欲がなかったりと必ず毎日摂れるとは限らない。そういうときは、サプリメントや医薬品に頼るのも1つの手段。巻末には、自分に合ったサプリメントを見つける手がかりとして、薬剤師が監修した「鉄サプリメント・医薬品MAP」も。鉄量の多さ、1日当たりの価格を軸とした分かりやすい表は非常に参考になる。また、いつもの食事に鉄分の多い食材をちょい足しするだけでも、続けることで大きく鉄量が変わってくる。

 私も本書の内容を参考に、鉄分の多い食材「小松菜」「納豆」「牛肉」「まぐろ」などを積極的に取り入れるようにし、サプリメントも購入してみた。最近はグミやラムネのようなサプリもあるので、摂るのが苦痛にならずありがたい限りだ。まだ始めて数週間のため劇的な変化を感じているわけではないが、日中のだるさ、眠さがやや改善されたような気がする。毎日を有意義に過ごすためにも、コツコツと鉄分貯金を続けていこうと思う。

文=月乃雫

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